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サービス提供責任者の仕事内容と1日の流れ!魅力や必須スキルも解説

2024/10/25

最終更新日:2024/10/25

サービス提供責任者 仕事内容

「サービス提供責任者に興味があるけど、仕事内容がよくわからない」と、もやもやしていませんか。興味はあってもどのような仕事をしているのかわからないと、自分に向いているのかわかりません。

今回は、サービス提供責任者の具体的な仕事内容や給与、魅力やなるための方法などを解説します。

本記事でサービス提供責任者の仕事内容について理解を深め、新たなキャリアの第一歩を踏み出しましょう

サービス提供責任者とはどのような役職?

サービス提供責任者(サ責)は、利用者が質の高い介護サービスを受けられるようサポートする職種です。

仕事内容は訪問介護サービスの管理・調整や利用者・家族との連絡、訪問介護計画書の作成など、多岐にわたります。

そのため、サ責は訪問介護サービス事業所において、中心的な役割を担う職種といえるでしょう。

サービス提供責任者の仕事内容

訪問介護事業所で中心となるサ責ですが、具体的にどのような役割があるのでしょうか。ここでは、サ責の仕事内容について取り上げ、一つずつ詳しく掘り下げます。

サ責の主な仕事内容は、主に以下の5つに分類できます。

  • ⚫︎利用者や家族との面談・アセスメント
  • ⚫︎サービス担当者会議への参加
  • ⚫︎訪問介護計画書の作成
  • ⚫︎訪問ヘルパーの管理・育成
  • ⚫︎訪問介護業務

利用者や家族との面談・アセスメント

サ責の重要な仕事に、面談があります。面談は主に以下のタイミングで行われます。

  • ⚫︎サービス開始前
  • ⚫︎計画書作成時
  • ⚫︎サービス開始後

訪問介護サービスの提供にあたって、サ責は利用者の自宅を訪問し、本人や家族と面談を行います。

面談で利用者・家族のニーズや要望を聞き取り、必要な介護サービスを決め、訪問介護計画書を作成します。

また、計画書を作成した後にも、計画書の内容説明や契約手続きのため、面談を行わなければなりせん。

さらに、サービスの提供が始まった後も定期的に利用者の状況を確認し、状態の変化や提供しているサービスは適切かなどをチェックします。

サ責にとって面談は、提供するサービスの質向上や利用者・家族との信頼関係を構築する重要な仕事なのです。

サービス担当者会議への参加

サービス担当者会議への出席も、サ責の重要な仕事です。サービス担当者会議とは、介護サービス関係者(利用者・家族・ヘルパー・ケアマネジャーなど)が集まり、利用者の自立支援について話し合う会議です。

会議ではケアマネジャーが作成したケアプラン(介護支援計画書)について情報共有し、利用者や家族の状況に応じたケアの提案や話し合いが行われます。

サ責は利用者と直接接する機会も多いため、現場の状況を正確に把握して会議で共有することが求められます。

訪問介護計画書の作成

サ責は、アセスメントの情報およびケアマネジャー作成のケアプランを基に訪問介護計画書を作成し、ケアプランの訪問介護に関する部分についてさらに具体的なケア内容を提示します。

訪問介護計画書に含める主な内容には、以下のものがあります。

  • ⚫︎利用者の課題や目標
  • ⚫︎具体的な支援内容
  • ⚫︎曜日ごとのケア内容および要する時間

また、訪問介護計画書別紙としてサービス提供手順書の作成も重要な仕事です。サービス提供手順書は、サービス提供時の注意点や具体的な手順など、ヘルパーが利用者に最適なケアを提供できるように記載されたものです。

