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COLUMN

お悩み解決コラム

介護施設での看取り介護で大切なこととは。介護職ができること。

2024/02/05

最終更新日:2024/02/05

「死ぬこと」とは生きている者全てに共通であり、そこには貧富や差別など存在しない尊いことです。
私達介護職は「その尊い行為」からたくさんのことを学び、これからの介護に生かさなければなりません。

介護施設における看取りケア

看取り介護

現在は終活についてどの家庭でも求められるようになっていることはご存じな方も増えてきているのではないかと思います。ACP(アドバンスケアプランニング/人生会議)なども同様です。

◻︎ターミナルケアとエンド・オブ・ライフケア
また、看取りはターミナルケアとも呼ばれています。ターミナルケアについて、近年では「エンド・オブ・ライフケア」と用いられることが増えています。看取りも深化(看取りについて深めていくこと)していきます。

☆ターミナルケア(尊厳ある最後を支える看取りケア)
          ↓
☆エンド・オブ・ライフケア(「自分らしく生きる」を支える全人的ケア)
※全人的とは「人を、身体・心理・社会的立場などあらゆる角度から判断すること」

死に至る過程を理解する

死に至る間にたどる悲嘆のプロセスは、以下のような流れだと言われています。

◎死ぬかもしれないを知る(ショック期)
          ↓
◎そんなことはない、もしかしたら助かるかもしれない(否認期)
          ↓
◎身体が死に向かうことでの痛みや出来ないことが増えてきて混乱する(混乱期)
          ↓
◎それでも死がいずれは来る。覚悟しなければならない(死を受け入れる努力期)
          ↓
◎死ぬことを納得する。残された時間を有効的に使う(受容期)

この過程を本人も家族も過ごさなければならないことをもう一度、理解しましょう。

介護施設における看取りケアのポイント

入居者様が最期を迎える際に、私たち介護職が行うケアにはいくつかのポイントがあります。ご本人やご家族が安心した状態で過ごせるようにしましょう

家族が看取りに対して納得されるようにする

納得とはどういうことなのか。まずはそこを考えてみましょう。例えば、貴方の大切な父や母が亡くなったら納得しますか?大切な人の死を受入れられますか。
この気持ちを考えた上でどのように納得(大切な人の死を受容できる)して
いただけるかを考えましょう。

環境面を重視した看取り体制

具体的にどのような環境面が看取りにふさわしいのでしょうか。働いている職員が全て同じ方向で考えて行動しなければなりません。
「どのような環境面を重視すればよいのか」については介護職だけで考えずに多職種で考えてみましょう。

悔いの残らないように家族の希望は極力叶えるようにする

悔いは必ず残るものです。私個人はそのように思いますし、私ならそのように説明いたします。
「悔いは少なからず残りますが、その中でも、ご本人やご家族様の思いをなるべく叶えた形で旅立つことが出来たと思います」こちらのほうが納得できると思います。なぜならば、私も母親を亡くした経験があります。やはり悔いは今でもあります。その中でも「亡くなった母親に(自分なりの精一杯を)してあげられたはず」と自分に言い聞かせて母親の死を受容する努力して克服し前に向かっています。少なくても私と同じ考えをする方が多いと考えます。

苦痛を取り除く(和らげる)

これはとても大切なことです。
死に至る過程に必要なのは、その方の苦痛をトータルペインとして理解しケアすること言われています。身体的な痛み(疼痛・呼吸苦・倦怠感など)だけではなく、精神的な痛み(不安、抑うつなど)、そして社会的痛み(経済的な問題、人間関係など)、最後にスピリチュアルペイン(死が迫って来ると,人生の意味への問いや生きている目的、そして過去の出来事に対する後悔や死後のことなど気になり時には苦痛を伴う)も含めた全人的な苦痛を理解しケアをする必要があります。

まとめ

最後に。ご入居者様が旅立った後には遺族の方が残されます。
看取りの過程に関係なく、深く悲しんだり、どうしてなんだろうと嘆くこともあるでしょう。そのような家族の気持ちに寄り添うことはグリーフケアといい、介護職にとってはとても大切なことです。看取り対応は経験することで学んでいきます。もし機会が訪れたときは自己研鑽のチャンスと捉えてチャレンジしましょう。

この記事の監修者

加藤英明
介護福祉士/主任介護支援専門員/介護福祉講師

社会福祉法人熊谷福祉の里にて、特別養護老人ホームクイーンズビラ桶川副施設長として従事する。介護講師や地域福祉団体『埼玉県央ケア協会』の共同代表として、県央地域を中心に地域福祉向上のため活動中