【最新】老健と特養の違いとは?法律上の違いから費用まで分かりやすく解説|転職比較もあり
2023/06/11
最終更新日:2023/08/15
【最新】老健と特養の違いとは?法律上の違いから費用まで分かりやすく解説|転職比較もあり
「そもそも老健・特養って何?」
「老健と特養のメリットとデメリットを知りたい」
「老健と特養…どちらで働くのが自分にあってる?」
施設の種類による働き方の違いと適正について知りたくないですか?施設ごとの違いを知らないと、転職しても後悔することがあるのです。
現役介護福祉士の立場から、今回は老健と特養の違い、転職する際のポイントについて解説しています。最後まで読めば、あなたが老健と特養のどちらで働く方が向いているか分かります。老健は在宅復帰を目指すところで、特養は終の棲家となり得る場所です。
【この記事でわかること】
・老健は在宅復帰を目指す、特養は日常生活をする
・老健は医療知識や連携が大切、特養は体力が必要
・老健は短期ケア、特養は長期ケア
・老健は回復過程に関われて、特養は身体介助や認知症ケアが身につく
老健はリハビリで在宅復帰を目指す施設
介護老人保健施設(老健)とは、介護保険制度が適用される公的施設で、在宅復帰を目指す人が生活します。医師・看護師が常駐しているため、常時、医療的なケアが必要でも安心してリハビリに取り組むことが可能です。自宅復帰を果たしたあとも、他のサービス機関と連携を取りながら継続したサポートを提供してくれます。
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特養は高齢者の終の棲家
特別養護老人ホーム(特養)は老健と同じく、介護保険制度が適用される公的施設で、自宅での生活が難しい「要介護3」以上、かつ65歳以上の高齢者が入居できます。
基本的に終身利用が可能で、終の棲家として利用することが多いです。
待機者が多く待機期間も長いことが問題となっていましたが、2015年の介護保険制度改革以降は、入居条件が厳しくなりました。
しかし、待機者は減少したものの待機期間は課題が残っており、1〜2ヶ月、長い場合は数年間まつことがあります。
老健と特養の特徴を表で解説
一覧にすることで理解しやすくなります。
介護老人保健施設(老健) | 介護老人福祉施設(特養) | |
---|---|---|
役割 | 在宅復帰を目指す施設 | 長期間にわたり生活をする施設 |
要介護度 | 要介護1以上 | 65歳以上かつ要介護3以上 |
入居期間 | 3ヶ月ごとに入居継続を検討 | 終身利用可能 |
サービス | 医療ケア、リハビリ、身体介助、生活支援 | 身体介助、生活支援、リハビリ、レク、買い物代行など |
リハビリ職員 | 100対1以上 | 機能訓練指導員1人以上 |
居室タイプ | 従来型個室、多床室、ユニット個室、ユニット型個室的多床室 | |
医師 | 常勤1人以上 | 入居者に対して健康管理や療養上の指導を行うために必要な数 |
診察室 | あり | なし |
介護・看護職員 | 入居者3人あたり1人以上の介護職員 介護・看護職員の総数の2/7程度は看護師であること |
入所者の数が3又はその端数を増すごとに1以上 |
入居待機者 | 多い | 非常に多い |
出典: 厚生労働省 介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム)
老健は5タイプに分類される
以前は、在宅復帰率・ベッド回転率を根拠に「在宅強化型」「加算型」「従来型」と区分されていました。
2018年の介護報酬改定により、在宅復帰に影響力の高いリハビリ提供機能も評価に加えられました。
10項目にわたる「在宅復帰・在宅療養支援等指示」の合計点数により
・超強化型
・在宅強化型
・加算型
・基本型
・その他型
の5つに分類されることになったのです。
最も認定基準が厳しいのは超強化型で、質の高い在宅復帰ケアを受けられます。
待機期間の違い
終身利用と在宅復帰という目的の違いにより、待機期間も変わります。
それぞれ解説します。
老健の待機期間は3ヶ月〜半年
老健は在宅復帰を目的としており、利用期間が短いため、申込みから3ヶ月〜半年で入居できることが多くなっています。
中でも在宅強化型老健は待機が短いと言われています。
しかし、それでもある程度の日数がかかることを考慮して、計画的に手続きをすることが大切です。
なかなか空きが出ないときは、一時金不要の有料老人ホームを利用するのもオススメです。
特養の待機期間は数年の場合も