法令上作成が必須ではありませんが、業務の引継書として活用されることが多く、訪問介護では必須といえるでしょう。

訪問ヘルパーの管理・育成

サ責は訪問介護事業所の運営やサービス提供の中核を担い、所属ヘルパーが質の高いサービスを提供できるように、以下のサポートを行います。

サ責の人員管理・育成業務 業務内容
訪問ヘルパーのシフト管理や業務調整 ヘルパーのシフトを組む
利用者のニーズに合わせて訪問スケジュールを調整する
人員不足や急な欠員などの問題に素早く対応する
訪問ヘルパーの育成と指導 新人研修やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を実施
中堅・ベテランヘルパーに対して
個々のスキルや経験に応じた指導を行う
介護サービスの質を維持・向上させる 介護サービスが適切に提供されているかを確認する
利用者やその家族の要望に応じて柔軟にサービス提供を調整する
ヘルパー同士の連絡調整
問題が発生した場合の相談窓口としての役割を担う

訪問介護業務

サービス提供責任者は、訪問介護業務を兼任することが一般的です。

サ責が訪問介護の現場に出ることで、利用者の状態を正確に把握できるため、訪問介護計画をより利用者に合った内容に調整できます。

また、所属ヘルパーと同行して業務に当たればスタッフのスキルを把握できるため、適切な指導へとつなげられます。

さらに、ヘルパーと同じ業務を担えば、悩みや不満なども理解しやすくなるため、事業所内の信頼関係構築にも役立つでしょう。

以上のように、サ責は訪問介護業務を通じて現場を知り、リーダーシップを発揮してチームをまとめる役割もあるのです。

サービス提供責任者の1日のスケジュール

ここでは、サ責の1日のスケジュールを確認し、どのように仕事を進めているのか見てみます。

サ責の1日の仕事を見て、サ責としての働き方をイメージしてください。

取り上げるのは基本的な例で、日によって会議で1日が終わったり訪問介護だけだったりするケースもあります。

8:30朝礼スケジュールの確認情報の共有
9:00訪問介護計画書の作成やそのほかの事務作業
10:00利用者宅の訪問(モニタリング)ケアマネジャーと情報の共有書類作成
12:00休憩
13:00ヘルパーとして訪問介護業務を提供
14:30利用者宅にてサービス担当者会議
15:30ヘルパーと面談・指導書類作成
16:30ヘルパーとして訪問介護業務を提供
17:30退勤

サービス提供責任者の働く環境

ここでは、サ責の取り巻く環境について解説します。サ責の仕事は多岐にわたり、数多くの業務をこなさなければなりません。

そのため、どのような環境で働いているのかは、仕事を続けていく上で重要な要素となるでしょう。サ責の働く環境について理解を深め、自分がサ責として続けていけるか見定めてください。

本章で解説するサ責の職場環境は、以下の通りです。

  • ⚫︎雇用形態は無期雇用が多い
  • ⚫︎管理者やヘルパーとの兼務
  • ⚫︎職場によっては夜勤がある

雇用形態は無期雇用が多い

サ責の雇用形態は訪問介護事業所のサービスの質を安定させる役割上、無期雇用(正社員)が一般的です。

無期雇用は給与が安定しており、社会保険や福利厚生が整っている点がメリットとして挙げられます。

また、長期間同じ事業所で勤務す無期雇用は、職場のメンバーとの信頼関係を築きやすいため、管理業務をスムーズに行えるという点もポイントでしょう。​

ただし、一部の事業所ではパートや契約社員としての雇用も見られます。小規模な訪問介護事業所や利用者数が少ない地域では、非常勤でサ責を配置するケースも珍しくありません。

パートや契約社員として業務を行う場合、任される業務範囲が限定されるケースもあるため、正社員と比べて責任の重さが異なります。

そのため、サ責としてのキャリアを積みたい場合は、正社員のポジションを選択するのが望ましいでしょう​

管理者やヘルパーとの兼務

サービス提供責任者は、管理者やホームヘルパーとの兼務が法律上認められているため、多くの現場で兼務しているケースが見られます。ヘルパーの育成や指導も行う役割でもあるため、とくに小規模事業所では兼務が一般的です。

