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介護福祉士は年収600万円を達成できるか?収入を上げる方法5つを解説

2024/03/26

最終更新日:2024/03/26

介護士の給与600万まで上げられるか

「介護の仕事は好きだけど、もうちょっとゆとりのある生活がしたい」「子どもの将来や自分の老後を考えると、今の給料では厳しいかも」と、給与のことで頭を抱えていませんか。

介護の仕事はやりがいのある素敵な仕事ですが、給与が低いと好きな仕事でも続けられませんよね。実際に高い給与を求めて、介護の仕事を辞める方は少なくありません。

しかし、介護の仕事で高収入を得ている方もいます。介護の仕事で年収600万円や700万円も、不可能ではないのです。

本記事では介護の業界で高収入を目指す方法や、高収入を目指す転職のポイントなどを解説します。最後まで記事に目を通して、好きな介護の仕事で高収入を目指しましょう。

介護福祉士で年収600万円は可能なのか

介護職員の給与は処遇改善加算や補助金の交付などで、年々上昇しています。それでは介護福祉士は、どれくらいまで給与を上げられるのでしょうか。

本章では介護福祉士として、どれくらいの年収が可能かを考えます。

介護福祉士で高収入を目指す前に介護福祉士としての給与の限界を知り、高収入を目指すためにはどうすればいいのかを確認してください。

年収600万円は可能!ただし簡単ではない

介護業界で活躍している人の中には、年収が600万円を超える方がいるのは確かです。しかし、介護福祉士として介護を実践している人となると、年収600万円は難しいでしょう。

令和4年度の介護従事者処遇状況等調査結果では、介護福祉士の平均給与額は33万1,080円と報告されています。単純に年収を計算すると、年収は397万2,960円となり400万円に少し届きません。

仮に賞与などがあったとしても、年収600万円にはほど遠い金額です。

ここ数年、介護福祉士の給与は処遇改善加算や補助金の交付などで上昇しているとはいえ、介護福祉士として年収600万円を目指すのは非現実的でしょう。

管理職になれば年収600万円も見えてくる

介護福祉士のままで年収600万円を目指すのは難しいですが、キャリアアップして管理職になると、年収600万円が現実的になります。

令和4年度の介護従事者処遇状況等調査結果では、介護老人福祉施設の管理職の平均給与額は42万7140円でした。年収を単純計算すると、500万円を超える金額です。

もし、賞与や手当がつけば、年収600万円が期待できるのではないでしょうか。

介護福祉士は資格や経験を積めば、十分にステップアップが可能な職種です。実際に介護福祉士として現場経験のある管理職や施設長は、珍しくありません。

管理職や施設長も、介護福祉士から徐々にキャリアアップしてきたのです。

年収600万円以上に到達した介護福祉士は実在する

介護の仕事で年収600万円以上とは、夢のような話に聞こえます。しかし、ユメシア転職JOBアンバサダーのyukariさんは、27歳で介護の仕事を始め、人一倍の努力の末に年収750万円に到達しました。

yukariさんはパート職員から始め、正社員、サービス提供責任者と順調に昇進した後、主任を飛ばして施設長へ就任。その後も、上級施設長の役職を飛び越えエリアマネージャーに就いています。

とはいえ、介護福祉士が高収入を得るのは簡単ではありません。yukariさんも「がむしゃらにこの10年知識を得るために勉強!勉強!研修!勉強!講習!勉強!勉強!試験!」と、相当な努力をされています。

たしかに、介護福祉士の給与は高くありません。しかし、介護の経験を積みスキルを磨いてキャリアアップすれば、yukariさんのように高収入を目指せる職業なのです。

yukariさんのインスタグラムはこちら

介護福祉士で年収600万を目指す具体的な方法

現場で働く介護福祉士が、すぐに高収入を得るのは難しいでしょう。まずは、あなたにできる給与アップの方法から始めましょう。そして、徐々にキャリアアップの道を歩んでください。