厚労省のデータによると、要介護3~5の申込者数は約23万3千人となっており、特例入所の対象である要介護1~2は約2万人いるため、合計で約25万3千人もの人が待機していることが分かります。
2015年の介護保険制度改正により、特養の入居対象者は要介護3以上となり待機者は減っていますが、地域差があるのが現実です。
出典:厚生労働省 老健局「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度調査」
入居期間の違い
老健と特養は利用目的が異なるため入居期間が違います。
それぞれ見ていきましょう。
老健の入居期間は半年~1年3ヵ月程度
老健は在宅復帰を目指すための施設であるため、入居してから3ヶ月ごとに自宅生活の可否が検討されます。
介護保険制度が明確な入居期間を指定しているわけではないですが、入居時に個別に退居基準を共有し、目標に到達したら退居となります。
老健の平均入居期間は311日、特養は1405日から分かるように、元気になったら退居する施設です。
特養には入居期間がない
特養は基本的に終身利用が可能で、看取りまで対応しているところが多いです。
ただし退居の必要がないぶん入居申込者が多く、空きを待つ人が多いのが問題となっています。
特養にすぐの入居が困難で、在宅生活も難しい場合は、空きが出るまで民間有料老人ホームを利用する人もいます。
入居条件の違い
今度は入居条件の違いです。
老健は要介護1以上が対象
老健の入居条件は、要介護1以上かつ65歳以上の方です。
ただし、特定疾病(16種類)を患っていれば40歳~64歳でも利用できます。
在宅復帰を目的とした施設のため、リハビリして機能回復したい意欲があることも前提です。
ただし、利用者の容態が重く、在宅復帰の可能性が低いと判断される場合は、面談において施設側から断られる可能性もあることを知っておきましょう。
特養は要介護度3以上が対象
特養は原則、65歳以上かつ要介護3以上でなければ利用できません。
ただし、特定疾病(16種類)を患っていれば40歳~64歳でも利用できます。
施設にどれくらいの待機者がいるかは、直接問い合わせたり、自治体のホームページで確認したりできます。
認知症を患っている人は、暴力などが認められたら入居を断られる場合があるため、施設へ事前に相談することが大切です。
要介護1・3とはどの程度?
要介護認定は要支援1〜2と要介護1〜5の7段階に分かれており、数字が大きくなるほど介護度が高くなります。
上図のとおり、要介護1は「片足での立位・日常の意思決定・買い物」が自分でできるか、要介護3は「寝返り、排尿、排便、口腔清潔、衣服の着脱」が自分でできるかがポイントになってきます。
サービスの違い
特養は身体介助・健康管理・機能訓練を中心に、中度~重度の方の日常生活を支えます。
老健は自宅復帰を目指して、医療管理のもとでリハビリを中心としたサービスを提供します。
医療ケア・医療費
老健はリハビリ設備と医療ケアが充実
施設内には1人以上の医師が在籍しており、実用的なリハビリだけではなく、必要に応じて医師・看護師から医療サービスを受けることもできます。
老健では日常の医療行為については施設サービス費に最初から組み込まれているため、入居中に該当する医療行為を行っても、別途医療費がかかりません。
ただし、医療・看護・介護と手厚くサービスを受けられるため、特養よりも支払額は大きくなりがちです。
特養は生活支援と介護サービスがメイン
法律により業務内容が決められているため、全国どこの特養でも受けられるサービスに変わりはありません。
医療が必要な場合は、医療保険を利用することで受けられますが、月額利用料とは別に請求されます。
リハビリ
老健は週2回リハビリを受けることができる
老健は、自宅に戻ってから必要な筋力や動きを身につけるため、週に2回以上のリハビリを受けられます。
1回あたりのリハビリ時間は20分~30分と短いですが、移乗訓練や歩行訓練など、実用的なものに取り組めます。
特養のリハビリは施設によってさまざま
特養では、機能訓練指導や看護師などが個別、もしくは集団で日常生活におけるリハビリを提供します。
絵・手芸・体操などを行い、日常生活の質を維持・向上させているのです。
施設によってリハビリの内容は違い、特色が出やすくなります。
「特養はリハビリしてくれない」は機能訓練指導員の配置基準が原因
特養でもリハビリは行われていますが「特養はリハビリをしてくれない」という声もあるのが現実です。
原因は「機能訓練指導員の配置基準」と言われています。
