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お悩み解決コラム

【メリット多数】介護士資格の取り方を徹底解説!無資格・未経験でも効率的に取得する方法

2023/06/11

最終更新日:2023/06/11

「介護って資格を取る意味あるの?」

「介護士資格はどうしたら取れるの?」

「おすすめの介護士資格を知りたい」

介護士の資格を取得して、ステップアップしたいとお考えではないですか?

介護は無資格・未経験からでも始められますが、資格を取得することでさまざまなメリットがあります。

この記事では、介護福祉士資格を保持する現役介護士の立場から、介護資格の取り方について解説しています。

最後まで読むと、一人ひとりの状況に適した、資格を取得する方法が見えてくるでしょう。

介護士が資格を取得すると、自分に自信がついて、周囲からも1人前の介護士として認められるようになります。

この記事で分かること

  • 資格を取得することで業務の幅が広がり収入や転職にも有利にはたらく
  • 介護未経験なら「介護職員初任者研修」から取得する
  • 介護福祉士になるには3つのルートがあり働きながら取得することも可能
  • 他の介護資格と併せて取得すれば専門性が高くなりスキルアップにつながる

介護士とは利用者の日常を支える仕事

介護士とは、高齢者や障害者などの要介護者・要支援者を対象として、身体介助や生活援助をする仕事です。

老人ホームやデイサービスを始めとした「介護施設」や、利用者の自宅に足を運び介護をする「訪問介護事業所」などが勤務先となります。

また、病院で看護助手として勤めるなど、働き方はさまざまです。

「介護士」とは「介護福祉士」の略称として呼ばれることがありますが、本記事では介護に携わる人間を総称して「介護士」と呼ぶこととします。

介護士が資格を取得する3つのメリット

介護士が資格を取得するメリットを、3つ具体的に紹介します。

業務の幅が広がる

資格を取得することで専門スキルの証明となり、業務の幅が広がります。

介護は無資格・未経験でも始められますが、資格がないうちは有資格者のサポートとして仕事をします。

業務の幅を広げ、専門スキルや自信をつけたい人は資格取得がおすすめです。

資格手当がつき収入アップにつながる

介護資格を保持していると資格手当がつき、収入アップにつながることが多いです。

厚生労働省のデータによると、保有資格別の平均賃金は下記の通りです。

資格 平均賃金
無資格者 278,370円
介護職員初任者研修 308,960円
介護福祉士実務者研修 314,170円
介護福祉士 334,510円
社会福祉士 368,520円
介護支援専門員(ケアマネジャー) 373,610円

出典:「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p247)」

データから、より高度な資格を取得することで収入が上がっていくことが分かります。

介護現場での仕事にこだわるなら、最終的には「介護福祉士」を目指したいところです。

転職する際に有利になる

別の介護施設に転職する際にも資格があると有利です。

介護業界は慢性的な人材不足が続いており、資格保持者を欲しがる施設はたくさんあります。

無資格・未経験でも採用される可能性のある業界ですが、即戦力を証明できる介護士資格は有利に働きます。

介護資格を取得するオススメ順を紹介

介護資格は実務経験が必要だったり、研修を修了していることが要件だったりすることがあります。

介護資格を取得する順番としては、以下がおすすめです。

1.介護職員初任者研修

2.介護福祉士実務者研修

3.介護福祉士

4.認定介護福祉士orケアマネージャー

それぞれ解説します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護に関する最低限の知識と技術を証明する資格です。

約130時間の研修課程を修了した後に、修了試験に合格することで取得できます。

受験するために

・年齢

・学歴

・実務経験

などは必要なく、誰でも受験できます。

無資格・未経験から介護資格の取得を目指すなら、まずは介護職員初任者研修から取得するのがおすすめです。

出典:介護員養成研修の取扱細則について

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修とは、安定感のある高品質な介護サービスを提供できることを証明する資格です。