以下では、介護福祉士が収入を上げる方法について取り上げます。高収入を目指す方は、ぜひ最後まで記事に目を通してください。

夜勤を増やす

今すぐに年収を増やしたい場合は、夜勤の回数を多くするのが手っ取り早いでしょう。

夜勤があるかないかで、給与に大きな差がでます。もし夜勤がない職場なら、夜勤のある職種に移るのも一つの選択です。

たとえば、夜勤のある特別養護老人ホームの給与は34万8,040円ですが、夜勤のないデイサービスは275,620円で、実に7万円近くも違ってくるのです。

夜勤の回数に制限はないため、年収を増やしたい方は夜勤を増やせないか上司に相談してみましょう。

とはいえ、夜勤をまかされるのは経験がある職員に限られます。介護の仕事をして日が浅い方は、まずは日勤の業務で介護の経験を積みましょう。

資格を取得する

介護の仕事では、資格が収入に直結します。無資格の方は、ぜひ資格取得にチャレンジしてください。

介護における資格別の平均給与は、以下の表を参考にしてください。

資格名平均給与額
保有資格なし26万8,680円
介護職員初任者研修30万240円
実務者研修30万2,430円
介護福祉士33万1,080円

介護に関わる資格を取得すれば、常勤職員へ転換の道もでてきます。非常勤職員の平均給与は20万9,540円ですが、常勤職員の平均給与は31万7,540円です。資格を取得して常勤職員へ転換できれば、大きな年収アップが期待できます。

管理職に就く

介護福祉士の資格を取得した方は、さらなるキャリアアップを目指しましょう。

キャリアアップして管理職に就くと、年収600万円が十分現実味を帯びてきます。

とはいえ、規模の小さい施設だと、管理職の人数にも限りがあるものです。一方、大規模な施設では多くの職員を管理する必要があるため、管理職の人数も多くなります。

勤め先の施設が小規模で管理職のポストに空きがでそうもない場合は、大規模な施設に転職するのも賢い選択です。

ただし、管理職にはリーダーシップやマネジメントといったスキルを求められます。管理職を目指す方は、管理職に必要なスキルを磨いておきましょう。

管理者を目指す

介護施設や介護事業所の管理者を目指すのも、年収600万円の近道です。

管理者となると途方もない目標に思えますが、ほとんどの管理者もあなたと同様に介護の現場からキャリアアップしています。介護福祉士なら、誰でも管理者を目指せるのです。

ただし、管理者になるためには以下の要件を満たさないといけません。今から以下の要件を満たせるように、キャリアプランを考えておきましょう。

特別養護老人ホーム・社会福祉主事の要件を満たす者
・社会福祉事業に2年以上従事した者
・社会福祉施設長資格認定講習会を受講した者
グループホーム・特別養護老人ホーム、介護老人福祉施設、デイサービス、認知症対応型共同生活介護事業所などの従業者または訪問介護員として、認知症高齢者の介護に3年以上従事した経験を持つ者
・厚生労働大臣が定める「認知症対応型サービス事業者管理者研修」を修了した者

転職する

現在働いている施設で「これ以上年収が上がりそうもない」と感じる場合は、転職も選択肢に入れましょう。

介護福祉士の給与は、経営主体の規模や各種加算を算定しているかでも変わってきます。また、将来のキャリアアップを見据えて、管理職や管理者になりやすいかでも違ってきます。

転職する際は現在の給与だけでなく、将来を見据えて年収600万円が目指せる施設を選んでください。

しかし、高収入が期待できる施設の情報を一人で集めるのは大変な作業です。とくに、仕事をしながら転職活動をする方は、転職エージェントの利用も検討しましょう。

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気になる介護福祉士の給与事情

介護福祉士のままでは、高収入は期待できません。しかし、介護福祉士の間でも、働く場所で給与がだいぶ変わります。

高収入を目指す前に、自分が所属している介護サービスの平均給与と、ほかの介護サービスとを比較してみましょう。

介護サービスの種類別の給与

ここでは、介護福祉士が働く施設の種類の違いで、給与にどれほどの差があるのかを見ていきます。

介護福祉士として年収を上げたい方は、給与の高い施設への異動・転職も検討してください。

介護職員のサービス種類別の給与は、以下の表にある通りです。

介護老人福祉士施設34万8,040円
介護老人保健施設33万9,040円
介護療養型医療施設27万6,400円
介護医療員32万700円
訪問介護事業所31万5,170円
通所介護事業所27万5,620円
通所リハビリテーション事業所30万4,790円
特定施設入居者生活介護事業所31万3,920円
小規模多機能型居宅介護事業所28万7,970円
認知症対応型共同生活介護事業所29万1,080円

居宅系よりも、夜勤がある入所系施設の給料が高くなっています。しかし、それでも介護の現場職員だと年収600万は厳しいといえるでしょう。

介護福祉士・介護職の給与が一番高い運営主体は?

