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COLUMN

お悩み解決コラム

時代のニーズに合わせて変化してきた介護保険制度の概要・介護保険制度の歴史。

2021/12/13

最終更新日:2021/12/14

介護保険は、いつ頃からスタートしたのでしょうか。実は歴史が浅く、2000年(平成12年)から介護保険制度はスタートとなりました。では、どうして介護保険制度が始まったのでしょうか。日本は高齢化社会を迎え、介護を必要とする高齢者が年々増加しました。またその一方で、少子化による家族の減少や介護者の高齢化などで、“個人(家庭)では、支えきれない時代”になり、今後もその方向で社会が進むからなのです。(少子高齢化社会)

また、時代の移り変わりは早いため、その時々の状況に介護保険制度が対応出来るよう、また利用しやすいように、3年毎に制度改正を重ね、日本の社会に浸透して来ました。これからも増える高齢者が、より安心して暮らせる社会の実現を目指し、進歩し続けて行くのです。医療保険と同様、社会全体で介護を支える仕組みとして、介護保険制度が開始したのです。

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平成15年介護保険制度開始後、初めての改正

・介護保険料の見直し
・介護サービス料金体系の見直し
・訪問介護に、通院の為の手助けが出来るサービスが設定
・特別養護老人ホームは4人1部屋だったのが、個室やユニットケア中心の新型特別養護老人ホームが新設
より利用者のニーズに合うように制度が改正されました。

平成18年 介護保険制度が大きく変化!

・出来るかぎり介護が必要な状態にならないよう、“予防”を重視した仕組みが導入
・要介護区分を6段階から7段階へ細分化
・介護予防サービスの創設。
・地域包括支援センターの創設
・地域支援事業の創設
・地域密着型サービスの創設

介護予防がとても重要となり、住み慣れた地域で安心して暮らせるような制度になって来ましたね。

平成21年 さらに安心して生活できる仕組みへ

・介護職員が安心して働くコトが出来、介護職の賃金や処遇を改善する介護職員処遇改善交付金の仕組みが開始
・各介護サービスの料金体系見直し
・介護保険料の見直し
・認定調査の見直し
・認知症ケアの充実
・医療と介護の機能分化・連携の推進
・認知症高齢者等の増加を踏まえた認知症ケアの推進

認知症ケアに重点を置かれた改正となりました。認知症当事者や家族が、住み慣れた地域で、安心して生活を継続出来るように、認知症ケアの質の向上が注目され、専門的なケア提供体制の評価が出来てきました。

平成24年 二度目の大きな改正。地域包括ケアを具体化

 
・地域包括ケアの推進
・新サービスの創設
・重篤化する利用者のサポートとして医療との連携を評価。介護職員によるたんの吸引が可能に
・新サービスとして“定期巡回・随時対応型訪問介護看護”が創設され、在宅で療養される方が増えて来ても、対応出来るサービスを開始
・介護職員処遇改善交付金から、介護職員処遇改善加算に代わり、サービス毎に加算率が設定され、介護報酬に上乗せ
・その他にも、地域における認知症対応の充実と介護者家族のレスパイト強化も盛り込まれた
 

平成27年 制度開始以来で一番大きな改正

・地域包括ケアシステムの構築
・特別養護老人ホームの入所者条件を原則、「要介護3以上」
・一定以上の高齢所得者は2割負担へ
・総合事業の開始
 ↳介護予防・生活支援サービス事業(要支援1・2の通所、訪問)
 ↳一般介護予防事業(介護予防の普及・啓発、住民主体の人材育成・支援)
 ↳生活支援体制整備事業(地域の様々な団体による協議体の設立、生活支援コーディネーターを配置)
・地域ケア会議を市町村義務化
・“病院から地域へ”、地域医療・介護連携推進事業の開始
・認知症対応の新事業(認知症初期集中支援推進事業、認知症地域支援推進員設置事業、認知症ケア向上推進事業)の開始

平成30年より利用者の状態や状況に合わせた制度へ

・地域包括ケアシステムの推進
・一定以上の高齢所得者は3割負担へ
・新たなサービス、施設サービス
・医療と介護の複合的ニーズに対応する、介護医療院の創設
・共生型サービスの創設(共生型サービスの指定を受けた事業所では、65歳以上になっても長年利用した障害福祉事業所を、引き続き利用可能に)

令和2年 災害・感染対策強化し介護制度の安定性持続可能の確保へ

・感染症や災害への対応力強化
・地域包括ケアシステムの更なる推進
・自立支援・重度化防止の取組推進
・介護人材の確保・介護現場の革新
・制度の安定性・持続可能性の確保
・感染症や災害が発生した場合であっても、利用者に必要なサービスが安定的・持続的に提供される体制づくり
・住み慣れた地域で、利用者の尊厳を保持しながら、必要なサービスが切れ目なく提供されるようにする
・質の評価やデータ活用し、科学的に効果が裏付けられた質の高いサービスの提供を推進(リハビリ、口腔栄養の取組の強化。LIFEを使い、国へ必要なデータを提出し、フィードバックを受け、PDCAサイクルを推進)
・介護職員の処遇改善や職場環境の改善に向けた取り組みの推進
・必要な介護サービスを確保しつつ、業務の適正化、重点化を行い介護サービスの持続性を確保

以上のように、介護の歴史を見て来ました。平成12年〜令和2年まで、様々な時代の背景と共に、介護保険は進化し深化して来ました。超超高齢社会を生きる、私たちにとても必要な介護保険は、これからも持続出来るように改正をして行くコトでしょう。

この記事を書いた人

加藤 英明

介護福祉士/主任介護支援専門員

社会福祉法人熊谷福祉の里にて、特別養護老人ホームクイーンズビラ桶川副施設長として従事する。介護講師や地域福祉団体『埼玉県央ケア協会』の共同代表として、県央地域を中心に地域福祉向上のため活動中

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