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介護士の退職の伝え方とは?円満退職のためのコツを例文を使って解説

2023/07/16

最終更新日:2023/07/16

「退職したいけど責められそう」

「気楽に辞める方法はないの?」

「辞める理由っている?」

介護士として、今の職場に不満を持っていませんか?退職を考えているなら伝え方が大切です。

この記事では、退職する際の注意点やポイントについて、現役の介護福祉士が分かりやすく解説しています。最後まで読めば、誰もが嫌な思いをせず、安心して退職できる方法が分かります。退職の伝え方は「自分の意思をしっかり持ち、ポジティブな表現にする」のがポイントです。

この記事で分かること

  • 意思を強くもちつつ上司や会社に配慮
  • 辞める理由は基本的に不要だがポジティブに
  • 退職代行・転職エージェントを適切に利用するのがおすすめ

円満退職のため上司に伝えるべきこと4選

角を立てずに退職するには「何を伝えるか」が大切です。退職時に伝えるべきことを解説します。

感謝の気持ち

退職を上司に伝える直前に「◯◯さんには本当にお世話になり感謝しています」とお礼の言葉を伝えましょう。いきなり「退職したいです」よりも印象が良く、納得してもらいやすくなります。

退職する強い意思と希望日

退職を心に決めているのなら、はっきりと言い切りましょう。中途半端な言い方だと「もうちょっと考えてから決めたら?」と先延ばしにされてしまいます。「辞める強い意思と、辞めたい日時」もあわせて伝えてください。就業規則に違反していなければ基本的に問題ないので勇気を持って伝えましょう。

現在抱えている仕事の状況

退職を伝えるときは、今たずさわっている仕事を伝えてください。辞めるに当たって、上司が気にかけるべきことを把握するためです。介護の場合「利用者の担当を外れる」「委員会やイベントから外れる」などが考えられます。代わりの人員配置をするためにも仕事の状況は明確に伝えましょう。

転職先は内定後に|もしくは伝えなくて良い

転職先から内定をもらっているなら、退職を伝えるときにあわせて伝えましょう。ただし、転職先を具体的に伝える必要はありません。例えば人間関係が原因で辞めるケースは「次の職場を知られたくない」と感じるものです。

仕事を辞める理由は「いらない」

辞める理由は原則不要なので「一身上の都合か自己都合」で良いです。法律上は辞める2週間前に伝えれば問題ありません。上司や会社が、辞めるのを拒否することはできないのです。しっかりと頭に入れておきましょう。

出典:厚生労働省 第5章 仕事を辞めるとき、辞めさせられるとき

法的な知識を持てば心に余裕ができる

労働基準法を学んでみることをおすすめします。知識があれば、心に余裕ができます。法治国家である以上、労働の決まりも法律に沿うのが当然です。不安なのは、退職に関する法律を知らないのが原因であって、ルールを知れば自信を持って辞められます。

【それでも】辞める理由を聞かれたときの答え方2つ

辞める理由を伝える必要はありませんが、会社や上司から理由をしつこく求められたときの返答を3つ紹介します。

ネガティブな理由でも前向きに言い換える

「本音と建前」を使いこなしてください。社会人である以上、人を不快にする発言をしてはいけません。

例えば「給料に不満があるので退職します」と伝えた場合、上司からの心象は悪くなり円満退社とならないことがあります。「給料は見直すからあらためてもらえない?」と引き止められる可能性もあるのでオススメしません。

引き止めにくい理由がオススメ

上司から引き止められたくなければ「理由を作る」ことをオススメします。例えば「親の介護」を理由にした場合などは、他人が口を出しにくいものです。他にも「夫の転勤についていく」なども引き止めにくい理由のひとつです。

