車椅子YouTubeとして障がいテーマに様々な発信。相互理解を深め、誰もが笑顔で暮らせる社会に | 介護・看護・保健師の転職サイトaunジョブ

DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

渋谷真子
動画クリエイター
動画クリエイター渋谷真子

車椅子YouTubeとして障がいテーマに様々な発信
相互理解を深め、誰もが笑顔で暮らせる社会に

車椅子YouTuberとして、壁にぶつかったときの乗り越え方などを発信

――あなたのお仕事について具体的に教えてください。

車椅子YouTuberとして活動しており、現在12万人のフォロワーがいます。また最近では、講演やイベント・メディアへの出演の依頼が増え、そちらが主業になりつつあります。講演は年間30回程度行っています。テーマは障がいや人権に関わるものもありますが、一般企業などからの依頼で「壁にぶつかったときの乗り越え方」など私のマインドについて話すことも多く、私もそちらを多くの人に伝えたいと考えています。

脊髄損傷の当事者として中途障がい者の悩みや困りごとを解消できないか

――この仕事を始めたきっかけを教えてください。

6年前に脊髄を損傷するケガが原因で車椅子生活となりました。私はもともと、今できないことに執着しない性格でした。そのため、障がいを持ったこと自体で落ち込んだりはしなかったのですが「朝、ベッドから車椅子にどうやって移乗すればいいのだろう」など実際の生活の中で様々な悩みや困りごとが沢山でてきました。インターネットなどで情報を集めてみましたが、見つかったのは学術論文のようなものばかりで、車椅子生活をはじめとする障がいを持った人たちの目線に立った、日々の生活に必要な情報はありませんでした。

私のように脊髄損傷で中途障がい者になる人は、1年間で5000人にもなるといわれています。そうした人たちの悩みや困りごとを当事者である私の体験を伝えることで解消できないかと考え、YouTubeでの発信を始めました。

現実的な発信ができる点が強み

――あなたの強みは何ですか

私は成人してから車椅子生活となりましたので、障がいを持っている人、持っていない人両方の立場や考え方を理解でき、バランスのとれた、現実的な発信ができる点です。

例えば、障がいを持っている人の中には「私たちが不利益を被ったり、不便な思いをしたりしてはならない」「社会が私たちにあわせるべきだ」と強硬に主張するケースがあります。一方で、ユニバーサルデザインの観点から文化財として価値のあるような古い建物を改修するのは果たして対応として正しいことなのか、という意見もあります。

確かに誰もが不自由なく暮らしていける社会の構築は望ましいことですが、現実として、全ての人に完璧に対応するハード・ソフトを整備するのは不可能です。そうした点を踏まえながら、障がい者として感じていること、知ってもらいたいことなどを発信しています。

当事者にしか絶対にわからない本質的な部分にまで踏み込むこと

――あなたの使命とは何ですか?

最近では、様々な面で障がい者への対応・理解が進んでいます。しかし、それでも「当事者にしか絶対にわからないこと」があります。このため、折角の対応が当時者のニーズに合っていないケースが少なくありません。これを是正していくことです。

例えば、以前「全室バリアフリー」を掲げているホテルができました。確かに室内には段差がなく、廊下の幅も車椅子が通っても問題ないように広く設けられています。しかし、室内にはベッドやデスクがあり、車椅子での移動ができませんでした。

このホテルの方にお話を伺う機会があったのですが「企画・設計に際しては障がい者は関わっていない。健常者が車椅子に乗って細かいサイズなどを決めていった」とのことでした。当事者が当初から関わっていれば、本当に使いやすいものになっていたと思います。実に勿体ない話です。

また、学校などでも、「障がい者など困っている人がいたら手伝ってあげましょう」という教育はしますが、障がいとはなにか、障がい者は何に困っているのか、などの本質的な部分にまでは踏み込めていないと感じています。

より多くの人が不自由なく暮らせる社会づくり

――あなたのこれからの夢を聞かせてください。

まず、旅行が好きなので世界中あちこちに出かけることです。先日はハワイでスカイダイビングを経験しましたし、今度はオーロラを見に行きたいと思っています。オーロラが見える場所は雪が積もっているでしょう。車椅子にとって積雪は非常に不便なものです。しかし、オーロラが見える地域に住んでいる人の中にも車椅子の人がいるはずです。その人たちが雪の中でどうやって生活しているのかを学ぶ機会にもなります。世界各地で気候風土・インフラの整備状況などは異なります。そうした地域での障がい者の暮らしぶりや社会のサポート体制を学ぶことが、結果的により多くの人が不自由なく暮らせる社会づくりにつながるのではないかと考えます。

また、いつかは宇宙に行きたいと思います。無重力の宇宙空間は、歩けない私でもほかの人たちと全く同じ条件で全く同じ体験をすることができる唯一の場所です。民間企業による宇宙旅行も始まっていますので、10年以内には実現できたらと考えています。

ポジティブな思考と自分以外の新しい視点を

――最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。

私自身、会社員時代に一度転職経験がありますが「失敗したらどうしよう」など、色々と不安でした。しかし、それよりも「人生は一度しかない」「転職することがスキルアップなど自分にとってプラスになるかも」などポジティブな思考を強く持つことで、新たな一歩を踏み出すことができました。

不安の多くは「知らない」「わからない」ことから発生します。今はインターネットなどを通じて様々な情報が入手できる時代です。なるべく情報を集めることが不安の解消につながります。また自分1人で悩み、自分で答えを見つけることは簡単ではありません。家族や友人など多くの人に相談することで、自分では全く気付かなかった新しい視点からヒントやアドバイスをもらえることがあります。

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