介護士が知っておくべき副業の真実バレずに始めて収入アップを目指そう
2024/04/08
最終更新日:2024/04/29
「副業して収入をあげたいけど、どんな副業が自分に向いているのだろう」「副業がバレたらどうしよう。副業はやめた方がいいのかな」と悩んでいませんか。
介護士の仕事は素晴らしいですが、収入が少ないためいろいろと不安ですよね。お金に余裕がないと、将来も心配になります。そのため、収入を増やすために副業をしている介護士は、少なくありません。
今回は介護士の副業に焦点をあて、副業は問題ないのかや介護士におすすめの副業、副業する上での注意点などを解説します。記事を通して副業についての理解を深めれば、問題なく副業を始められます。
ぜひ記事を参考に副業を始めて、お金に余裕のある生活を実現させましょう。
正社員の介護士は副業OKなの?
正社員の介護士として働いている場合、副業できるかは勤め先の就業規則によります。
事業所によっては就業規則で副業禁止とされていますので、副業を考えている方は勤め先の就業規則を確認してみましょう。
しかし、厚生労働省の「副業や兼業の促進に関するガイドライン」では、就業時間外に何をするかは労働者の自由とされています。
さらに、厚生労働省が平成30年1月に改定したモデル就業規則においても「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」とされています。
そのため、就業規則で副業禁止とされていても、副業が原因で解雇や懲戒といった処分はできないでしょう。ただし、以下の場合は事業所が副業を制限できるため、注意してください。
- ⚫︎労務提供上の支障がある場合
- ⚫︎業務上の秘密が漏洩する場合
- ⚫︎競業により自社の利益が害される場合
- ⚫︎自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合に該当する場合と解されている。
介護士を取り巻くお金事情
多くの介護士が収入の低さに悩んでいますが、長く介護士を続ければ収入が上がるのでしょうか。
以下では介護士の収入はどれくらい増えるのか、どれだけの方が副業をしているのかについて解説します。
副業をしようか迷っている方は、以下の記事で現状を把握しましょう。
介護士の収入はアップする?
介護士の収入は低い傾向にありますが、収入をアップさせる方法はないのでしょうか。
令和4年度の介護従事者処遇状況等調査では、1年以上2年未満の介護士の月収は280,550円でした。一方で、10年以上11年未満の介護士は、322,990円と報告されています。
同じ職場に長く勤めれば、収入をアップさせられるのです。ほかにも、主任や管理職へキャリアアップすれば、収入も同時にアップします。
しかし、経歴を積み重ねるにしても、キャリアアップするにしても時間がかかってしまいます。今現在、ある程度の収入アップが必要な方は、副業といった別の方法を考えた方がいいでしょう。
副業で収入を得ている人は意外と多い
厚生労働省の「副業や兼業に関する調査」では、仕事をしている人のうち7.2%の人が副業・兼業をしていると報告されています。
また、政府も2022年7月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定し、企業が「副業や兼業を許容しているか否か」「条件付きで許容している場合の条件内容」を公表することが望ましいとしています。
政府も企業に対して、副業を推進するように働きかけているのです。
介護士の副業ならダブルワークや掛け持ちがおすすめ
介護士が副業をする場合は、介護士の経験を活かして介護業界で働くのがスムーズでしょう。
新たに覚える知識や技術も少なく、介護技術の上達も期待できます。
以下の解説記事をよく読んで、自分にあった副業を探してください。
介護施設で働く
介護士は介護の仕事をしながら、ほかの施設でも副業として介護の仕事をするのがおすすめです。とくに手当のつく夜勤の仕事は、副業として人気があります。