ただし、退職理由に矛盾が生じるとウソがバレて気まずくなることもありえます。整合性がなくなることは言わないように注意しましょう。

適切なタイミングと時期に伝える

退職を伝えるのは「タイミング」が大切です。報告を受ける相手にとって適切なときに伝えるのが、円満退職のコツです。

退職の1カ月前に直属の上司へ

退職は直属の上司へ、遅くても1カ月前には伝えるようにしてください。引き継ぎ期間や関係者へのあいさつなどを考慮して、余裕を持つことが大切です。

企業ごとの就業規則で、いつまでに退職の意思表示をするか決まっているので、必ず事前にチェックしておきましょう。

業務終わりなど上司が忙しくないとき

退職を伝えるのは上司の手があいているときにするのがおすすめです。繁忙期や忙しいときに辞める話をされるとストレスに感じられてしまいスムーズに話が進まないかもしれません。上司の仕事終わりに、少し時間をとってもらうのがおすすめです。タイミングよく報告しましょう。

直属の上司へ退職を伝える

退職報告は、介護リーダーや介護主任にしましょう。原則、直属の上司に伝えるのがルールです。話しやすい別の上司がいたとしても、原則、直属の上司に退職報告するものだと理解してください。

事前にアポイントをとることもオススメです。前日や当日の朝などに「少しお時間いただいてもよろしいですか?」と相談しましょう。実際に伝えるときは、上司と2人きりで落ち着いて話せる場所を選んでください。

退職は大切なこと!可能な限り対面で

退職を伝えるときは直接会って口頭で伝えましょう。退職は本人にとっても周りにとっても、大きなことです。中には「伝わればいい」と割り切って、メールや電話で済ます人もいるかもしれませんが、社会人としてマナー違反です。

ただし、仕事のストレスなどで静養中の場合など、出勤するのが難しいときは仕方ありません。誠意を持って伝えることが、円満退職につながる秘訣です。

【理由別】角の立たない退職例文5つ

上司に退職を伝える際のオススメ例文を紹介します。

将来を見据えた前向きな退職の場合

「本当にお世話になりました。今後は、認知症ケアを突き詰めていきたいと感じています。自分の中でスキルアップするには今しかないと思い退職を決意いたしました」

キャリアやスキルアップのためという理由なら、周囲からもサポートされやすいです。今の職場に対する不満は言わず、前向きな理由を伝えましょう。

体調不良が理由の場合

「とても気遣ってくださり心から感謝しております。体調不良が続き、なかなか心身の回復が思うようにいきません。治療に専念したい気持ちがあるので退職を決意いたしました」

病気や体調不良などはナイーブな問題なので、深く追求されることはないと思います。可能であれば病院の診断書も添えて、強い退職の意思を示すことが大切になってきます。

家庭の事情で退職する場合

「実家の親の介護のために退職することにいたしました。ご迷惑をおかけしますが、家族で話し合った結果ですので、どうぞご理解の程よろしくお願いいたします」

結婚や親族の介護などは、人から受け入れられやすい理由となります。

職場に不満がある場合

「大変お世話になりました。昔から関心があった◯◯のジャンルを経験・挑戦したいと考えていますので退職を決意いたしました」

職場の上司や雰囲気が自分に合わなかった場合でも、建前を上手に使ってください。不平不満をストレートに伝えると口論になる可能性もありますし、残りの勤務がしづらくなることもあります。あくまでも前向きな理由を伝えておくのが無難です。

人間関係に不満がある場合

「◯◯なケアを大切にしている施設があります。強く関心があり、実はそちらで内定をもらいました。退職したいと思っているので、具体的な退職日を相談したいです」

人間関係が不満で退職することもあります。上司があなたの人間関係を知っているなら、隠す必要はありませんが、知らない場合にはあえて言う必要もないでしょう。将来を見据えた前向きな退職だとアピールして辞めましょう。

