カメラマンと介護職の二足の草鞋で活動。高齢者施設を写真館に変える「のんびり写真館」を全国に | 介護・看護・保健師の転職サイトaunジョブ

DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

水本光
カメラマン・介護士
のんびり写真館 水本光

カメラマンと介護職の二足の草鞋で活動。高齢者施設を写真館に変える「のんびり写真館」を全国に

カメラマンと介護職の二足の草鞋

――あなたのお仕事について具体的に教えてください。

現在、カメラマン、介護士という2つの仕事をしています。介護士としてのキャリアは9年で、高齢者介護の分野で5年、障がい者福祉の分野で4年働いています。今は生活介護と就労支援事業所の併設事業所で日中の生活支援に携わっています。カメラは趣味として介護の仕事とほぼ同じぐらいに始めました。プロになって6年程になります。

カメラで施設全体が明るく華やぐ

――この仕事を始めたきっかけを教えてください。

元々私は建築の勉強をしており、学校を卒業後は建築関係の会社に就職したのですが長続きしませんでした。その後も何度か転職をするのですがいずれもうまく行かず、最後は失業してしまいました。親が介護士だったこともあり、藁にもすがる思いでハローワークの職業訓練で資格をとって介護の仕事を始めました。

特に興味があったわけでもない介護の仕事を長く続けてこられたのは「自分は何もできない駄目な人間だ」と自己肯定感が低かった私を、施設の利用者や先輩など多くの人たちが、ありのままに受け入れてくれたことが大きかったと思っています。

カメラは、今は妻である当時の彼女がカメラを買ったので、それを借りて撮影を始めたところ面白いと感じたのがきっかけです。当初は特にテーマも決めず、風景や花などに目についたものを撮影していたのですが、ある日高額なカメラを買ったのを機に「どうせ撮るならば人の役に立つ写真を」と考え、勤務する高齢者施設のイベントとして利用者の撮影を始めました。利用者の葬儀の時の遺影が、昔撮った集合写真から切り抜いたものだったことがあり「例え短い間の入居だったとしても、ここで生活をしていたときの笑顔の写真が一枚もないのか」とショックを受けたことも利用者を撮影するきっかけの一つになりました。

カメラを向けられると、認知症で普段は全く表情がない人や暴言などがひどい人でも笑顔になったりして、施設全体が明るく華やぎます。利用者、スタッフ、家族みんなが非常に喜んでくれました。それがきっかけで6年程前よりプロとして活動を始めました。

現職の介護士だからこその信頼関係

――あなたの強みは何ですか?

高齢者施設などに出張撮影するカメラマンはほかにもいますが、彼らと違い私は現職の介護士なので、相手と同じ高さまで目線を下げて話かけるなど、認知症や要介護の高齢者とのコミュニケーションがしっかりとれるという点が大きな強みです。撮影相手とカメラマンの間に信頼関係があればあるほどに表情が豊かな良い写真が撮影できます。

高齢者施設を地域に開かれた写真館に

――あなたの使命とは何ですか?

2023年より「のんびり写真館」というイベントを始めています。これは高齢者施設を写真館にし、地域の人にも来てもらうというものです。昔は街に写真館があり、家族写真などを撮影する人が大勢いました。写真館で撮影してもらうことは特別な体験であり、家族のつながりを認識する機会でもありました。しかし、今はスマートフォンの普及もあり、写真館の数もめっきり少なくなりました。

高齢者施設を地域に開かれた写真館にすることで、写真館に行けない利用者を撮影できるだけでなく、近所の人たちが高齢者施設に足を運び、見学することとで、介護について理解してもらうきっかけにもなります。こうした取り組みを通じて、高齢者施設と地域を今以上に密に結びつけていくことが使命だと思っています。

「のんびり写真館」を1件でも多く開催したい

――あなたのこれからの夢を聞かせてください。

あまり大きな夢というものは持っておらず、この「のんびり写真館」を1件でも多く開催することです。これまで6施設で開催してきましたが、1年間で10ヵ所は新規の施設で開催したいです。

また、現在はカメラマンとしての収入と介護士としての収入が同じぐらいですが、もう少しカメラマンの仕事の割合を増やしていくことです。理想としては、カメラマン80%、介護士20%ぐらいです。

自分の「本気度」を示し、必要なら職場や働き方を変えること

――最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。

実際に2つの仕事をしている立場からアドバイスをさせてもらうと、まず副業・複業をする場合には、今の職場に、そのことについて十分に理解をしてもらうことです。

私の場合も、カメラマンとして活動したいという話をしたときの当初の反応は「どうせ趣味に毛が生えた程度のものだろう」と芳しくないものでした。しかし、職場のイベントなどで撮影を続けていくうちに「水本の写真は、普通の人が撮ったものとは違う」といった評価をもらうようになり、私のカメラマンとして活動したいという想いにも理解をしてもらえるようになりました。

「まだ、食べていけるかどうかわからないし、恥ずかしい」などと考えずに、これまで手掛けてきた作品などがあるなら、どんどん職場の人に披露して自分の「本気度」を示して下さい。そのことが自信にもつながりますし、多くの人に話したり見せたりすることでさまざまなヒントをもらえることもあります。

また、今の職場が副業・複業をするのに適していない環境ならば、今の職場や働き方を変えるというのも手です。私が高齢者介護から障がい福祉に転職したのもそれが理由です。カメラマンの仕事は結構急なオーダーが入ることもあります。しかし、介護現場の仕事はシフトがしっかり決まっているので、それに応えられずにチャンスを逃してしまったことが何回かありました。そこでシフトに柔軟性がある今の仕事を選びました。

逆に言えば「今の仕事・職場を変える気がない」という気が強く、副業・複業始める踏ん切りがつかないというのであれば、それは副業・複業に対する熱意がまだ十分ではないと判断する材料の一つになると言えます。

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