要介護者当人だけでなく、家族も支えるケアマネに。「介護・福祉職がいるカフェ」オープンが夢 | 介護・看護・保健師の転職サイトaunジョブ

DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

松本悠暉
髭のケアマネ フリーランスケアマネジャー
松本悠暉

要介護者当人だけでなく、家族も支えるケアマネに。「介護・福祉職がいるカフェ」オープンが夢

――あなたのお仕事について具体的に教えてください。

居宅介護支援事業所で管理者・主任ケアマネジャーをしています。それ以外に個人事業として、介護支援専門員試験講座などをテーマにしたセミナーやコンサルティング、介護業務に関するシステム開発などさまざまな活動を行っています。2026年1月からは介護情報ポータルサイトで新人ケアマネジャーに向けたコラムの連載を始めました。

なお、これら個人事業としての活動に際しては「髭のケアマネ」という肩書を用いています。

自分に正しい知識があれば支えられたのでは

――この仕事を始めたきっかけを教えてください。

小学生のときに大伯父が脳梗塞で入院し、発話が不明瞭な状態になりました。ある日、私は大伯父の欲しがっているものを聞き取ることができました。それを大伯母に伝えたのですが、何の対応もしてくれませんでした。そのことに「なぜ、困っている人がいるのに誰も何もしてあげないのだろうか」と大変なフラストレーションを感じました。

その後、大伯父は亡くなるのですが、その時に「もし、自分に正しい知識があり、しっかりと対応していれば、もっと支えられたのではないだろうか」と感じたことが、介護・福祉業界を志すきっかけになりました。

介護を学ぶ専門学校に進み、卒業後は介護業界一本で働いています。2019年にケアマネジャーになりました。

ICTを上手に活用することで、収入面でも魅力のある仕事になる

――あなたの強みは何ですか?

まず、何と言ってもまだ35歳と若いことです。私自身ケアマネジャーとして働き始めたのは27歳。ケアマネジャーの高齢化が指摘される中で、この年齢で主任ケアマネジャーをしている人は少ないと思います。

年齢的な面に加えて、一般企業と共にシステム開発の仕事に携わっていたこともあり、ICTを積極的に活用してペーパーレス化など業務を効率化しています。利用者は事業所内のケアマネジャーで案分しているのですが、効率化を徹底的に進めた結果、平均的なケアマネジャーの担当件数を優に超える人数を担当しています。

介護職員処遇改善加算の対象外だったことや従来の業務量の多さもあり、最近では「ケアマネジャーは食べていくのが難しい資格」という印象が強くなっています。受験者、合格者ともに少なく、将来のケアマネジャー不足が懸念される中で「ICTを上手に活用することで、収入面でも魅力のある仕事になる」という事業モデルを確立しつつあります。私にはコラム執筆や講演会などの発信手段があります。それを広く伝えることで、既存のケアマネジャーを元気づけたり、ケアマネジャーを志す人を増やしたりできることが大きな強みだと考えています。

ケアマネの魅力を若い世代に伝えていくこと

――あなたの使命とは何ですか?

自分が持つ知識やネットワークを通じて、人を幸せにするためのマネジメントを行うケアマネジャーの仕事は、とても楽しく、やりがいがあります。その魅力を介護・医療業界で働く人、特に若い世代に伝えていくことです。

また、利用者本人の幸せを追求することはもちろんですが、家族の幸せを同時に叶えていく必要性があると実感しています。例えば、介護保険制度の中にはデイサービスやショートステイなど家族のレスパイト機能を持つサービスがあります。それらの利用を勧めても「私たちが楽をしてしまっていいのでしょうか」と罪悪感のようなものを口にして、ためらうケースが少なくありません。

また、ケアマネジャーはケアプランを作って提案はできても、意思決定権は持っていません。介護疲れなどで家族が崩壊し、正しく機能しなくなると意思決定が不可能になり、介護が必要な人に対しても何の支援もできなくなってしまいます。

要介護の方を抱える家族のニーズを調査し、必要であれば保険外サービスも組み合わせて家族も支えていくことが私の重要な使命だと考えています。そして、家族には「もっと肩の力を抜いていい」「もっと休んでいい」ということを訴えていきます。

東京都下町で「ケアマネジャーがいるカフェ」を開くこと

――あなたのこれからの夢を聞かせてください。

私の活動エリアである東京都下町で「ケアマネジャーがいるカフェ」を開くことです。「地域づくり」という言葉がありますが、私自身はこの言葉があまり好きではありません。介護・医療関係者が中心になって地域に新しいコミュニティを作っていくよりも、既にある地域コミュニティに介護・医療関係者が入っていく方がスムーズに進むと考えています。要は、我々が作るのではなく、変化させていくのです。

飲食店は自然に地域の人が集まる拠点となります。「普段は、普通に食事やおしゃべりを楽しんでいるが、話題が自身や家族の介護になったときにはマスターやスタッフがケアマネジャーなど介護・福祉専門職の名刺を出してアドバイスする」そんなお店が理想です。

「自己成長」を楽しめること

――最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。

ケアマネジャーの仕事に限定した話になります。

私は、ケアマネジャーは単体では非常に無力な存在だと思っています。医師や看護師、介護福祉士、リハビリテーション専門職、管理栄養士など周囲にいる多くの専門家の協力があって初めて形になる仕事です。また、周囲の人たちとの関係が多く、深くなるほど、より良い仕事ができるようになります。そうした「自己成長」を楽しめることが、ケアマネジャーの仕事には不可欠です。

また、ケアマネジャーは社外の多くの専門家と関わり、ときにはさまざまな調整をしたりしないといけません。このため、特に介護現場職で社内の人間を中心に関わってきた人がケアマネジャーになると、これまでとは全く違うストレスを感じることがあります。

そうした場合には、私は「まず1年間は続けることを目標にしてみましょう」とアドバイスしています。1年間頑張れる人は、大概その後もずっと続けられます。

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