—あなたのお仕事について具体的に教えてください。
仕事ではないのですが、鉛筆で絵を描いて過ごしています。
そもそも、作家にとって“絵”とは何なのか? 収入を得るための方法でもなければ、遊びでやっているわけでもない。少なくとも私にとっては生き様なのです。つまりマスターベーションのように自己満足で一方通行の発信手法とも言えます。なかには誰かのために描き上げるだとか、この部屋に飾ってほしいだとか、そういう想いで描く作家もいます。描く理由は、人それぞれ違って良いと思います。
私は、今まで生きてきたなかで感じたこと、自分がどうありたいか、そういったことを一方的に知ってもらいたい、そんな自己中心的な考えで絵を描いています。共感してもらえたら、買ってもらえたらラッキーという感覚なんですね。
—この仕事を始めたきっかけを教えてください。
さかのぼれば13〜14歳のころ、勉強もせずに毎日学校の机をキャンバスにして絵を描いていました。家でも、時間を忘れて夜が明けるまで描く日々。
その後、美大へ進学したのですが、絵を仕事にするということがどうしても結びつけられず、アートから完全に離れて13年が経ちました。自分らしい生き方とは何か? 本当は何がしたいのか? どんな人生を歩んでいきたいのか? そういったことを考えるチャンスが訪れた1年半ほど前に、絵への想いが再燃し、描き始めました。
—あなたの強みは何ですか?
アートの部分でいうと、自分だけの表現方法で絵が描けることです。どんな作品でも「桜井 智の絵だとわかる」、そう言っていただけるのが、最大の強みだと思います。
精神的な部分でいうと、良く言えば軸がブレない、悪く言えば「我が強い」です。マイナスに働くこともありますが、マイペースと捉えることで、大切なマインドだと思うようにしています。
—あなたの使命とは何ですか?
絵を通して自分の生き様を世に伝えること。そして、後悔のない生き方をして、子どもに生き生きしている姿を見せることです。
—最後にあなたのこれからの夢を聞かせてください。
一言では書き切れませんが、私は、30年後までの“人生スケジュール”を書いています。そこには、今はまだ叶うはずもないようなこともたくさん書いていて。でも、自分が想像できる範囲の夢は必ず叶えることができるので、実現させるためにはどうしたら良いのかを考えて、より細かいタスクリストを作り、行動に移して過ごしています。
この先に何があるのかというと、より多くの人に知ってもらうために世界中に発表の場を作りたいと考えています。そもそも日本と世界、というように二分化させることはナンセンスだと思いますが、それほどに日本と世界のレベルは違うと言われています。例えば、とあるアートフェアに日本人が出られる確率は、ほぼ0%だなんていう話を聞くほどです。
その原因はさまざまにありますが、ひとつの要因として日本人作家の上昇志向が低いことが挙げられます。私は上昇志向がないと生き残れない別の畑で13年間過ごし、その後やはり絵を描くことが本当に大好きなんだと気が付きました。
だからこそ、アートの扉はもっともっと自由に開かれていたら良いと思いますし、それによってひとりでも多くの人に絵に興味を持ってもらえたら、と思います。
HP