しかし介護の夜勤業務は、介護の知識や経験が求められる業務です。さらに、副業で夜勤となると仕事にかける時間が短いため、利用者を把握するのも難しいでしょう。
それゆえ介護の夜勤は、介護に自信がある方向きの仕事といえます。
介護の仕事を始めたばかりの方の場合、副業では日勤帯の仕事を選んだ方が無難です。
登録ヘルパーとして働く
訪問介護事業所のホームヘルパーは、短時間で勤務が終わるため副業に最適です。
「午前中だけ」や「訪問1件だけ」など、仕事の量や時間が調整できるため、本業に合わせてスケジュールが立てられます。
また、本業と同じ介護のスキルが磨かれるのも、ホームヘルパーの利点でしょう。
ただし、ホームヘルパーで働くためには初任者研修以上の資格が必要なため、注意してください。
研修講師として働く
介護士の副業として、介護に関する研修の講師もおすすめです。
たとえば、ホームヘルパーの養成研修や、各都道府県の介護福祉士協会が主宰する研修、
介護支援専門員の法定研修などの講師です。
また、福祉の専門学校で、非常勤の講師を募集するケースもあります。
とはいえ、研修の講師の求人を求人サイトで探すのは難しいでしょう。研修の講師になるためには、介護福祉士会や介護支援専門員に関する団体に所属し、講師としての実力を認められる必要があります。
ハードルの高い研修講師ですが、自分のスキルアップにもなるため選択肢に入れておきましょう。
介護士におすすめの副業
介護士の副業は、何も介護関係だけではありません。最近はさまざまな副業があり、本業が何であれ気兼ねなくチャレンジできます。
また、本業以外を副業にした方が、気晴らしにもなるでしょう。
介護以外のおすすめの副業は、主に以下のものになります。記事を通して、あなたの興味のある副業を見つけてください。
在宅ワークで働く
介護は身体的に疲れる仕事のため、できれば体力を使わない在宅ワークを望まれているかたも多いかと思います。また、副業中に職場の同僚に会うリスクがないのもメリットでしょう。
在宅ワークでできる副業には、WebデザイナーやWebライター、動画編集者などがあります。
在宅ワークに向いている副業は専門的なものが多く、ハードルが高いように感じるでしょう。しかし、独学で在宅ワークを始めて本業の収入を上回り、フリーランスになった方も少なくありません。
在宅ワークの仕事は無料で学習できるWebサイトや動画配信サイト、専門のスクールなど学べる環境が充実しているため、未経験でも始めやすい仕事といえます。
コンビニの夜勤で働く
副業でできるだけ高い収入を得たい方は、夜勤の仕事はいかがでしょうか。
夜勤の仕事では、コンビニがおすすめです。コンビニの夜勤は22時〜翌6時または7時までの勤務が一般的です。
そのため、介護の仕事が19時や20時上がりの勤務でも、家に帰って一息つける余裕があります。週に1回程度の頻度であれば、介護の仕事にも影響せず続けられるでしょう。
在宅ワークは実績ができるまでは、なかなか仕事を受注できません。しかしコンビニの場合、収入が安定しているのもメリットです。
フードデリバリーで働く
飲食店から依頼を受けて、食事や飲み物をお客さんの自宅や仕事場へ届けるフードデリバリーの仕事も、副業に向いています。
フードデリバリーは自分の都合のいい時間に仕事ができるため、隙間時間を活用したい方や長い時間拘束されたくない方にピッタリでしょう。
フードデリバリーは時給制ではなく、歩合制の仕事です。1件配達すると報酬がもらえるので、稼いでいる実感もありやりがいにつながります。
週払いが基本なので、すぐに現金が手にできるのも魅力でしょう。
家事代行で働く
家事代行も、副業として人気のある仕事です。家事代行は家事を依頼した方の家で、洗濯や掃除、料理などの家事全般を請け負う仕事です。
マッチングサイトなどで簡単に仕事を探せる手軽さや、空き時間を利用しできることなどから、副業にピッタリの仕事でしょう、
訪問介護で生活援助の経験がある方には、とくに向いている仕事といえます。
怪しい副業サイトに気をつけて
副業をする場合、詐欺や高額商品を売りつける悪質業者に気をつけてください。副業をする人が増えてくるにつれ、副業で高収入をうたう業者とのトラブルが増加しています。