修了すれば、訪問介護施設において、サービス提供責任者になることができます。

無資格の場合だと450時間以上の受講が必要ですが、介護職員初任者研修を取得している場合は、320時間程度と少なくなります。

介護福祉士の受験において「3年以上の実務経験」という要件を満たした人が必要な資格となっています。

初任者研修同様に誰でも受験できますが、経験者を対象としていることには注意が必要です。

介護福祉士実務者研修・研修時間

資格の有無研修時間
無資格450時間以上
介護職員初任者研修保持320時間程度

出典:厚生労働省 実務者研修の指定基準について

出典:厚生労働省 実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について

介護福祉士

介護福祉士は、介護に関する専門的なスキルと知識を証明できる資格です。

介護福祉士を取得すると、これまで通りの現場での仕事に加え、周りのスタッフに対する指導・助言をする立場となります。

介護福祉士を取得するには、介護福祉士試験に合格することと、さきほど紹介した介護福祉士実務者研修の終了+3年以上の実務経験が条件となっています。

働きながら介護福祉士を目指す人は、取得するまでの具体的なプランをイメージしておくことが大切です。

出典:介護福祉士資格の取得方法について

認定介護福祉士

認定介護福祉士とは、一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構が運営・認定している民間資格となります。

2015年から始まった認定制度で新しい資格ですが「介護福祉士」取得後のキャリアパスとして注目されています。

介護福祉士取得後は「ケアマネ」に挑戦するのが一般的でした。

今後は介護福祉士のリーダー的な存在として、認定介護福祉士が認知される可能性があります。

ケアマネジャー

要介護者・要支援者やその家族などから相談を受けて、在宅や施設などで介護を受けるためのケアプランを作成するのが、ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事です。

他にも、自治体、事業所や介護施設などとの連絡・調整を担います。

ケアマネジャーになるには、都道府県ごとに行われている介護支援専門員実務研修受講試験に合格した上で、介護支援専門員実務研修過程を修了することが要件です。

受験するためには、医師・看護師・社会福祉士・介護福祉士などの資格取得後、実務経験が5年以上必要です。

介護福祉士を取得して5年間実務経験を積み、キャリアアップとしてケアマネジャーを目指す人もいます。

出典:介護保険制度の見直しに関する意見(素案) (参考資料)

介護福祉士になるには3つのルートがある

「介護福祉士を取得することが目標」という人は多くいます。

介護福祉士になるための方法は3つあり、以下の通りです。

・実務経験ルート

・福祉系高校ルート

・養成スクールルート

それぞれ解説します。

実務経験を経て介護福祉士になる

介護現場で3年以上勤務(実働540日以上)したのち「実務者研修」を修了することで、介護福祉士の受験資格を得ることができます。

常勤だけではなく、非常勤、アルバイト・パート、派遣なども、実務経験として認められます。

無資格・未経験から始め、働きながら介護福祉士を目指す人は多いです。

福祉系高校に入学し介護福祉士になる

福祉系高校や特例高校の福祉科、福祉コースに入学し、介護に関する知識・技術を学んで卒業すると、介護福祉士の受験資格を得ることができます。

福祉系高校に入学した場合は実技試験が免除です。

特例高校は、卒業後に9ヶ月以上の実務経験が求められます。

高校卒業と同時に、専門的知識、技術が備わっているため、就職先などからも喜ばれます。

養成スクールに入学し介護福祉士になる

国が指定する福祉系の養成スクールに入学し、カリキュラムを終了、卒業することで介護福祉士の受験資格を得ることができます。

養成スクールへの通学期間は、一般的な高校・大学を卒業している場合は2年間以上、福祉系大学や、社会福祉士・保育士の専門学校などを卒業した場合は1年以上必要です。

また、これまでは養成スクールの卒業と同時に介護福祉士の資格を取得できていましたが、2022年度より筆記試験の合格が条件になっています。

ただし、養成スクールを卒業している場合は実技試験が免除です。

介護・福祉に関することを幅広く学べるため、時間と費用に余裕がある人は養成スクールに通うのも1つの手段です。

出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

介護福祉士試験の概要

介護福祉士の取得に対して大変なイメージを持っている人がいるかもしれません。

国家資格である介護福祉士の難易度や合格率などを見ていきましょう。

国家資格にしては難易度が低く合格率は70%前後

国家資格であるため簡単とは言えませんが、それでも過去5年間を見ると70%前後の合格率となっています。

資料によると、2023年(令和5年度)の合格率は84.3%で、8割以上の人が合格する試験となっています。

下記は、過去5年間の合格率をまとめたものです。

実施年度受験者数合格者数合格率
第35回(2023年)79,151人66,711人84.3%
第34回(2022年)83,082人60,099人72.3%
第33回(2021年)84,483人59,975人71%
第32回(2020年)84,032人58,745人69.9%
第31回(2019年)94,610人69,736人73.7%

