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DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

平栗 潤一
株式会社コンソーシアムジャパン 代表取締役 アジアヘルスケア推進機構株式会社 代表取締役 一般社団法人日本介護協会 理事長
平栗 介護甲子園

体感した教育の面白さを礎に、当たり前のことがかなう介護で“私が暮らしたい社会”をつくる。

—あなたのお仕事について具体的に教えてください。

介護施設の運営や医療法人でクリニックの経営、多機能型幹細胞の研究所を造っています。それ以外にも介護の学校運営や介護施設のコンサルタントを行うほか、就労支援の顧問も担っています。もう少し細かく申しますと、コンサルタントとしては飲食店の稼働率を上げることや、エネルギーマネジメントのお手伝い、万博のパビリオンの企画…etcたくさんありますね。

そのなかでも、現在最も力を入れているのは介護施設の運営や医療法人としてクリニック経営、幹細胞の研究所を造ることです。よく、入院の在宅復帰率(※)が注視されますが、その向上を目指すのであれば、私は入院病床を持つ病院から、地域に往診に行く病院が重要視される時代になると考えています。これからは病院や介護施設の近くに移り住み、治療を受けながら生活をする時代がくるでしょう。介護保険、医療保険に頼らない治療や療養のかたちも併せて期待されます。他にもホテルに宿泊し、医師が往診に来て点滴を受けるなども考えられるでしょう。

すでに、私の関わる介護老人保健施設には介護医療院という新しい生活の場を造りました。介護老人保健施設ではない、特別養護老人ホームでもない新しいもの。3年前に造りまして、これから一層、認知されていくと感じています。

例えば腎不全、また例えば薄毛など。大小さまざまな例がありますが、治療が必要な状況は、主に心身機能の低下や欠損による体調不良がほとんど。そういったものを解決する方法として、多機能型幹細胞の研究所が必要だと感じています。研究所に自分の幹細胞やゲノム情報を登録しておき、いざとなったときに培養すると自分の細胞を作ることができます。特に内蔵は、臓器提供者と適合条件が合わなければ死に至るもの。ですが、自分の細胞から培養した内蔵であれば、問題は最小限に抑えられます。

その技術があれば、例えば自分にぴったり合う化粧品を作ることができますし、毛髪や角膜も再生できるので、眼鏡やコンタクトレンズは不要になります。これから国が「歯髄細胞バンク」というものを促進していきますが、歯の組織を登録しておき、将来的に歯を作ることも可能。他にも高齢者が歩きにくくなる原因のひとつ、膝軟骨のすり減りも、登録した幹細胞から膝軟骨を培養し、病院で入れるなど、可能性はたくさんあります。これからのスタンダードになると考え、研究を進めています。

※在宅復帰・病床機能連携率のこと。入院していた患者の退院先が自宅等に退院した割合のこと。自宅等に含まれるのは、自宅以外にも居住型の介護施設なども含まれる。

—この仕事を始めたきっかけを教えてください。

もともとは介護の専門学校の教師として働いていました。なぜその職に就いたのかというと、私は学生時代、運動が苦手な子どもで。中学校では体育の授業がどうしても嫌いで、いつも後ろで見ているだけでした。しかも金髪にオールバックとやんちゃな風貌だった私でしたが、体育の先生は「何かできることない?」「こんなのやってみない?」と根気強く関わってくれ、しかも褒め上手な先生で。結局、私はそれで体育を好きになることができました。教育の面白さを体感したのです。先生の力で人生ごと変えられるんだなと。

それもあって、大学時は家庭教師のバイトをやりました。生徒を高校や大学合格へ導けることが、本当に楽しくて。就職時は教育関係の会社に入ろうと思ったんですが、当時は有効求人倍率0.68倍という超氷河期時代。そんな時に、ちょうど介護専門学校を起業した大学の先輩の説明会に参加しました。介護のことは一切知りませんでしたが、面白そうだと思い入社。イチから勉強し、介護に関わる方々と話をしていると、この業界は温かい人がすごく多いなと思って。当初は3年で辞めて独立しようと考えていましたが、結局12年在籍しました。

その学校では毎年およそ2万人ぐらいが卒業し、介護業界に就職していったのですが、何とその中の半数は3カ月で職場を辞めていました。その理由は、「学校と現場が違いすぎる」と。学校で教えていた技術と現場の技術に違いがあり過ぎたんです。いくら学校で技術を習得しても、その現場を良くしていかないと、職員の離職率は下がらない。ましてや辞めるだけならまだしも、介護業界以外への転職を希望したい人が多かったんです。自分がサラリーマンとしてやっている授業だと限界があったため、12年在籍ののち辞職し、自分で学校を造りました。

学校も大きいハコを用意し、たくさんの人に来てもらうという時代は終わったと思っていて。これからは学校側が求められる場所に移動しないといけないと思うんです。特に、特別養護老人ホームなどには地域交流スペースがあるので、そこに教える先生と必要な備品さえあれば学校にできるんですね。その地域の方に教育を受けてもらい、最終的には会場である特別養護老人ホームに就職してもらうスタイルを確立しました。

ちなみに、1回につき200万円ほどの助成金が当時は出たので、講習代や備品代を全てまかなうことができるため、負担はゼロだったんです。全国から声をかけていただき、最大200校くらいにまで増えました。その事業展開の中で経営に入ってほしいという話があり、いくつかの施設で顧問をやったり、経営塾を開催しています。

いい事業所を造ったら今度はそれを広めたい!と考え、何かイベントはないかなと思ったとき『介護甲子園』を開催しました。3年ぐらい前から運営側に入り、いろいろ話をしていくうちに役員をやることになり、2020年3月には理事長に就任。優秀な介護士を指名できる“介護ドラフト”という企画を設けるなど、注力しています。

—あなたの強みは何ですか?

