「資本主義からドロップアウトした人たちの受け皿を」ペット共生型障がい者グループホームを全国で展開 | 介護・看護・保健師の転職サイトaunジョブ

DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

藤田英明
株式会社アニスピホールディングス代表取締役会長兼社長  一般社団法人全国障害福祉事業者連盟代表理事
藤田英明

「資本主義からドロップアウトした人たちの受け皿を」ペット共生型障がい者グループホームを全国で展開

――あなたのお仕事について具体的に教えてください。

ペット共生型障がい者グループホーム運営などの障がい福祉サービス事業を手掛けるアニスピホールディングスという会社を経営しています。また、障がい福祉事業者の質の向上、従事者の資質と処遇の向上を目的とした事業者団体、一般社団法人全国障害福祉事業者連盟を2021年に設立し、代表理事を務めています。

何とかしたいという気持ちから始まった事業

――この仕事を始めたきっかけを教えてください。

大学は社会福祉学科に進み、在学中に精神保健福祉士の資格をとりました。しかし、この資格を活かせる就職先が殆んどなかったため、介護職として特別養護老人ホームで勤務しました。2004年に独立起業し、「茶話本舗」のブランドで、介護保険外で宿泊可能な小規模デイサービス事業を始めました。当時は、特養の待機者問題もかなり深刻で、家族の介護を苦にした悲惨な事件も多く、これを何とかしたいという気持ちがありました。

茶話本舗は、直営・フランチャイズ合わせて約900ヵ所にまで拡大しましたが、2015年頃になるとサービス付き高齢者向け住宅の整備などが進み、特養の待機者問題がそれほど深刻ではなくなりました。加えて2018年の診療報酬改定で、精神科病床の長期入院が難しくなり、退院患者の受け皿が必要になりました。そうしたことから茶話本舗事業は譲渡して、障がい者グループホーム事業を新たに始めました。

個人的に保護犬活動にも関わっていたので、この2つを組み合わせてペットと一緒に住めるグループホーム「わおん」「にゃおん」を始めました。当時、国内には全く存在しないモデルでしたが、現在は直営・フランチャイズ合計で1,816ヵ所にまでなり、約8,000名が利用しています。

藤田英明

普通なら「障がい」と言われるような特徴を経営に活用

――あなたの強みは何ですか?

私は、医師から「多動症」との診断を受けたことがあります。多動症は一般的には「じっとしていられない」「集中力がない」などのマイナス面が語られることが多いですが、裏を返せば「興味を持ったこと、やりたいことがあれば、すぐに体が動く」という行動力・フットワークの軽さでもあります。また私は「過集中」でもあります。一度物事に深く集中すると、それが最後まで継続できます。例えば、厚生労働省などが発出した資料も、その日のうちに細部まで読み込み、私なりの解釈を付けて、会社全体に通知することができます。法改正・報酬改定などに対していち早い対応が可能です。

このように、普通なら「障がい」と言われるような特徴を持っていても、それを上手く経営に活用していくことで、時代に必要とされるサービスをゼロから立ち上げ、急速に普及させることができているのが、大きな強みではないかと思います。

資本主義からドロップアウトした人たちのために介護・福祉が必要だ

――あなたの使命とは何ですか?

銀行員だった父親から、高校生のときに「資本主義が全てだ」と言われたことがあります。しかし、私は「資本主義からドロップアウトした人たちのために介護・福祉が必要だ」と納得しませんでした。このことが、私が福祉の道を歩むことになったきっかけの一つです。

これまで、宿泊付きデイサービス、ペット共生型障がい者グループホームと、新しいビジネスモデルを立ち上げてきましたが、今後も社会のニーズやその変化に応じた様々なサービスを立ち上げ、資本主義からドロップアウトした人たちを支える社会インフラを整備していくことです。

例えば、最近は障がい福祉サービスの「就労継続支援A型・B型」事業所が増えています。しかし、障がい者が全員「働きたい」と思っているわけではありませんし、近年急速に増えている精神障がいの人たちの中には、それらの事業所で一般的に行われている単純作業が苦手な人もいます。そうした人たちが「働きたい」と思えるサービスが必要です。

それに対して当社では「スマートフォンのゲームに参加することで、お金を稼げる仕組み」を構築しました。このような新しい障がい者の就労モデルの確立などを目指していきます。

藤田英明

世界の全ての大陸に自分が運営する事業所を作りたい

――あなたのこれからの夢を聞かせてください。

仕事の面では「死ぬまでに、世界の全ての大陸に自分が運営する事業所を作りたい」ということです。その第一弾として、来年インドのチェンナイで介護施設を立ち上げる計画です。インドは高齢者だけで1億人近い人口がいます。また、今後、高齢化が進んでいきますが、社会インフラとしての介護が殆んど整備されていません。まずは日本の介護・福祉の考え方やノウハウをしっかりと根付かせていきます。

プライベートでは、「サッカー選手」になることです。元々サッカーをしており、現在でも度々ノンプロチームと試合をしています。また、個人として、Jリーグ加盟を目指すクラブチーム「南葛SC」のスポンサーとなり、そこの選手を当社で雇用したりしています。

私は49歳の今でも50メートルを5.5秒で走れるなど、体力・身体能力にはまだまだ自信を持っています。この年齢でサッカー選手になれれば、世の中の同世代に人たちにも夢や希望を与えられるのではないでしょうか。

一つの道にとらわれずに、多くの可能性に目を向けて

――最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。

まず介護・福祉は「今後も需要に満ち溢れている業界」ということです。これだけ恵まれた環境の業界は他にはありません。また、拡大するマーケットの中で、求められる人材も多様化していきます。今後は専門職として知識や技能を極めていくほかに、マネジメント層を目指す、私のように起業するなど、選択可能な道が無数にあるでしょう。起業もほかの業界に比べれば、それほど難しいものではありません。一つの道にとらわれずに、多くの可能性に目を向けて下さい。

そして、介護・福祉には「これが絶対」という正解がありません。誰しもが「自分が理想とする介護・福祉の姿」があると思います。もし、それを実現できるチャンスが訪れたのならば、まずは行動に移してみるべきではないでしょうか。

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