一般市民向け医療情報をYouTubeで毎週配信。ライブ配信で「気軽に医療にアクセスできる社会」構築 | 介護・看護・保健師の転職サイトaunジョブ

DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

舛森 悠
総合診療医・家庭医/医療系YouTuber
ドクターマンデリンこと舛森悠さん

一般市民向け医療情報をYouTubeで毎週配信
ライブ配信で「気軽に医療にアクセスできる社会」構築

あなたのお仕事について具体的に教えてください。

5年前より北海道函館市の病院で総合診療医・家庭医として勤務しています。往診や訪問診療も行っています。

また、4年前より「ドクターマンデリン」の名前で、「YouTube医療大学」という医療情報コンテンツをYouTubeで配信しているほか、Instagramでも医療関連情報の発信を行っています。YouTubeのフォロワー数は約44万人です。書籍「総合診療科の僕が患者さんから教わった70歳からの老いない生き方」も執筆しています。

総合診療科の僕が患者さんから教わった70歳からの老いない生き方

この仕事を始めたきっかけを教えてください。

家族や親戚に医師がいるわけでもなく、高校3年生の秋までは医師になるつもりが全くなく、好きな宇宙工学などの道に進もうと考えていました。むしろ、若者特有の「斜に構える」姿勢で、「世の中のため、人のために働く」という考え方自体を軽視していた感すらありました。しかし、アフリカのウガンダで地域支援のために活動している方の講演を聞き、非常に感銘を受けたことがきっかけで、一転して「人の役に立つ仕事に就きたい」と考えるようになりました。そのときに真っ先に思いついたのが医師でした。

YouTubeを始めたのは同期の看護師からの誘いでした。「医師として学校や臨床の現場で学んだことを、医師を目指す人や、自身や家族などの病気に悩む人に分かりやすく伝えられれば」という思いがありました。また、学んだことをアウトプットするのは自身の医師としての成長につながるだろうとも考えました。

当初は「YouTube医療大学」は医療従事者やそれを目指す人を対象としていましたが、現在は一般の方を主な対象として医療や健康に関するさまざまな情報を発信することをメインに、週に1回のペースで配信しています。かつては、一般家庭にも病気の症状や治療法などを解説した医学事典のような本が置いてあることが多かったですが、それと同じような役割を果たせればと思っています。

あなたの強みは何ですか?

医療系YouTuberとしては「なるべく専門用語を使わず、平易な表現で情報発信をする」「参考文献などを明示して、信頼性の高い情報発信をする」という点に特に注力しており、見た方からは「とても分かりやすかった」という声も寄せられています。

また、単にこちらから情報を発信するだけではなく、チャンネル登録をしてくれている方たちを対象に、週に1回ライブ配信も行っています。「単に時間つぶしとしてYouTubeを見ているのではなく『学びたい』という目的意識を持って視聴してくれている方にしっかり応えてあげたい」と思って始めました。

特にテーマは決めずに、参加者の方からの医療や病気、健康に関する質問を受け付け、その場で回答しています。日頃、総合診療医としてさまざまな症状の患者に対応していることが、こうした「何でも相談」のようなスタイルで運営ができることにつながっていると思います。

あなたの使命とは何ですか? 

一般の方が医師や看護師などの医療職に接しようと思ったら、医療機関を受診するしかありません。しかし、それでは病気にならない限りは医療に触れる機会が生まれません。そのことが、防げる病気を防げなかったり、症状がかなり悪化してから初めて医療機関にかかったり、などのケースにつながってしまっています。もっと医療職が日常生活に身近な存在であること、例えば誰でも予約なしでふらりと立ち寄れ、そこに医師や看護師がいて気軽に世間話しができるような場があれば、「気が付いたら医療にアクセスできていて、健康回復や病気予防になっていた」という理想的な社会が築けます。そうした環境整備を進めていくことです。

東京で秋山正子さんが開設した「暮らしの保健室」がその理想だと考え、函館でも私が主宰する形で開催しています。現在、月に1回、その都度公民館などを借りて実施していますが、なるべく近いうちに会場や開催日を固定化できたらと思います。

あなたのこれからの夢を聞かせてください。

病気になったり、要介護状態になったりすると社会との関わりが極端に少なくなってしまいます。社会とのつながりがない生活は、1日15本のタバコを吸うのと同じぐらいに健康に良くない影響を与えるとも言われています。こうした課題の解決に向け、「社会とのつながりを処方する医師」を目指していきたいと考えています。そのためには、病気や要介護になっても社会とのつながりを保つことができる街づくりから考えていく必要があります。

例えば、老人ホームでも、入居したら一方的にヘルパーのお世話になるのではなく、自分の経験や知識を活かして何か社会に貢献することができるところ、高齢者の経験や知識を必要とする若い人たちなどが一緒に生活したり、常に出入りしたりしているようなところが理想です。それを自分で運営してみたいと考えています。地元の函館でもいいのですが、どこか自治体と手を組んで取り組めるところを探しています。

最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。

特に若い世代に見られるのですが、「コスパ」や「タイパ」を考えるばかりに、また当初から完全な答えを求めるばかりに、「今、本当に自分がしたいこと」の第一歩を踏み出せないでいるのは、とても勿体ないことだと思います。

多少の不安を小脇に抱えながらも実際に走り出してみれば、さまざまな人からアドバイスやサポートがもらえて、自然にゴールが見えてくると思います。そして、もし進むべき道が間違っていたとしても、いくらでも引き返したりしてやり直すことができます。「自分はこうしたい、こうなりたい」という想いがあるのならば、迷わずに突き進んでみることをお勧めします。

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