シンプル思考であること。よく他の方からも「どうやって決断してるの?」と質問を受けますが、決断=考えることですか?と私は思います。お腹がすいたらご飯を食べる。「よし、ご飯食べるぞ!」と決断して、お腹を空かせよう…とはなりませんよね。あまり悩まない。やりたい/やりたくない、ただそれだけですが、基本的にやりたくないことはあまりありません。誘われたからには何でもやりますね。

この間は、イベント資金が不足している学生さんにバッタリ会って、面白そうなイベントだったので、ポケットマネーで30万円支援しました。初めて会った方でしたが、これも何かの縁だし、直感的に面白そうだと思ったので。無事成功したようで良かったです。さらに言えば、そういう状況を見た周りの人たちが、自分にないアイデアを持って現れるんですね。こんなこと考えてるの!?と、驚かされるようなことばかり。仲間も増えていきますしね。

—あなたの使命とは何ですか?

“私が将来暮らしたい社会”をつくることです。他の方の希望はわかりませんが、私が入りたいと思える介護施設、安心して暮らせる社会を通して周りの人たちを幸せにしたいと考えています。幹細胞研究所を造ったのは、膝が痛い、腰が痛いなどと悩みたくないからですし、認知症を防ぐべく脳科学を勉強していますし。

昔、食あたりで有名な某大学病院に担ぎ込まれたんですよ。入院中は院長回診があり、30人ぐらい引き連れてきたその様子は、いわゆる『白い巨塔』。嘔吐も下痢もひどかったので、下半身の殺菌をしていたところに彼らが現れたんですが、第一声が「くさーい!」ですよ。本当にイヤでしたし、研修医から色々聞かれましたが「早く帰ってください」と言ったぐらい! でも同じようなこと、介護施設の現場でもありますよね。多くの施設では、ボタンの付いた服は着れず、脱着しやすいようマジックテープ式。それではおしゃれもできないですし、トイレの扉を開けっ放しにされて「出た? 出た?」なんて聞かれることも日常ですが、本当はみんなイヤですよね。当たり前のことを当たり前にできるか…気付かないうちにこちらも相手がイヤであろうことをしているかもしれません。でも、それを振り返ると気をつけるようになりますし。

—最後にあなたのこれからの夢を聞かせてください。

少し先の夢だと島を買おうと思っています。すでにやっている方もいるんですが、瀬戸内海の島なんかを買って、バチカン市国のような小さなコミュニティをつくりたい。住人は高齢者のみで、医療や介護システムが発達した街や村にし、そこでのビッグデータを世界に売ることもできますし。ケアアイランドですね。ちなみに、ケアアイランドより規模の小さいケアビレッジはもう進行しています。九州で一軒家が集まっていて、その中央にヘルパーステーションを設置したり、他にも3万坪の土地にシェルターを造って、近隣の方々はもうそこに入るだけで大丈夫だと安心してくださってて、感謝のお言葉をいただいていますね。介護シェルターの次は、もう月かな。宇宙へ行こう!とか…こうやって口に出すとかなうので。何カ月か後にはまた違う話が出ているかもしれませんしね。

また、近しい夢では介護職の現場で普通に働いている方で、1億円プレイヤーを生み出したいです。現在、年収6000万円の介護職が誕生しています。あと4000万円上乗せすればいい。これは、もうまもなく実現すると思います。高校球児が目指す先にあるのはメジャーリーグでしょ。ならば、『介護甲子園』の先は『介護メジャーリーグ』! (メジャーリーグの選手なら)最低でも1億円の年収は必要ですからね。介護職をしながらいい車に乗ったり、きちんと生活に潤いがあって、そういうイメージがもっと世の中に広がってほしい。(私の現場のスタッフは)自信を持って仕事しているので、それを見てもらいたいですね。

介護の現場で頑張っている皆さんにお伝えしたいことは、利用者を支えるための目の前のことだけが仕事じゃなく、社会のインフラとして日本全体をつくっているという意識を持ってもらいたいですね。同じことでも、上から見るのと横から見るのとでは全く違いますし、ただタスクとして言われたことだけをやると、それで終わり。広がりはないんですよ。一生、同じことをやり続けるだけなんですが、意識を変えれば違う世界が広がると思います。介護には無限の可能性があることを感じてほしいですね。もっともっと、介護に携わる方が増えたらうれしいです

HP

https://j-care.or.jp/

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