管理業務と現場業務の両立は時間的・精神的負担が大きく、とくにスケジュールの調整やトラブル対応などに頭を抱えているサ責が多いようです。

一方で規模の大きい事業所では、専任のサービス提供責任者を配置することが多いため、兼務を避けられる可能性があります。

サ責とヘルパーの兼務は、さまざまな経験を積める反面負担も増えるため、自分がどのような働き方を望んでいるのか、深く考える必要があるでしょう。

職場によっては夜勤がある

一般的な訪問介護事業所では、夜勤の業務はありません。しかし、事業所によっては夜勤のシフトが組まれるケースもあります。

夜間の利用者対応が必要なケースや、24時間体制の訪問介護事業所に勤務する場合は、夜勤業務は必須でしょう。

勤務時間帯や夜勤の回数、業務内容も勤務先ごとに差があります。夜勤の有無やどのような業務があるのかは、事前に確認しておく必要があります。

気になるサービス提供責任者の給与事情

令和4年度の厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査結果」によると、訪問介護事業所で働くサ責の平均給与は339,290円でした。

ホームヘルパーの平均給与が282,130円と報告されているため、サ責とヘルパーの給与には60,000円近くの差があります。

訪問介護事業所では最低1人のサ責を配置しなければならないため、平均給与以上の待遇での求人も珍しくありません。

ただし、給与が高い分専門的な知識やスキルを求められ、相応の責任を果たさなければなりません。

出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」

サービス提供責任者の魅力は?

サ責は訪問介護計画書の作成やヘルパーの指導・育成、利用者や家族とのコミュニケーションなどの業務を通して、専門知識と幅広いスキルが身に付きます。

そのため、介護職としての成長を実感できる魅力があります。

また、サ責はサービス提供を通じて利用者さんが望む生活を実現するサポートを行うため、利用者やご家族から直に感謝されることも少なくありません。

自分が関わった利用者さんやご家族さんが、生き生きとしていく姿は、介護に携わる人のやりがいになるはずです。

サービス提供者の大変なところ

サ責は、とくに以下のことに関して大変さを感じているようです。

  • ⚫︎業務範囲が広い
  • ⚫︎業務の優先順位管理が難しい
  • ⚫︎突発的な対応
  • ⚫︎高いコミュニケーション能力を求められる

サ責は利用者・家族・ケアマネジャーとの連絡調整や訪問介護計画書の作成など、多岐にわたる業務を担当します。

その上、さまざまな業務を常に同時進行で行うため、優先順位を適切に管理しないと仕事が滞ってしまうでしょう。

さらに、利用者の家族やほかのスタッフと信頼関係を築かなくてはいけませんが、年齢差や価値観の違いなどで、多くのサ責がコミュニケーションに苦労しています。

サービス提供責任者になるにはどうすればいい?

サ責になりたい方は、一定の要件を満たす必要があります。以下で解説するサ責になるための要件について目を通し、サ責になる準備を進めましょう。

また、2018年にあった要件の変更についても解説しているため、変更点についても頭に入れておいてください。

サービス提供責任者になるには要件がある

サ責になるためには、以下に挙げる資格を保有している必要があります。

  • ⚫︎介護福祉士
  • ⚫︎介護福祉士実務者研修
  • ⚫︎(旧)ホームヘルパー1級または介護職員基礎研修修了

以上の資格を保有していれば、サ責の業務に従事可能です。とはいえ、ある程度介護職としての経験が無いと、サ責として務めるのは厳しいでしょう。

サ責もヘルパー同様に訪問介護業務に従事するのが一般的ですし、新人・ベテラン問わずヘルパーの指導や管理を担わなくてはいけません。

現実的に考えて、サ責になるためには資格と経験の両方が必要でしょう。

介護初任者研修の修了では要件を満たさない

介護職員初任者研修を修了しているだけでは、サービス提供責任者になることはできません。

2018年以前は、介護職員初任者研修の修了者でも3年以上の実務経験があれば、サ責として業務に携われました。しかし、2018年にサ責の資格要件が改正され、介護職員初任者研修は要件から除外されています。

サービス提供責任者に求められる必須知識

訪問介護事業所の中心的役割を担うサ責には、事業所を適切に運営するためのさまざまな知識やスキルが求められます。

本章でサ責に必須の知識や技術について把握し、自分に何が必要なのか考えるヒントとしてください。

介護に関する知識・技術

サ責として訪問介護事業所を切り盛りするためには、介護に関する知識や技術は必須です。

サ責は、ヘルパーの管理や事務作業だけでなく、自分自身も訪問介護員として介護サービスを提供します。訪問介護員として直接利用者さんと関われば、新たなニーズや改善点が見えてくるでしょう。