機能訓練指導員とは、利用者に機能訓練の方法を指導・訓練するのが仕事で、以下のいずれかの資格を保持していることが要件です。
・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
・看護職員(看護師、准看護師)
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師
・針灸師(6か月以上の実務経験を有する者)
100人の利用者に対して1人の機能訓練指導員を配置していれば「個別機能訓練加算」を施設側が請求できます。
しかし、100人の利用者を1人の指導員で担当するのは実際は難しく、また指導員は他の業務も兼務していることが多いため、リハビリまで手が回らないという現実があります。
指導員配置基準が実際の現場と合っていないことが「特養はリハビリをしてくれない」と言われる一因です。
食事サービス
老健には栄養士が常勤している
栄養士が常勤で在籍しており、日々の献立を考案するため、バランスの良い食事がとれます。
持病による食事制限や嚥下機能の低下などにも対応しているため、利用者のリハビリに配慮した食事が提供可能です。
特養の食事は厳しく管理されている
特養での食事は家庭の食事同等と義務付けられているため、調理・保温方法まで厳しく決められています。
きざみ食やミキサー食などにも対応しており、利用者の容体や体調に合わせてくれます。
入浴サービス
老健の入浴はリハビリの1つ
入浴もリハビリととらえて行っています。
在宅復帰すると、一人で入浴しなければならない人もいるからです。
在宅復帰後にヘルパーを利用するとしても、自分でできる部分を把握する目的でリハビリしています。
特養の入浴は週に2回
特養では、入居者に対して週2回の入浴が規定されていて、心身状態や介護度に適した介助を行ってくれます。
重度の要介護者が多く入居しているため、機械浴などを使用することで安全性と満足度が高いサービスを受けられるのが特徴です。
体験入居を実施している施設であれば、どのような入浴介助が受けられるか入居前に確認できます。
掃除・洗濯サービス
老健は洗濯サービスがないこともある
老健の掃除代に関しては利用料に含まれていることが多いですが、洗濯は施設で提供しないことがほとんどです。
家族が持ち帰るか、洗濯代行業者を利用することになります。
施設によっては、週2回程度の洗濯代をまとめて請求する場合もあります。
特養の洗濯は施設側が行ってくれる
特養での掃除と洗濯は、職員か外部業者が行うことと規定されています。
水洗いできないものはクリーニングを利用することになりますが、別料金です。
毛布や厚手の布団などは水洗いできないことが多いため注意が必要です。
排泄サービス
老健は排泄に関してのリハビリもある
排泄も在宅復帰には大切なポイントになるため、積極的にリハビリします。
もちろん、スタッフが常駐しているため、夜間でも安心です。
特養は介助を受けながら行う
特養は基本的に何かしらの排泄介助が必要な利用者が生活しています。
トイレ誘導から終日オムツ対応の方までスタッフが手伝ってくれるため安心です。
レクリエーションはどちらも行われている
老健も特養も、施設内でさまざまなレクが行われています。
レクリエーションには、リハビリや生活の質を上げる効果があるからです。
具体的なレクは下記のとおりです。
・ゲーム
・手芸
・音楽
・絵画
・スポーツ
・料理
・読書
・茶道
・ダンス
・パソコン教室
ちなみに、老健・特養利用者は外部のデイサービスを利用できません。
職員の人員配置の違い
老健
・医師:入居者100人に対して1人以上
・介護職員または看護職員:入居者3人に対して1人以上
・薬剤師:適当数
・理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士:入居者100人に対して1人以上
・介護支援専門員(ケアマネジャー):1人以上
・支援相談員:入居者100人に対して1人以上
・栄養士または管理栄養士:定員100人以上で1人以上
特養
・施設長:1人以上
・介護職員または看護職員:入居者3人に対して1人以上
・医師:必要数
・機能訓練指導員:1人以上
・介護支援専門員(ケアマネジャー):1人以上
・生活相談員:入居者100人に対して1人以上
・栄養士または管理栄養士:1人以上
主流のユニット型老健・特養の場合、さらに下記の基準を満たす必要があります。
・日中は1ユニットごとに常時1人以上の介護職員又は看護職員を配置
