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訪問介護を辞めた理由は?辞めたくなったときの選択肢や転職成功方法を解説

2023/07/16

最終更新日:2024/04/28

「訪問介護は思っていたより大変」、「自分に訪問介護は向いていないのかな?」「どうしたらヘルパーを続けられる?」など、訪問介護の理想と現実に戸惑っている介護士さんは多いでしょう。

訪問介護は、誰にでもできる仕事ではありません。本記事では「介護職が訪問介護を辞めた理由」について、現役の介護福祉士が解説します。最後まで読めば、訪問介護を「継続するか?転職するか?」判断できるようになります。1人で決められなければ「転職エージェント」がおすすめです。

この記事で分かること

  • 訪問介護を辞める理由は8つある
  • 辞めるタイミングを見極めること
  • 悩むなら転職エージェントを利用する

訪問介護を辞めた理由8選

訪問介護を辞めたくなる理由は大きく8つあります。あなたに当てはまる理由を見つけてください。

収入面が安定せず満足な給与が得られない

お金が原因で訪問介護を辞める人がいます。登録ヘルパーとして勤務する場合、あなたが希望する時間・曜日に、常に仕事があるとは限らないからです。利用者さんの、急な入院や急用などでキャンセルされることもあるので、収入が不安定になりがちです。掛け持ちしているけど、次の訪問先までの待機時間が長く、効率よく稼げないという人もいます。

給料が原因で訪問介護を辞める人は意外と多いのです。

訪問先への移動が大変

訪問先への移動の大変さを訴える人も多いです。事業所や訪問先により、移動手段が異なるからです。会社の車を使用できれば年中快適ですが、事業所によっては自家用車を使用したり、自転車を使用したりする場合もあります。夏・冬、雨・風など、季節や天候が厳しいときでも、依頼があれば訪問しなければなりません。

移動の大変さは明らかであり、訪問介護を辞める一因となっているのです。

訪問先の環境が悪い

訪問ヘルパーにとっての介護現場は、利用者の自宅です。介護が必要な方の自宅に行くので、ゴミが散乱していたり、臭いが充満していたりすることがあります。

「キレイにするのが仕事」と言えばそれまでですが、毎回汚れた自宅を掃除、洗濯、整理整頓することが苦痛になる人もいます。毎日訪問するわけではないので、自宅は施設よりも汚れやすい環境です。精神的なストレスがたまり、退職を考える人もいます。

利用者に1人で対応するプレッシャー

訪問介護は原則1人で対応することがほとんどですので、プレッシャーを感じる場面があります。例えば、利用者が急に嘔吐する、訪問したら転倒していて救急車対応が必要になるなどが挙げられます。瞬発力が必要な場面で、冷静に判断することが求められるのです。

経験の浅い人は、1人での対応に過度なプレッシャーを感じ、退職を考えることがあります。

利用者からの無理難題やクレーム

訪問介護は基本的に個人の対応能力が求められます。1人で訪問することがほとんどだからです。

しかし、ときには理不尽なクレームを受けたり、介護サービス内容でトラブルになったりすることもあります。感情的にならない人間力の高さが要求されるのです。そのため、チームケアの「施設介護」を希望する人もいます。

スキルアップ・キャリアアップを見据えて

自身の目標のために訪問介護を退職する人もいます。チームケアが身につかないからです。施設のように中心となるリーダーがいて、スタッフ全員で職場を作り上げていくという感覚は、訪問介護では味わえません。

「チームケアを経験したい」「管理者や役職者になりたい」などの願望が生まれ、訪問介護を辞める人もいます。

職場の人間関係に悩む

訪問介護も施設ほどではありませんが、人間関係を気にする瞬間があります。カルテを書くなどの理由で、事業所に戻る必要があるからです。事業所内に気の合わない同僚や管理者などがいると、ストレスが溜まるのは言うまでもありません。狭い空間で仕事をするなら尚さらです。

