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COLUMN

お悩み解決コラム

介護士も、介護をする家族も、時には悩み苦しむこともある。そんなつもりではなかったのに~虐待~

2021/12/14

最終更新日:2021/12/14

人は生きて行く中で、ストレスが全く感じない人は存在しないと思います。適度なストレスは、生活に張り合いを出すために必要なことであり、自分を追い込めば、必要以上の力が発揮され、パフォーマンスが向上し、自分の成長にも繋がるからです。ストレスとは、その適度な量が人により違いますが、少なすぎてもダメ、多すぎてもダメなのです。

介護とストレス

それでは、介護を行うにあたってはどうでしょう。初めての介護や、たまに介護をするのは新鮮さもありますよね。更に、前向きに物事を考えて行動出来ることもあります。しかし、介護を長く続けて行く中で、やはりストレスは溜まって行きます。「お母さんに、いつまでも長生きして欲しいから、介護頑張ります!」「高齢者が、笑顔に元気になるお手伝いをすることが、私たちの使命です!」と言う想いがあっても、相手は人間です。心も身体も人それぞれです。上手く行く時もあれば、行かない時もあります。順風満帆に、常に介護が出来るなんてことは、やはり有りえません。介護をする家族はもちろん、介護を生業とする人達も、時には悩み苦しむことはあるのです。

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事例(1)

認知症の症状があり、自分1人ではトイレに行けないので、トイレ介助が必要な要介護高齢者を自宅で介護している場合です。

日中や夜間、家族がトイレに連れて行かなければなりません。トイレが頻回であれば、10分おきに「トイレに行きたい、トイレに行きたい」と言われます。そのような場合は、目を離すことが困難なので、買物にも行けず、自分の用事をする時間もありません。ましてや、夜寝ている時も熟睡することが出来ず、「トイレに行きたい」と呼ばれてしまいます。

それならば、夜間はオムツを履いてもらおうとしても、本人がオムツを外してしまったり、嫌がったり。そのようなことが、毎日毎日続くのです。しかも、いつまで頑張れば良いか分からない。そんな毎日はどうでしょうか?もちろん、介護サービスを利用して、サービスが上手く調整出来ても、全く介護ゼロとは行きませんよね。大好きなお父さんだから、大切なお母さんだから、毎日頑張れる!!これからもずっと頑張れるわ!!と言う人はいるのでしょうか。そんな毎日が続いてしまったら、ストレスが溜まり続け、どこかで溢れてしまいます。暴言も言いたくなるでしょう。もしかしたら、手を上げてしまうかもしれません。そんなことしたくないのに…、こんなことになるなんて…、想像も出来なかった。

事例(2)

 

介護施設の特養で、夜間入所者の介護をしています。ナースコールが鳴ったので、Aさんの部屋に行ったら、シーツが濡れていました。どうやらオムツ交換のタイミングが、適切ではなかったようです。急いでオムツ交換をしていると、ピンポーン、ピンポーンと別の部屋からナースコールが鳴っています。急いでAさんのシーツとオムツ交換を終わらせ、Dさんの部屋に向かいました。すると普段、車椅子で移動するDさんが、歩行が不安定なのに、今にも倒れそうな状態で部屋から出て来ていました。危ない!!と思い、直ぐに駆け寄って、Dさんに寄り添いました。状況確認をすると、どうやらDさんは、ナースコールが押せなく、センサーマットが作動して音が鳴ったようです。表情や行動から、トイレに行きたかったのでしょう。車椅子に乗せて、トイレ誘導を始めると、また別のナースコールが鳴り始めました。そしてまた、別のナースコールも鳴るのです。

どうですか?このような状態が永遠と続いたら、ストレスが溜まって溜まって溢れてしまい、自分では考えられないような言葉が出たり、行動が出たりするかもしれません。

まとめ

この2つの事例は、極端な例です。このようなことが無いように、いろいろなサポートが入ります。でも、もしかしたら、このようなストレスが溜まり過ぎて、限界を超えてしまうと、人は不幸な行動(虐待)に出てしまうのかもしれません。虐待について、いろいろ悲惨なニュースがテレビで流れることがあります。そんなことあるの!?それは絶対にしてはいけないことだよね!など、思う方もいらっしゃると思いますが、私がケアマネージャーとして、利用者宅に訪問し、このような虐待の話をすると、本当に信じられないよね!やってはいけないことだよね!と言われた後に、「でも、ちょっと解る気がする…」と、言われることもあります。人は誰もが「自分では絶対に、虐待なんかしない!」と思っていても、様々な負の環境によって、加害者になる可能性があるのではないでしょうか。

確かに加害者が結果的には悪いでしょう。ですが、環境が加害者を作ってしまうことがあることも忘れてはいけません。そのようなことも真剣に考えながら、【虐待ゼロ】を私たちは目指していかなければなりません。

この記事を書いた人

加藤 英明

介護福祉士/主任介護支援専門員

社会福祉法人熊谷福祉の里にて、特別養護老人ホームクイーンズビラ桶川副施設長として従事する。介護講師や地域福祉団体『埼玉県央ケア協会』の共同代表として、県央地域を中心に地域福祉向上のため活動中

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