—あなたのお仕事について具体的に教えてください。
英会話スクール・THE ROOM ENGLISH SALONを経営しており、自身も英会話講師として英語を教えております。それ以外にも、TOEICや英検など資格対策も行っています。
スクール名に掲げた“ROOM”のように、スタイリッシュながらプライベートな空間づくりを目指し、まるでご自身のお部屋にいるようなリラックスした心地でレッスンいただけます。完全マンツーマンで、生徒様それぞれにあったカリキュラムをご提案。教室には老若男女さまざまな生徒様がおられ、スクールは今年で10年目を迎えることとなりました。
—この仕事を始めたきっかけを教えてください。
私は外国語大学でドイツ語を専攻していましたが、英語は全くできなくて。在学中、徐々にそのことに対してコンプレックスを持ち始めたんですね。外大出身と言いながら英語ができないのはまずいなと。ドイツ語より英語の方が圧倒的に使うシーンが多く、今後グローバル化が進むなかで、英語の重要性も感じていましたし。そこで、父親に英語の語学学校へ行きたいと相談したところ「大学の学費は出しているのだから、やりたいなら自分で頑張りなさい」と一蹴されてしまいました。そこからは大学にも通いながら必死でアルバイト。語学学校や留学も経験、他にもCAの専門学校にも1年ほど通いましたが、それらの費用は全て自分でローンを組んで支払いました。その間は、寝ずに勉強し働いて…という状況だったのですが、自分のお金でしたし、今まで以上に「無駄にするものか!」という思いで。20〜25歳ぐらいまでは全く青春と言えるものはありませんでしたが、頑張って勉強したことは全て自己投資で、のちのち自らに返ってきているなと感じています。
自らのお金と時間をかけたことで、1時間のレッスンにしても自分で勉強するにしても、必要最低限の時間で最大の効果を得たいと考えていました。そうなると集中力も増し、いろんな方法を追求し始めるので、能動的な活動になるわけです。学びは、受動の気持ちではどうしても身になりません。レッスンに来て何か学ばせてほしいという姿勢ではなく積極性を持ち、その上で質問できるぐらいが最大効率化できている状態ではないでしょうか。社会的に成功している人々も、全体数の1〜2割。英会話をマスターできる方の比率も同じ印象です。何においても秀でることができる人は1〜2割で、それは必ず能動的な姿勢を持っている方ばかりです。
そうやって培った英語力で、まずはパナソニックに勤務することになりました。通訳や海外ゲストの案内など英語を使った業務はとても楽しく感じていた一方、自分の力で直接製品が売れる瞬間を見るわけでもないですし、消費者に喜んでもらえる瞬間を目の当たりにするわけでもないので、どうしても組織の部品の一つのような存在に感じていました。
そんななか、友人から「英語を教えてほしい」と頼まれ、教える場を持つことに。英会話から徐々にTOEICのテスト対策へと切り替えたんですが、半年ほどで友人のTOEICのスコアが200点ぐらい上がって! 友人と喜びを分かち合いながら感謝までしてもらえたことに、とてもやりがいを感じました。しかも会社員として3年が経とうというタイミング。これはいい機会だと英会話を生業に生きていきたいと思うようになり、英会話講師を目指すようになりました。
フリーランスで始めた最初の頃はお客様も全くいなかったため、カフェを教室にして1時間500円の格安授業でスタート。電車賃や飲み物代で赤字でしたが、とにかく経験を積みたかったんですね。そこから1年ぐらいで生徒様が増えていき、1日8〜10時間もカフェに座っているほどになりました。これなら自分で場所を借りようと思い、現在のレッスンスタジオを持つことになりました。
—あなたの強みは何ですか?
経験で培ってきたものもあるので、元々持っていたわけではないですが、コミュニケーション能力は高い方だとは思います。老若男女どんな方とも会話ができたり、そつなく対応できるところは強みかもしれません。
他にも、パナソニックでの経験や、一時期はCAを目指す専門の学校へ通っていたこともあるので、一通りのマナーやサービス対応、ホスピタリティについても勉強しました。そういう学びや経験は、今に生かされてると思いますね。
自分では気付いていませんでしたが、英会話を習得しようとしたときの私の行動は、合理主義そのもの。いかに無駄を省いて最大効率化させるかというところは、どんな場面でも重視している部分ですね。
ただ、無駄を楽しむ時だってありますよ。例えば好きな人や仲の良い人と遊園地などに行った場合、アトラクションに並んでる長い時間さえも楽しく感じられます。無駄なように思えて無駄ではないですね。ただ、ボーッとしているだけの時間も幸せですし。全ての無駄を省くというわけではなく、最大効率を考えるということは大事だと思っています。その考え方はいろんな場面で活かされていると感じますね。
—あなたの使命とは何ですか?
英会話は意識とコツ、そして向上したいという思いや努力があれば、誰でも習得することができます。私にできることはもっともっと英会話を広めることですね。使命とは責務。個人が集まって社会を作っているし、どんな人だって一人で生きているわけではありません。私も社会を成す個の一人として、たくさんの方々、ひいては女性の可能性を高めるお手伝いをしたいと考えています。
—最後にあなたのこれからの夢を聞かせてください。
THE ROOM ENGLISH SALONは、何もかも分からないゼロの状態からスタートし、気が付けば10年が経とうとしています。学生時代に経験した留学先では、英語の能力があるにも関わらず活かし切れていない方も多くいました。せっかくの力を発揮しなくてはもったいないですよね。例えば英会話講師を育成するためのスクールなども考えています。私のノウハウを共有し、女性の労働支援を行うことが夢。女性がもっと生きやすく、健やかに暮らせる社会へつながればいいなと日々考えています。
また、私個人の夢は温かい家庭を持ちながら、無理なく英会話の仕事を続けること。女性が女性らしく輝き続けながら社会を発展させられる環境づくりは、夢というよりは現実にかなえていかなければと強く思います。
HP