引きとめられた場合の対処法6つ

人材不足の施設なら引きとめられることがあります。断りつつ、なるべく円満に退職できる返答例を紹介します。

「あなたが必要」と情に訴えかけてくる場合

「大変うれしいお言葉ですが申し訳ありません。今の私は環境を変えて働きたい気持ちが強いので辞めさせていただきます」

少し待って欲しいと退職時期を引き延ばされる場合

「辞めることで迷惑をかけるのは申し訳なく思っております。ただし、規定では退職の1ヶ月前に申し出ることとなっておりますので、◯月◯日に退職いたします。ご理解いただければ幸いです」

社内規定に違反していると認めてくれない場合

「なるべく社内規定に沿って辞めるようにしたいと思います。引き継ぎはしっかりと行うので、◯月◯日の退職で調整していただけませんでしょうか?」

待遇を良くするから残ってくれと言われた場合

「評価してくださり心から感謝いたしますが、すでに心が決まっておりますので申し訳ございません」

辞めるなんて迷惑だと責められた場合

「迷惑をかけて申し訳ございませんが、働くこと、辞めることは個人の自由ですのでご理解ください」

給与や退職金を払わないと脅された場合

「払わないのは違法ですので退職後に請求させていただくことになります」

退職準備としてやるべきこと7選

退職するまでにやるべきことを解説します。

退職届を出す

退職届は直属の上司に伝えてから提出します。書式や書き方に関してはフォーマットが用意されている場合もあるので、上司や人事部に確認しましょう。

退職日の調整

人員の補充や調整に時間がかかることもあるので、上司に相談・提案してなるべく迷惑がかからないようにしてください。一方的に「◯月◯日で絶対にお願いします」というのは、自分のことしか考えていないことになるためよくありません。あなたと周りの人の都合を考えながら交渉しましょう。

同僚・利用者・家族への挨拶

退職日が確定したら、同僚にまずは伝えます。担当している利用者・家族にも辞めることを伝えましょう。密にコミュニケーションをとっていたのに急にいなくなると、利用者・家族は不信感を覚えます。

後任者への引き継ぎ

あなたが去ったあと、残された社員が困らないようにしましょう。次の人材が補充されて仕事に慣れるまでは、残された社員がカバーするからです。スケジュールに余裕を持って引き継ぎをしましょう。

有給消化

有給休暇は退職するまでに消化しないと効力を失います。◯月◯日付と決めたなら、退職日までに使用しないと損です。

会社は退職時の有給消化を拒否できません。退職日は労務などにも相談し、有給消化も含めて決めましょう。

雇用保険や税金・年金などの手続き

転職先が決まっていないなら、失業給付を申請する必要があります。また、税金や年金手続きもあるので、労務や人事などに問い合わせ、スムーズな手続きができるようにしましょう。

転職活動

次の仕事が決まっていなければ、引き継ぎとあわせて転職活動を少しずつ始めていきましょう。求人の特徴やこだわりなど、あなたの中で具体的なイメージが浮かんできます。履歴書・職務経歴書を送るなどしてみましょう。

退職を考えるときによくある悩み

退職したいと思ったとき、誰でも伝え方や進め方に悩んでしまうと思います。よくある悩みや解決方法をまとめます。

短期退職の場合は何と伝える?

実際に入社すると「書いてあること、聞いていたことと違いすぎる」ということもありえます。早めに辞める決断をしたとしても「会社が悪い」というスタンスはよくありません。円満退社するためには「私に確認不足な点があった」という言い方が無難でしょう。

急に退職しなければならない場合は?

例えば「高齢の父が急に倒れた」などの理由で、辞めざるを得ないことがあるかもしれません。話せる範囲で良いので、正直に直属の上司に理由を伝えて、退職の意思を示します。

法律上は2週間前の申請で退職できますが、緊急を要する場合は特例もあるので、誠意を持って会社に相談してください。

上司が忙しくて時間が取れない場合は?

介護職にとっての直属の上司は介護リーダーや主任となる場合が多いですが、施設によっては常に現場にいないこともあります。上司が研修や出張などでなかなか会えないときは、メールでよいので「相談があるのですが、お時間いただけませんか?」と連絡してください。

それでも上司が忙しさを理由に対応しないようなら、労務や人事などへの相談をオススメします。

退職届と退職願の違いとは?