・夜間は2ユニットごとに1人以上の介護職員又は看護職員を配置
・常勤のリーダーをユニットごとに配置
設備・居室の違い
どちらも生活に必要なトイレ、浴室、食堂を始め、診療やリハビリのためのスペースも用意されています。
設備の違いはほとんどなく、施設の方針によって変わってきます。
強いて言えば、老健はリハビリを主な目的としているため、特養よりもリハビリ施設が充実していることです。
居室には4つのタイプがあるため、それぞれ解説します。
・従来型個室
・多床室
・ユニット型個室
・ユニット型個室的多床室
従来型個室
従来型個室は1人で1つの部屋を利用する居室形態を言います。
少し前までは「個室」と呼ばれていましたが、最近ではユニット型個室が主流となっているため「従来型個室」と呼ばれています。
個室は多床室よりも費用は高くなりますが、プライベート空間を確保できます。
築年数の長い施設は従来型個室が多いです。
多床室
多床室はいわゆる相部屋スタイルの居室で、1つの部屋に4つのベッドが置かれていることが多いです。
ベッドの間には仕切りがあるため、ある程度はプライベート空間を確保できますが、個室ほどではありません。
最近では、ユニット型個室へ改修する施設が増えています。
ユニット型個室
現在、全国の介護施設で主流となっているのが、ユニット型個室です。
共有スペースを取り囲むように数部屋〜10部屋程度が配置されています。
共有スペースにはキッチン・ダイニング・ソファ・浴室・トイレなどが設置されており、プライバシーを確保しながら共同生活を送れるのが特徴です。
ユニット型個室的多床室
ユニット型個室的多床室は、多床室を分割して個室形式にしたものです。
パーテーションなどで仕切ってありますが、目隠し程度だと思っておけば良いです。
どの程度プライバシーが守られるかは、部屋の広さや仕切りの具合によるため、実際に施設見学することをオススメします。
費用の違い
毎月の費用がどれくらいかかるのか解説します。
ちなみに、老健・特養ともに公的施設であるため、入居一時金は不要です。
月額費用の内訳は6種類
毎月必要な費用の内訳は、老健と特養で基本的に変わりません。
具体的な内訳は以下のとおりです。
・医療費
・施設介護サービス費
・居住費
・食費
・介護サービス加算
・日常生活費
食費と居住費は老健、特養どちらとも施設によって異なります。
入居前に施設に確認して、費用を把握しておきましょう。
また、施設サービス費は同一地域に立地する施設であればすべて同額です。
月額利用料は10万前後~15万前後
老健と特養の月額利用料の目安は以下のとおりです。
・老健:8.8~15.1万円
・特養:10~14.4万円
どちらも介護保険施設に当たり、国や自治体から補助が出るため、民間よりも安く入居できます。
老健の方が高い傾向
老健はリハビリに力を入れているため、設備や人員配置が充実しています。
介護内容によっては、施設サービス費とみなされる項目もあるため、老健の方が費用がかかることが多いです。
老健では日常的な医療ケアは基本的に施設サービス費に加算されるため、決められた範囲であれば費用はかかりません。
医療内容とは、血液や尿の検査、消毒、投薬、注射などです。
特養は10~14.4万円が目安
常に医療的なケアを必要とする場合は、老健と違い医療保険を利用してサービスを受けることになるため、月額利用料とは他に本人が負担します。
持病がある場合は、医療費も含めた毎月の費用を計算しておくことが大切です。
仕事内容の違い
ここからは介護職目線での、老健と特養の違いを解説します。
下記は、老健と特養の仕事内容の違いを一覧にしたものです。
老健 | 特養 | |
介護・生活介助 | そのときの状態に応じて介助を行うが常に目標とする状態を意識しながらの介護 | 介護度が高い重度の人が多いため身体介助が圧倒的に多い |
心身機能の維持・回復 | リハビリをメインとしているがレクリエーションも適宜行っている | 楽しみやコミュニケーションの機会を増やすためゲームやレクを積極的に実施 |
医療との連携 | 医療・リハビリ職との連携が重要で医療関連の知識も必要になる | 医師は常駐していないことが多いため看護師との連携が大切 |
看取りケア | 在宅復帰を目的としておりほぼ実施されない | 終の棲家となることが多く頻繁に看取りを行う |
「在宅復帰のための老健と、終の棲家である特養」の違いです。
どちらも身体介護・生活支援を行いますが、特養の方が介助量は多くなります。
給料は若干特養が高い
常勤 | 非常勤 | |