パワハラやセクハラ、心を許せる人がいないなど、職場の人間関係で転職を決意する人もいます。

利用者からのハラスメント

訪問介護では、利用者からハラスメントを受けることがあります。1人で訪問するので、ダイレクトな被害にあいやすいのです。「お尻や胸を触られた」「汚い言葉でののしられた」などの被害を受ける可能性があります。しかし、管理者や同僚に相談しても解決しないことが多く、我慢するか担当を外してもらうことが多いです。

しかし、担当を外れると、フォローする同僚に迷惑をかけることになります。気にするあまり退職する人もいるのです。

辞めたい理由を冷静に考える|事前に上司に相談する

訪問介護に不満があるとしても、感情に任せて辞めないようにしましょう。後悔する可能性があるからです。先ほど解説した理由が原因だとしても、受け止め方を変えたり、相手の気持ちになったりしてみることをオススメします。

それでも、もやもやが残るようなら上司に相談しましょう。あなたが解決できなくても、上司なら解決できる可能性があります。冷静であること、相談することはとても大切です。

訪問介護の離職率は12.7%で適正があれば続けられる

厚生労働省のデータによると、訪問介護の離職率は12.7%と出ています。全産業の平均が13.9%のため、特別に辞める人が多い職種とは言えず、適正がある人は続いていると言えます。

出典:令和3年度介護労働実態調査結果

【ポイント6選】訪問介護の辞め時!

訪問ヘルパーを辞めるかどうか悩まれている場合、どんなときに辞める決断をすべきか解説します。

モチベーションが低下している

仕事に対するモチベーションがなければ、辞め時と言えます。やる気がなければ、あなたと利用者にとって、デメリットしかありません。しかし、他の施設や事業所ならあなたに合う可能性はあります。転職を検討しましょう。

ストレスで心身に支障をきたしている

仕事内容が原因で心身に支障をきたしている場合も辞め時です。健康より優先すべきものはありません。特に心は1度病気にかかると復活しにくいので、無理をしないでください。限界が来る前に辞めるべきです。

夏や冬の閑散期

夏や冬は「辞める」決断をする人が多い時期です。気候を原因として利用者が体調を崩しやすく、入院などで訪問介護を利用しないことがあるからです。そのため、閑散期である夏や冬の退職は比較的周りのスタッフに迷惑をかけにくいと言えます。

転職先が決まったあと

できれば退職は、次の仕事を決めてからにしましょう。在職中の転職活動は、ごく当たり前のことなので、気にする必要はありません。転職先を決めてから退職を伝えると、心に余裕ができますし、事務処理的にもスムーズにことが運びやすいです。

ボーナスの1〜2ヶ月後

ボーナスのある事業所なら、受け取ってから退職するようにしましょう。過去の一定期間に働いていたことが、ボーナス支給の条件です。ボーナスをもらってすぐに辞めたとしても、まったく後ろめたさを感じる必要はありません。

生活費が3ヶ月分はある

次の勤務先が決まっていない場合は、生活費の3ヶ月分は確保してから退職することをおすすめします。次の就職まで収入がなくなり、また、失業保険が適用されるのは特別な理由がない限り手続きから3ヶ月後だからです。

お金はしっかり確保した上で、心の余裕をもって転職活動に注力しましょう。

訪問介護を続けるメリット9選

訪問介護を辞めるかどうかまだ悩んでいる場合、辞めずに続けることで得られるメリットも理解した上で決めるとよいでしょう。訪問介護ヘルパーの仕事は、他の業務形態や職種にはない良さがあることも事実です。

自由に働きやすい

訪問介護は正社員・アルバイト・パートに加え、登録ヘルパーとして就職できます。時給制ではありますが、好きな曜日と時間帯を指定できるので、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。空き時間に働くこともできるため、資格取得済みの主婦などから需要があります。

高齢でも働ける

訪問介護はある程度の高齢でも働ける資格です。身体介助だけではなく、調理、洗濯、掃除などの生活介助は日常生活の延長として働くことができるからです。

健康に問題なければ、コツをつかみ次第、長く働ける仕事と言えます。

人間関係が施設ほど辛くない

訪問介護は施設ほど人間関係が難しくありません。チームではなく、個人で利用者のケアにあたるからです。個人の対応力が求められますが、反面、対処法が分かれば働きやすい環境とも言えます。