出典:第35回介護福祉士国家試験の合格発表について

試験の合格ラインは60%以上の正答

介護福祉士試験は筆記と実技の試験があり、まずは筆記試験を受験します。

筆記試験は125問出題され、1問1点の125点満点です。

筆記・実技ともに60%以上正答することが合格ラインですが、問題の難しさにより若干の補正が入ります。

介護福祉士試験では最初に筆記試験を受け、後日、必要に応じて実技試験を受けることになります。

問題は11科目群に分かれており、すべての科目で1問以上正答することも条件であるため、例えば高得点であっても0点の科目群があれば不合格となります。

出典:介護福祉士国家試験 出題基準・合格基準

合格後には介護福祉士の登録を忘れない

介護福祉士になるためには、合格後に公益財団法人社会福祉振興・試験センターへ資格登録をする必要があります。

試験に合格するだけでは、介護福祉士と名乗ることはできないため気をつけてください。

介護福祉士以外の資格も取ってスキルアップ

認知度があり、評価されやすいのは介護福祉士ですが、介護には他にもさまざまな資格が存在します。

併せて取得することで、スキルアップできる資格を紹介します。

レクリエーション介護士

レクリエーション介護士は、一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会が認定する民間資格です。

取得することで、高齢者とのコミュニケーションスキルやレクに関する知識・技術・実践能力があることを証明できます。

2級と1級が用意されており、2級は誰でも受験できますが、1級は2級取得者のみ受験可能です。

レクリエーション介護士について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
レクリエーション介護士とは?無駄?仕事内容やメリットを分かりやすく説明

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士は、一般社団法人日本認知症ケア学会が実施する民間資格です。