退職届は退職する意思を明確にしたもので、退職願は「退職させていただけませんか?」と、会社にお伺いを立てるものとなります。

退職の意思が強いなら、退職届で問題ありません。

失業保険の申請方法は?

離職の日付からさかのぼり、2年間以内に被保険者期間が12ヶ月以上あれば失業保険を受けられます。ただし、就職の意思があることが条件です。

病気や怪我などの場合は、傷病手当を受給するか、失業保険の受給を先延ばしにする方法があるので利用しましょう。

出典:厚生労働省 雇用保険制度

健康保険の手続きは?

転職先が決まっている場合は、次の職場で健康保険の手続きをします。転職先が決まっていない、もしくは決まっているけれど入社日までの期間が長い場合は、以下のいずれかの手続きが必要です。

・任意継続被保険者制度の利用

・国民健康保険への加入

・家族の扶養に入る

健康保険の手続きをせずに医療機関にかかった場合、全額自己負担になるので注意しましょう。

転職面接における退職理由のポイント

次の職場を探す際には、採用担当者に良い印象を与えることが大切です。ほとんどの面接で退職した理由を聞かれるため、伝え方のポイントを押さえましょう。

面接官が退職理由を聞く2つの目的

面接官が退職理由を聞くのは以下の2つが目的です。

・同じ理由で辞めないか

・仕事に対するマインドを知りたい

「せっかく採用したのにすぐに辞めた」「採用したけどトラブルメーカーだった」ということを防ぎたいのです。退職理由はネガティブなことも多いですが、学んだことは何か、次はどう活かしたいか、何を実現したいか、どんな価値を提供できるのか、といった前向きな視点で面接を受けてください。

不満や愚痴を述べて、面接官からの印象を悪くするのはやめましょう。

【退職代行】上司や会社側が辞めさせてくれなければ検討

これまで、介護士が円満退社する方法について解説してきました。しかし、現実は辞める時期を会社が決めたり、辞めることを拒否されたりすることがあります。丁寧な対応をしているのに、相手にされないときは「退職代行」を利用することも検討するとよいでしょう。

民間業者から弁護士運営のものまであり、もろもろの手続きを代行し、スムーズな転職につなげてくれます。心身が追い込まれているならば、利用してみましょう。

失敗しないためには「転職エージェント」を利用する

「転職したいけど勇気が出ないし自分に合う施設がわからない…」という悩みはありませんか?実は、1人で転職を成功させるのは簡単ではありません。自分のことを本当に分かっているのは、ごく一部の人だけです。そんなときは「転職エージェント」の利用をオススメします。転職ノウハウを熟知したコンサルタントがアドバイスしてくれる上に、転職先の面接調整から同行まで対応しています。

「このまま働いていいのか」「もっと自分に合ったやりがいある職場があるのでは?」という悩みに最適です。転職支援サービスを、積極的に利用しましょう。

まとめ

本記事では「介護士が退職する際の伝え方」について解説しました。

円満退職するには、切り出し方に配慮しつつ意思表示することが重要です。しかし、いつ辞めるのか?をはっきり伝えなければ、きちんと受け止めてくれなかったり、説得されたりして退職が遅れます。自分の意思を強く持ち、きちんと伝えることが大事です。

また、転職先の面接では退職理由をポジティブ変換しましょう。良い印象をもたせれば内定をもらいやすくなります。退職・転職をスムーズに進めるには、退職代行や転職エージェントの利用をおすすめします。

この記事の執筆者

あべ
介護福祉士・レクリエーション介護士2級・認知症ケア指導管理士

介護付き有料老人ホームにて介護歴10年以上。保有資格は介護福祉士・レクリエーション介護士2級・認知症ケア指導管理士。介護リーダー歴も5年以上あり。高齢者施設に勤務しながらWebライター・ブロガーとして活動中。