大人数での職場の人間関係が苦手な人には、訪問介護はおすすめの働き方のひとつです。

移動時間に息抜きができる

訪問介護は次の訪問先に行くまでに、少し時間があきます。就業規則の範囲内ではありますが「ちょっとコンビニへ」ができるのは、訪問介護ならではです。会社から車を支給されるなら、車内で休憩できるメリットもあります。

深いコミュニケーションが取れる

利用者と1対1の、密な介護を提供できるのが訪問介護です。コミュニケーションをしっかり取り信頼関係を築ければ、楽しくやりがいある現場にできます。1人の利用者とじっくり関わりたいなら、訪問介護がおすすめです。

臨機応変な対応力が身につく

訪問介護をしていると、急なアクシデントに対応できる力が身につきます。現場にはあなたしかいないので、知識と技術を身につけざるを得ないのです。食事中にのどを詰まらせたり、訪問すると転倒していたりということもあり得ます。

介護士として高い意識が身につくのは、訪問介護を続けるメリットです

家事能力が上がる

訪問介護は介助だけではなく、洗濯・掃除・調理など家事能力が求められます。作業内容と時間が指定されているので、パパっと実行できることが大切なのです。

訪問予定先によって家事方法が違うので、色々なやり方が身につくのはメリットと言えます。

男性介護士は少ないので喜ばれる

平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、訪問介護事業所の男性割合は18.6%となっており、80%以上は女性介護士です。一方で、訪問介護は男性利用者が多いので、女性では対応しにくいケースもあります。価値ある存在として、訪問介護で働けるのです。

訪問介護を辞めるメリット3つ

訪問介護にしかないメリットもある一方で、デメリットももちろん存在します。訪問介護を辞めて転職することで得られるメリットをご紹介します。

施設ならさまざまな人がいるので馴染みやすい

訪問介護が合わない人は施設を検討しましょう。新人から先輩やベテランまでさまざまな職員がいるからです。例えば、ある人と気が合わなくても、なついてくる新人とは合うかもしれません。色々な人と関わることができるという面でも、施設介護を経験する価値はあります。

施設では訪問介護の経験がある人は喜ばれる

人手不足の施設は多く、介護経験のあるスタッフは喜ばれます。広い視野で仕事ができるからです。 施設は流れ作業になりがちですので、マンツーマンケアに習熟した訪問介護経験者は、貴重な存在なのです。

また、夜勤は施設ならではのため、新たな経験が積めます。お互いにメリットがあるのです。

紛失リスクを軽減できる

訪問介護では、利用者宅から物が無くなったときに疑われることがあります。1人で訪問するからです。施設であれば複数のスタッフがケアに当たり、また防犯カメラがついていることも多いので安心です。

訪問介護と紛失リスクは、背中合わせの関係にあります。

訪問介護からの転職を成功させる方法7つ

訪問介護を辞めると決意したら、転職活動を始めましょう。理想の職場に転職するためにはいくつかポイントがあります。転職活動をする前に気をつけることを紹介します。

辞めることになった理由を明確にしておく

まずは「辞めたい」と感じた理由を明確にしましょう。同じ理由で次の仕事も辞めたくなる可能性があるからです。

・人間関係

・お金

・将来性

・体力

など、次の職場で改善できるようにしなければ後悔します。辞める理由を明確にしましょう。

転職に迷うなら第三者に相談する

迷いがあるときに転職すると高い確率で転職に失敗してしまうためおすすめしません。1人で悩まずに、誰かに相談してみましょう。もしかしたら、辞めなくても解決できる方法があるかもしれません。