介護福祉士・介護職員の給与が高い運営主体について、以下で給与額順に表にしてみました。

施設名平均給与
1位地方公共団体37万2,260円
2位社会福祉法人33万4,610円
3位社会福祉協議会30万7,190円

地方公共団体や社会福祉法人のような公的組織の方が、民間組織よりも給与が高い傾向です。

公的組織は国や都道府県から法人税が課税されないといった優遇措置を受けられるため、経営状態が安定しています。そのため、介護職員へ給与を多く出せるのです。

介護福祉士の給与が低い3つの理由

介護福祉士の給与は、なぜ他業種と比べて低いのでしょうか。

ここでは介護士の給与が低い主な理由を3つ取り上げ、それぞれ解説します。

介護保険制度上の問題

介護業界は介護保険制度上、介護サービスの質を上げても収入が増えにくい構造になっています。

介護施設が介護サービスを提供すると、国や県などから介護報酬を受け取ります。

介護報酬は介護保険制度で金額が決まっているため、いくら質の良いサービスを提供しても報酬額は定められた通りしか受け取れません。

そのほかにも、特定の要件を満たせば加算という形で報酬を貰えますが、給与に大きく反映させられるほどではないのです。

介護福祉士の給与は介護報酬を元に決まるため、介護施設は給与の額を上げたくても上げられないのが実状でしょう。

誰でもできる仕事と思われているため

介護業界には無資格未経験でも就職できるため、残念ながら世間では誰でもできる仕事と思われています。

数十年前、介護は家庭で行うのが一般的だったため、今でも介護の仕事は「家庭で行っていた介護の延長」と捉えられているのです。

実際には介護の仕事は知識とスキル、経験が要求される専門的な仕事です。しかし、専門性が必要な仕事という事実は、まだまだ社会に認知されていないません。

介護の専門性が世の中に認められていないため、介護士の給料にも反映されないのです。

内部留保が多い

介護の業界では、経営者が利益を人件費に回さず内部留保にするケースが多いといわれています。

内部留保とは、企業が将来の事業運営のために利益を貯めておくことです。施設の建て替えや環境の変化などに対応するために、必要な資産といえるでしょう。

しかし、内部留保が多いと資産が人件費に還元されなくなるため、給与を上げられません。

介護業界は内部留保が多いと、以前より指摘されています。介護業界全体でこの傾向を改善しないと、介護福祉士の給与アップは期待できないのです。

介護士は勝ち組?介護福祉士の給与は今後どうなる

この10年ほどで介護福祉士の給与は、処遇改善加算や補助金の交付などで大幅にアップしました。

しかし、ほかの業種と比べるとまだまだ給与に差があります。それでは、介護福祉士の給与は今後どうなるのでしょうか。

2022年より、岸田政権は介護福祉士の賃上げ政策を行っています。2022年2月に、介護職員に対して月額約9,000円の交付金を支給しました。2022年の10月以降は、交付金の支給ではなく介護報酬に組み込まれる形となっています。

また、2024年2月からは、職員一人あたり6,000円の賃上げが行われました。

そして、令和3年の公的価格評価検討委員会 中間整理 では「処遇改善の最終的な目標は、職種毎に仕事の内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がり、必要な人材が確保されていること」とされています。

以上のことから、今後もなんらかの形で介護福祉士の給与はアップしていくと予想されます。

年収600万を目指せる転職先選び3つのポイント

転職先の選択を間違えると「転職しても、結局給料は変わらなかった」といった事態になるかもしれません。

高収入を目指して転職を考えている方は、ぜひ以下の記事で解説するポイントを頭に入れて転職活動をしましょう。

好待遇で求人しているところを選ぶ

高収入を求めて転職を考える場合、収入や福利厚生が良いところを選ぶのが基本です。

その際は給与だけでなく、賞与や手当も確認しましょう。基本給は高くても賞与や手当が低ければ、収入アップは期待できません。

また、地域の相場と比べて検討するのも大切です。あまりにも地域の相場とかけ離れている施設は、慎重に検討してください。

給与が高いのは「残業が多い」「職場環境が悪くて、すぐに職員が辞める」など、何か理由があるかもしれません。

多くの情報を収集し、総合的に判断してください。

経営母体の規模が大きいところを選ぶ

給与アップには、多くの施設を経営している法人や企業が有利です。

多くの施設を経営している法人や企業では、正社員の給与が高い傾向にあります。また、職員数も多いため、人材管理ができる管理職を多く必要としています。それゆえ、小規模の法人や企業よりも、キャリアアップの機会に恵まれているのです。

とくに、広範囲の地域で事業を展開している法人や企業は、エリアマネージャーといった地域を統括するポジションもあります。エリアマネージャーまでキャリアアップできたら、年収600万円を超えていても不思議ではありません。