悪質な業者は「楽に収入を得られる」との言葉でWebサイトに問い合わせた後、高額な初期投資や教材費用を支払わせます。しかし、実際の副業では、約束された収益を得られないのです。
最近では、副業に関する情報商材を売りつけ、高価なサポート契約の勧誘を持ちかけるケースが増えています。勧誘を断っても、リモート操作アプリで無理やり借金するように誘導するため、注意してください。
「楽に稼げる」といった広告には、騙されないように注意してください。また、不安を感じたりトラブルになったりした場合は、一人で抱え込まずに消費生活センターに相談しましょう。
独立行政法人国民生活センター:20歳代が狙われている!?遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる副業や投資の勧誘に注意
介護士が副業する上での注意点
副業をする上では、いくつか注意したいポイントがあります。注意を怠ってしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。
副業を始める前に以下の解説記事で注意すべきところを確認し、不要なトラブルを避けてください。
確定申告
副業の収入を給与として受け取る場合、給与額が20万を超えたら確定申告が必要です。
給与以外であれば、収入から必要経費を引いた残りが20万円を超える場合に、確定申告が必要です。
確定申告を怠ると、税金に加えて延滞税や加算税などの付帯税を課せられてしまいます。
労働時間
労働基準法では法定労働時間が1週間で40時間とされています。また、週に1日または4週を通じて4日の休日も必要です。
労働基準法第38条では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定されています。
つまり、労働時間は、本業と副業を合わせた時間が適用されるのです。そのため、自分でスケジュールを管理して、しっかり休日を設けてください。
社会保険への加入
副業の場合でも、副業先の社会保険に加入しなければならないケースがあります。
労働時間や労働日数が正社員の4分の3未満であれば、副業先の社会保険に加入する必要はありません。
しかし、以下の条件にあてはまる人は、労働時間・日数が4分の3未満でも社会保険に加入しなければなりません。
- ⚫︎1週間の所定労働が20時間以上
- ⚫︎勤務期間が1年以上見込まれること
- ⚫︎月額賃金が8.8万円以上
- ⚫︎学生以外
- ⚫︎従業員501人以上の企業で勤務
以上の条件にあてはまる人は、健康保険や厚生年金保険への加入が必要です。本業で社会保険に加入している場合でも、副業先で社会保険に加入しなくてはいけません。
ただし、雇用保険は2重加入できないため、本業で加入している場合は副業先で加入する必要はありません。
住民税の徴収方法
副業で得られた収入に関して、自分で確定申告する場合は住民税の徴収方法を選択します。
徴収方法には特別徴収と普通徴収の2種類があり、特別徴収は給与から控除する形で、事業所があなたに代わり住民税を支払います。対して普通徴収は、自分で住民税を納める方法です。
徴収方法を特別徴収にしてしまうと、本業の事業所にも収めた住民税額が通知されます。その場合、以前より住民税の金額が高いことに気づかれ、副業をしているとバレてしまう可能性があります。
介護士の副業はスケジュール管理が大切
副業をする際には、スケジュール管理が欠かせません。とくに介護士の仕事はシフト制が多く、不規則な勤務時間になりがちです。
そのため、副業と本業のスケジュールが被らないように、計画的にスケジュールを組まないといけません。また、本業に影響を与えないためにも、十分な休息時間の確保も大切です。
それゆえ、本業と副業のバランスを保つためにも、スケジュール管理が重要になるのです。
副業をする際は手帳やスケジュール帳、スケジュール管理アプリなどを使って、上手にスケジュールを管理をしてください。
介護士の副業がバレるのはなぜ?