しかし、ニーズや改善点の発見は、介護の知識や経験があってこそです。知識・経験が無いと単に介護サービスを提供するにとどまり、新たな発見は期待できません。

また、ヘルパーだけでなく、家族や利用者さんにも介護に関するアドバイスをする機会が多いものです。そのため、介護の知識・技術が無いと模範とならないため、信用を勝ち取るのは難しくなるでしょう。

計画書の作成能力

サ責には、計画書を作成する力は必須の能力です。

サ責が作成する訪問介護計画書は、利用者や家族の希望・課題を踏まえ、サービスの目標や内容を具体的に記載し、サービス内容や所要時間を細かく設定します。

また、定期的な更新や利用者の状況変化に応じた見直しや修正を適宜行う必要があります。

そのため、利用者を取り巻く環境について、素早くわかりやすい文章でまとめる力を養わなければならないのです。

コミュニケーション力

コミュニケーション力は、サ責に無くてはならない能力です。

サ責には利用者やその家族の要望や状況を的確に把握し、丁寧なコミュニケーションで信頼関係を築くことが求められます。

とくに、訪問介護計画を説明する際や変更が必要なときは、相手の不安や疑問を解消し、納得してもらうために丁寧な対応が必要でしょう。

そのためには、複雑な計画内容をわかりやすく説明し、相手に理解してもらえるコミュニケーション能力が求められます。

また、サ責は介護スタッフと利用者だけでなく、介護スタッフ同士のつなぎ役も担わないといけません。スタッフ全員が同じ目標に向かって協力できるように、業務連絡や情報共有をスムーズに行うことも不可欠でしょう。

そのためには、相手の気持ちを理解しつつ共感しながら対話を行う、コミュニケーション力が大切なのです。

サービス提供責任者は未経験でもできる?

サ責は介護福祉士や介護福祉士実務者研修などの資格を保有し、ある程度の介護職経験があれば未経験でも従事可能です。ただし、訪問介護に必要な専門知識や業務の複雑さから、サ責経験者から一定のフォローは必要です。

とくに訪問介護計画書の作成や帳票管理などは、経験や知識が無いと難しいでしょう。また、ヘルパーの管理や利用者・家族との対応もあるため、コミュニケーション能力も求められます。

そのため、サ責業務が未経験の方は、未経験可で求人しているところが無難です。とくに人手不足の事業所では、ほとんど何も教えてもらえず、いきなり現場に立たされるケースもあります。

求人に応募する際はどのような教育体制、フォロー体制なのかをチェックして、未経験でも問題ないことを確認しましょう。

サービス提供責任者の仕事は在宅介護を支える要【まとめ】

サ責は訪問介護事業所の中心的な存在として、介護の実践や各種書類の作成、ヘルパーの管理・育成を行います。そのため、介護の総合的なスキルが身に付くやりがいのある仕事といえます。

しかし、介護の総合力を求められるため、サ責の業務を経験したことが無い方にはハードルの高い職種に感じられるでしょう。

それゆえ、未経験でサ責へ挑戦する方は、未経験可の求人でサポート体制のしっかりした事業所を選んでください。

とはいえ、サ責の求人を見ただけでは、どのようなサポートがあるのかわかりにくいものです。そのため、転職サイトを活用して、サポート体制や職員のリアルな声を参考にしてはいかがでしょうか。

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この記事の執筆者

石川 直也(いしかわ なおや)
介護に特化したWebライター

介護福祉の世界に足を踏み入れ19年。保有資格は介護福祉士・介護支援専門員・介護福祉士実習指導者講習会修了・介護プロフェッショナルキャリア段位制度(アセッサー講習)修了など。介護の現場職員から始まり介護支援専門員、課長職へと積み上げたキャリアを捨てて2023年よりフリーランスへ転身。
現在、Webライターとして活動中。