処遇改善を取得しているところを選ぶ

介護で転職を考えている場合は、処遇改善加算を取得している施設は絶対条件です。

岸田内閣の賃上げ政策も、処遇改善加算取得が条件になっています。つまり、処遇改善加算を算定していない施設は、賃上げ政策の対象にならないのです。

介護施設がどのような加算を取得しているかは、介護情報公表システムで公表しています。転職候補の施設がどのような加算を取得しているかは、必ず確認してください。

介護福祉士が年収600万を目指せる転職先の探し方

ここでは、介護福祉士の求人を探す方法について解説します。

どれか一つの方法を選ぶのではなく、できるだけ多くの方法で転職先を探すのが転職を成功させるコツです。

以下の記事を読んでそれぞれの特徴を知り、転職活動に活かしてください

インターネットで探す

介護の求人は、インターネットの求人サイトを使って探せます。求人サイトは掲載している求人が多く、定期的に最新の情報に更新してくれます。

情報の閲覧はスマホでもできるので、隙間時間に転職活動できるのも嬉しいところです。

ただし、非常に多くの求人情報から自分に合った求人を探さないといけないため、手間がかかってしまいます。

求人情報誌を活用する

新聞の折り込みや駅・コンビニに置いてある情報誌で探すのも、転職活動の基本です。

折り込みや求人情報誌は地域に密着した情報が多いため、自分の生活圏で勤務したい方は、希望に合ったところが探せます。

しかし、掲載されている求人数は少なく競争率も高い傾向にあるため、転職活動の一つとして考えてください。

ハローワークに通う

ハローワーク(公共職業安定書)は求人数も多く担当者と相談しながら探せるため、転職が初めての方でも安心して転職活動ができます。

しかし、施設の情報が少ないため、施設の雰囲気などはわかりません。また、求人掲載が無料のため、小規模な施設も多い傾向です。小規模の施設では高収入をあまり期待できないため、ほかの求人を探す方法も考えた方がいいでしょう。

転職エージェントに登録する

自分で求人を探すよりも転職について詳しい人に任せたい方は、転職エージェントがおすすめです。

転職エージェントは、あなたの希望を聞いて条件に合った職場を探してくれます。転職エージェントによっては、求人している施設と給与や待遇などの交渉もしてくるでしょう。

さらに、条件の良い非公開求人を紹介してくれることもあります。

また、施設の雰囲気や経営主体の規模、キャリアアップが期待できる職場かどうかも教えてくれますよ。

年収600万を目指すなら副業も有効

「キャリアアップには時間がかかる。今すぐ年収を上げたい」と考えている方は、副業を始めてはいかがでしょうか。

最近では、Webライターや動画編集、Webデザインといったパソコンがあればできる副業が増えてきました。

また、副業の仕事探しも、企業と副業したい人をつないでくれるクラウドソーシングといったサービスも増えています。

副業している方の中には、本業の収入を超えている方も少なくありません。ただし、副業を禁止している施設もあるため、副業できるかは事前に確認しておきましょう。

【まとめ】介護福祉士でも年収600万円は可能!

介護福祉士は介護保険制度上の構造や、介護福祉士の仕事が世間に認知されていない事情もあって、給与が低くなっています。

そのため、介護の業界で高収入を目指すためには、管理職以上の役職へキャリアアップしなければなりません。

しかし、キャリアアップが望めない、キャリアアップしても高収入が期待できない場合もあるでしょう。今の環境では、高収入が期待できない場合は、転職を考えてください。

とはいえ、多くの求人から高収入が期待できる施設を、自力で見つけるのは簡単ではありません。そのため、高収入を目指して転職を考えるなら、転職エージェントに登録するのがおすすめです。

ユメシア転職JOBでは、多くの転職のお手伝いをしてきた転職のプロが、あなたの目指す高収入な施設への転職をサポートします。

まずは、登録・相談無料のユメシア転職JOBに相談してみましょう。

この記事の執筆者

石川 直也(いしかわ なおや)
介護に特化したWebライター

介護福祉の世界に足を踏み入れ19年。保有資格は介護福祉士・介護支援専門員・介護福祉士実習指導者講習会修了・介護プロフェッショナルキャリア段位制度(アセッサー講習)修了など。介護の現場職員から始まり介護支援専門員、課長職へと積み上げたキャリアを捨てて2023年よりフリーランスへ転身。
現在、Webライターとして活動中。