副業はできるだけバレずに行いたいものです。しかし、副業が本業の事業所にバレてしまうケースがあります。
介護士が副業をしても法律に触れることはなく、副業を理由に介護や懲戒処分になることはありません。
しかし、就業規則で副業が禁止とされている場合、副業がバレてしまうと厳しく注意されるのは避けられません。職場での立場も、悪くなる可能性があります。
副業を本業の事業所に隠したい方は、以下の解説記事をよく読んで対策を学んでください。
確定申告でバレる
確定申告の際に選択した住民税の徴収方法で、副業がバレてしまうケースがあります。
副業で得た収入が20万円を超える場合、確定申告が必要になります。確定申告を行うと、副業の収入に基づいて計算された住民税が、翌年の税額に加えられる仕組みです。
特別徴収(給与からの天引き)を選択している場合、副業の収入によって住民税が増えたことを本業の事業所に知られてしまうのです。
そのため、確定申告の際に住民税の徴収方法は、普通徴収(自分で納税する方法)を選択しましょう。普通徴収は自分で住民税を収めるため、勤め先に住民税に関する通知はありません。
社会保険料でバレる
副業先で社会保険に加入した場合、本業の事業所に副業していることがバレてしまいます。
副業先で社会保険加入の要件を満たしている場合、社会保険に加入しなくてはなりません。社会保険料は本業と副業の給料を合算したもので、決定されます。そして本業の事業所にも、副業の収入と合算して出された社会保険料の決定通知書が送付されます。
決定通知書には副業先の報酬月額も記載されているため、副業の事実がバレてしまうのです。
マイナンバーではバレない
マイナンバーに登録していると、副業がバレてしまうと心配する方がいます。しかし、マイナンバーで副業がバレることはありません。
マイナンバー制度自体は、個人の税や社会保障の情報を一元管理するためのものであり、個人の所得を調べることは禁止されています。
そのため、副業で得た収入があった場合でも、マイナンバーを通じて本業の事業所に通知されることはありません。
介護士の副業がバレても罰則はない
介護士が副業の事実を本業の事業所にバレてしまったとしても、法律上の罰則はありません。
法律は、就業規則で副業を禁止することについて認めていないのです。労働者が勤務時間外に何をしようと、労働者の自由との判断です。
そのため、副業が原因で解雇や懲戒処分を受けた場合でも、無効になる可能性が高いでしょう。
ただし、以下に該当した場合は、問題になるので注意してください
- ⚫︎労務提供上の支障がある場合
- ⚫︎企業秘密が漏洩する場合
- ⚫︎会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
- ⚫︎競業により、企業の利益を害する場合
とはいえ、就業規則で副業が禁止されている場合、副業の事実がバレてしまったら注意を受けるのは避けられません。そしてその後、副業を続けるのは難しくなります。
副業がやりにくい状況であれば、副業を認めている職場へ転職するのも一つの手です。さらに、待遇アップが見込める職場へ転職すれば、副業の頻度もおさえられるでしょう。
介護士が収入をあげる方法は副業だけじゃない
副業すれば手っ取り早く収入を上げられますが、本業が終わってから副業するのは体力的に厳しいものがあり、長年にわたって続けられるものではありません。
そのため、副業をしつつ、本業でも収入をあげることも考えてください。
介護士が収入をあげる手段としては、資格の取得やキャリアアップなどがあります。また、夜勤専従の働き方を選べば、かなりの収入アップになるでしょう。
そして、待遇のよい職場へ転職するのも、検討したいところです。スキルや経験、資格を持っている方なら、大幅な給与アップも見込めます。
まずは、求人情報で自分の給与と比べてみましょう。
【まとめ】介護士も副業で収入アップを目指そう
介護士の給与は年々アップしていますが、ほかの業種と比べるとまだまだ低い水準です。そのため、多くの方が介護士として働きながら副業をしています。
副業は法律に違反するものではなく、むしろ政府も副業を後押ししています。とはいっても、就業規則で副業が禁止されている場合、副業の事実がバレてしまうと厄介なことになるでしょう。
そのため、自分の勤めている施設が副業を認めているかは、副業をする前に確認してください。
こっそりと副業する場合は、本業の勤め先に迷惑をかけない配慮が必要です。また、勤め先にバレないためにも、確定申告は慎重に行う必要があります。
しかし、コソコソと副業するのは気持ちがいいものではありません。そのため、副業が認められている職場へ転職するのも、賢い選択です。転職時に給与アップができれば、言うことありません。
しかし、転職OKな職場かどうかは求人サイトでは、なかなかわかりません。そのため、いろいろと情報を提供してくれる転職エージェントがおすすめです。