認知症ケアに関して高い専門性と技術を有していることを証明できます。

ただし、取得するまでには3年以上の実務経験が必要で、その後、試験に合格する必要があります。

取得した後も5年に1度の更新が必要となっており、日本認知症ケア学会主催の、講演、学会、研修に参加したり、論文を発表したりと維持することが大変な資格です。

その分、認知症に関する資格として高く評価されており、グループホームを中心に全国の高齢者施設から需要があります。

介護予防運動指導員

介護予防運動指導員は、東京都健康長寿医療センターが認定する民間資格です。

筋力トレーニングや運動を通して、健康を維持しつつ要介護状態にならない身体作りを高齢者に指導できる資格です。

東京都健康長寿医療センターが指定する講座を受講し、試験に合格することで得られます。

ただし、

・介護職員初任者研修を修了しており、2年以上の実務経験があること

・介護・医療に関する国家資格を保持していること

などの条件を満たす必要があります。

万が一試験に落ちた場合は、初回受験日から1年以内であれば再受験可能で、登録後は3年に1度の更新が義務付けられています。

介護予防指導士

介護予防指導士は、日本介護予防協会が介護予防を推進するための人材育成を目的として認定している資格です。

取得するためには、協会が実施する講習を3日間受けることになります。

講習科目は、

・筋力訓練指導

・ストレッチング

・転倒予防

・栄養ケア

・口腔ケア

など10科目あります。

試験はありませんが、受講できるのは、介護・看護・リハビリ・運動指導などの高齢者介護に関わる資格を保持しているか、養成校などを卒業見込みの方です。

福祉用具専門相談員

福祉用具専門相談員は、高齢者の自立のために必要な福祉用具の選定、使用についてサポートするための専門資格です。

介護保険の指定を受けた福祉用具貸与、販売事業者には2名以上の福祉用具専門相談員の配置が義務付けられています。

福祉用具専門相談員の仕事内容は、

・心身状態や環境などを考慮した上での福祉用具選定

・福祉用具の利用サービス計画の作成

・福祉用具の調整や取り扱いの説明

・貸与後の点検訪問

などです。

資格取得条件は無いのですが、都道府県知事が指定した研修事業者による「福祉用具専門相談員指定講習」を受講することになります。

50時間の講習を修了した後に、確認程度のテストがあります。

喀痰吸引等研修

喀痰吸引等研修とは、口腔内や鼻腔内、気管カニューレ内部のたんを吸引したり、胃ろうや腸ろうなどから経管栄養を実施したりするための研修です。

基本研修と実地研修の2種類があり、どちらも修了することが必須です。

介護度や医療依存度の高い人が多い施設、病院などで需要があります。

紹介したように、介護福祉士以外にもさまざまな資格が存在します。

ただし、資格を取得することが目的となっては、宝の持ち腐れです。

介護分野の中で、どこに興味関心があるか考えながら、効率的に資格取得をしてください

介護士資格に関する体験談を紹介

介護士の資格の有無による体験談を紹介します。

2つ紹介しますが、どちらも筆者が実際に体験したことです。

資格がなくて家族から信頼されなかった話

筆者が介護士1年目のときの話です。利用者が食堂で食事を終えたあとに、いつも通り服薬介助をしました。ところが、中村(仮名)さんという名前の方だったのですが、間違えて村中(仮名)さんという方の薬を服薬させてしまったのです。すぐに上司や看護師に連絡しました。間違えて服薬させた薬が整腸剤だったため、大事には至らなかったのがせめてもの救いでした。その後、家族へ経緯の説明と謝罪です。しかし家族は「なぜ介護の資格を持っているのに誤薬という基本的なことをミスするのか?」ということを聞いてきたのです。無資格であることを正直に伝えると家族は立腹し、上司に変わるように言われました。「資格がない人をどうして働かせるの?」というクレームを、家族から言われたようです。「資格があってもなくても、間違えることはあるのに…」という、やりきれない気持ちと、誤薬したことで、利用者・家族・同僚、そして家族対応してもらった上司に迷惑をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいになったのを覚えています。

介護福祉士を取得して結婚できた話

筆者は介護職をする前は、派遣社員として物流倉庫などで働いていました。「正社員として働かなければ将来的に結婚できる気がしない」と感じていた筆者は、介護の仕事を未経験・無資格で始めることを決意したのです。慣れない生活支援・身体介護でしたが、がんばって3年働いて受験資格を取得し、何とか1回目の受験で合格、介護福祉士になりました。資格があるからといって、業務内容がガラッと変わることはないのですが「介護のプロ」という自覚と自信がつきました。結婚を考えるようになったのも資格を取得して「この道で行く」と覚悟が決まったからです。結婚に限らず、資格を取ることは自分を変えてくれる力があると思っています。

介護福祉士取得後はさまざまな施設から需要がある

無資格・未経験からでも始められる介護ですが、介護福祉士を取得することで勤務先の選択肢が広がります。

具体的には、下記の通りです。

・特別養護老人ホーム

・介護老人保健施設

・介護付き有料老人ホーム

・グループホーム

・訪問介護事業所

・デイサービス

・ショートステイ

・小規模多機能

介護施設・事業所を始め、障害者を対象とした分野でも介護福祉士は活躍できます。

まとめ

本記事では、介護士資格の取り方について解説しました。

介護は人手不足のため未経験・無資格でも始められる仕事ですが、資格を取得することでさまざまなメリットがあります。

特に介護福祉士は、周囲から認められ収入にも直結するため取得を目指す人が多いです。

働きながら合格も狙えますが、まずは初任者研修や実務者研修を取得することで確実なステップアップを狙います。

介護福祉士と併せて、介護に関する資格を取得することで、さらなるスキルアップをしたり専門性を高めたりできます。

介護士として自信がつき、周りからの評価も上がる資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか?

本記事がきっかけとなれば幸いです。

この記事の執筆者

あべ
介護福祉士・レクリエーション介護士2級・認知症ケア指導管理士

介護付き有料老人ホームにて介護歴10年以上。保有資格は介護福祉士・レクリエーション介護士2級・認知症ケア指導管理士。介護リーダー歴も5年以上あり。高齢者施設に勤務しながらWebライター・ブロガーとして活動中。