1人で悩むと間違った選択をしやすいので、第三者に相談しましょう。

訪問介護にこだわらない

転職を決意したら、訪問介護にこだわらないことです。身につけたスキルは他でも活かせます。

・有料老人ホーム

・グループホーム

・デイサービス

などの施設でもいいのです。

コミュニケーション能力を活かして、異業種に挑戦する選択肢もあります。求人情報は色々あるので、訪問介護にこだわらずに探してみましょう。

仕事に求める条件を洗い出し優先順位を決める

仕事をする上で自分なりのこだわりを決めて、優先順位をつけてください。転職する際の基準になるからです。基準が決まっていれば悩むことがないので、スムーズにことが進みます。まずは、あなたが大切にすることを明確にしましょう。

経済的な不安があるなら在職中に転職活動を行う

金銭的に余裕がないなら、できれば在職中に転職活動しましょう。 お金の心配をしながら仕事を探すと、転職先を間違える可能性があります。お金があれば心に余裕ができるので、じっくり考えて次の職場を見つけられます。

退職理由は建前で良い

退職を伝えるにあたって、本音を伝える必要はありません。関係を崩すかもしれないからです。同じ介護業界への転職なら、どこかで会う可能性もあります。

「色々な経験がしたいから」など、当たり障りのない理由を伝えておくのがおすすめです。

退職を切り出すタイミングを考える

退職を申し出るときは、タイミングよく切り出しましょう。できれば繁忙期を避けて、サ責(サービス提供責任者)と2人のときに、落ち着いて相談しましょう。

円満退社が理想ですが、心身の負担が大きければ早急に相談することが大切です。

訪問介護にまつわる体験談

実際に訪問介護でヘルパーとして働いたことがある人の、生の声を紹介します。

訪問介護を続けてよかった話

57歳・女性です。私は自宅で実の母の介護をしているので、訪問介護という働き方が合っています。訪問先は家から近くだけという条件にしています。そのため、訪問と訪問のあいだに1度自宅へ戻り、母の様子をチェックできるのです。いつもやっている介護をするだけですので、業務内容に抵抗もありません。私に最適なお仕事だと思って働いています。

訪問介護を辞めたよかった話

40歳・女性です。施設介護をしていましたが、訪問介護に関心があり転職しました。しかし結果としては、半年で施設介護へ戻りました。理由は個人宅への訪問が苦痛になってきたからです。汚れた部屋、その辺に捨てられたゴミ、利用者以外の洗濯物や洗い物をホームヘルパーにさせようとする家族までいます。また、情報共有したり、仕事を相談したりする機会も施設より少なくなったので、面白さを感じられなくなりました。家族とのやりとりや狭い部屋での介護なども神経を使いました。施設の方が向いていると感じた一因です。訪問介護は向き不向きがあると思います。

【転職エージェント】あなたに適した施設・事業所を見つける効果的な方法

「転職したいけど、1歩が踏み出せない…自分に本当に合う施設が分からない」という悩みをお持ちではありませんか?確かに一人で考えているだけでは、転職を成功させることは難しいと言えます。冷静に自己分析できるのは、ごく一部の人間です。

そんなときは「転職エージェント」をオススメします。業界の転職ノウハウに精通したコンサルタントが相談に乗ってくれて、面接日程調整から同行まで対応します。未経験でも完全無料で利用できるのが魅力です。転職先は「施設か?別の訪問介護か?」という悩みにも、じっくりと対応してくれます。

転職エージェントを利用すると必ず転職しなければいけないと考える人もいますが、実は、相談の結果転職しないという選択をしても良いのです。転職するかどうか悩んでいる時こそ「転職エージェント」を利用するタイミングです。

まとめ

本記事では「訪問介護を辞めた理由」について解説しました。

訪問介護は向き不向きがあり、1人で利用者と家族に関われる人が向いています。合わない場合は辞めるタイミングが重要です。

また、自身の適性を把握するのが苦手な人は多いです。冷静な自己分析が難しい人は、転職エージェントを利用して、失敗しないようにしましょう。

この記事の執筆者

あべ
介護福祉士・レクリエーション介護士2級・認知症ケア指導管理士

介護付き有料老人ホームにて介護歴10年以上。保有資格は介護福祉士・レクリエーション介護士2級・認知症ケア指導管理士。介護リーダー歴も5年以上あり。高齢者施設に勤務しながらWebライター・ブロガーとして活動中。