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COLUMN

お悩み解決コラム

「生涯現役」という言葉のように意欲をもって日々を過ごす事が介護予防に繋がる。

2021/12/13

最終更新日:2021/12/13

高齢社会の日本。前回の記事こちらでは、高齢者も地域を共に支える側として期待されているという内容をお伝えしました。今回は医療経済的な側面から見た現状も踏まえてみていきましょう。

高齢社会の現状 高齢者の状況

世界保健機構(WHO)の定義では、“65歳以上の人を高齢者”としています。日本では一般的に、0歳~64歳を現役世代、65歳~74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と定義しています。この考えは特に、医療機関において使われるコトが多く、現在、医療保険は負担割合が(所得によりますが)基本は64歳までは、医療費窓口負担3割、65歳~74歳までを2割負担、75歳以上を1割負担としています。ですが、今年の通常国会で一定の所得がある75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担を、1割から2割に引き上げる医療制度改革関連法が、令和3年6月4日の参院本会議で、可決・成立しました。導入時期は令和4年10月からです。高齢者が大幅に増加し、現役世代の負担を少しでも減らすための対策ですが、これだけでは現役世代の負担軽減は限定的と言われています。

それでは、65歳以上を高齢者と定義されたのは、いつ頃なのでしょうか。1956年に国際連合が提出した報告書、“人口高齢化とその経済的・社会的意味”で、65歳を高齢者としたコトが元になり、世界に広まりました。「ええ!?そんな昔の話なの?」などと思われる方もたくさんいると思います。平均寿命で考えてみましょう。1956年(昭和31年)の頃の男性平均寿命は63.59歳、女性は67.54歳でした。男性の平均寿命が、65歳以下の時代だったようです。

その後、医療が飛躍的に進歩しました。また、2000年から介護保険制度も成立したコトで、高齢者が元気に過ごせる仕組みが出来上がったのです。現在の平均寿命(厚生労働省で発表されている2016年現在)は、男性が80.98歳、女性が87.14歳となるので、これよりは伸びていると予想します。

ここまでをまとめてみると、高齢者を65歳と定義した1956年は、男性の平均寿命が63.59歳、2016年には80.98歳。その差はなんと17.39歳にもなります。女性は67.54歳から87.14歳なので、その差は19.6歳もあります。このように、平均寿命に差があるのに、高齢者の定義が65歳で同じなのは、やはり問題があると考えます。

そして今は、平均寿命より更に大切な〇〇寿命があります。〇〇に入る言葉が、これからの地域にとても大きな影響を与えるコトになります。

それは【健康】であり、【健康寿命】がこれからの元気な地域のキーワードなのです。2016年の健康寿命は、男性が72.14歳、女性が74.79歳です。平均寿命と比べてみると、男性が平均寿命80.98歳から健康寿命72.14歳なので、その差は8.84歳。女性は平均寿命87.14歳、健康寿命は74.79歳なので、その差は12.35歳となります。

それでは健康寿命から平均寿命までの間は何でしょうか?それは“不健康な時期”となります。「長く生きたい。いつまでも生きていたい」と思うコトはとても大切なコトです。ですが、健康で長生きでなければ、生きる喜びが半減してしまうのではないでしょうか。これからの時代は【健康で長生き=健康寿命】を伸ばすコトが大切になります。

平均寿命の延伸に伴い、元気で意欲のある高齢者が増えているコトは、各種の調査で明らかです。本来人間は「誰かの役に立ちたい」という気持ちが、やる気や元気の源になります。社会に必要とされるコト、社会参加するコトが、健康であり続けるコトになり、結果として介護予防に繋がります。

「生涯現役」という言葉はまさに、健康で長生きをして生涯を終えるコトなのでしょう。

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この記事を書いた人

加藤 英明

介護福祉士/主任介護支援専門員

社会福祉法人熊谷福祉の里にて、特別養護老人ホームクイーンズビラ桶川副施設長として従事する。介護講師や地域福祉団体『埼玉県央ケア協会』の共同代表として、県央地域を中心に地域福祉向上のため活動中