老健(介護老人保健施設) | 338,390円 | 289,050円 |
特養(介護老人福祉施設) | 345,590円 | 202,950円 |
老健と特養を比較すると、特養の方が高くなっています。
理由は重度の利用者が特養に多いため、身体介助が多く介護職の負担が大きいからです。
働きやすさの違い
老健は基本的にリハビリしながらの生活となります。
特養と比較して介護度の低い人が多いため、身体介助が少なく働きやすく感じる人もいます。
医師・看護師・リハビリ職などが在籍しているため、利用者の体調不良やトラブルにすぐに対応できます。
特養はリハビリではなく、終の棲家として生活するのが目的です。
食事・入浴・排泄などを日々行いますが、利用者の数が多いと身体への負担は大きく、特に腰を痛める人もいます。
体力に自信が求められます。
老健で働くメリット・デメリット
老健で働くメリットとデメリットを知り、自分に合っているか見極めてください。
メリット
老健では医療やリハビリの様子を間近で見れるため、介護の知見を広げられます。
利用者の元気になる様子を見ることが、モチベーションにつながるのです。
老健の看護師は介護職員総数の7分の2程度となっており、他の施設よりも多く配置されています。
特養と比較して介護度が低い人が多いため、身体的な負担が少ないのも特徴です。
デメリット
長期的なケアができないことがデメリットとして挙げられます。
利用者の入れ替わりが激しいため、信頼関係を築きにくいのです。
長く同じ利用者と関わりたいという人は、向いていないと言えます。
また、医師や看護師との連携が他の施設よりも求められるため、慣れるまでに時間がかかる可能性があります。
特養で働くメリット・デメリット
特養のメリットとデメリットを知り、転職にお役立てください。
メリット
特養は介護保険制度を使用した公的施設となるため、安定感があります。
原則、要介護3以上の人が生活しているため、重度の方を対象としたケアを身につけるのに最適です。
終の棲家として利用されるため、長期に渡り、利用者・家族と信頼関係を築くのに向いています。
デメリット
特養は看取りケアも行うことが多いです。
長く関わってきた利用者が亡くなることで精神的に病んでしまう人もいます。
また、利用者の人数が多い場合、時間に追われることが多く、身体介助が淡々とした作業のようになる可能性もあります。
転職前に職場の様子を見学するのがおすすめです。
老健で働くのがオススメの人
以下の要素がある人は老健をオススメします。
・在宅復帰のサポートがしたい
・コミュニケーション能力が優れている
・医療・リハビリに関心がある
・チームケアに関心がある
在宅復帰を目的とした老健では、身体状態が改善していく人と多く接することができます。
高齢者を対象とした介護で、元気になっていく姿をみられるのは老健の特徴です。
老健では、医療職との連携が必須となるため、円滑なコミュニケーションが取れることが大きなアドバンテージになります。
また、介護職ながら医療・リハビリ分野に興味がある人なら、老健で働くことは良い経験となるはずです。
多職種が協力してチームケアを行う介護に関心がある人は、老健をオススメします。
特養で働くのがオススメの人
以下の要素がある人は特養をオススメします。
・体力に自信がある
・認知症ケアのスキルも身につけたい
・長期で関われるケアがしたい
長期入居が前提の特養では、利用者とその家族との良好な関係性の構築がポイントになります。
介護度が高い人は認知症も患っていることが多いため、身体介助と認知症ケアの技術を身につけることができます。
特養は他の施設よりも規模の大きいものが多く、職員も多いため、気の合う同僚が見つかる可能性が高いです。
役職につくなどキャリアアップのチャンスも多いと言えます。
まとめ
本記事では、老健と特養の違いについて解説しました。
老健はリハビリして在宅復帰、特養は終の棲家として長期入居を前提とした施設です。
リハビリがメイン、身体介助がメイン、という違いはありますが、介護職の業務内容としては大きく変わりません。
ただし特養の方が、介護度の高い利用者が多いため、体力のいる職場だと言えます。
老健では元気になる利用者と関わることができ、医療的な知識や医療職との連携が必須です。
特養は、利用者や家族と長期で関係性を構築するため、良好な関係を築けたらやりがいを感じられます。
特養では身体介助や認知症ケアの技術も身につきます。
どちらも魅力的な施設ですが、興味関心やキャリアアップと照らしながら後悔のない選択をしてください。