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お悩み解決コラム

介護職の面接でよく聞かれる質問19選!回答例と転職成功のためのポイントを徹底解説

2023/06/02

最終更新日:2023/06/11

「介護職の面接が不安…」

「介護職の転職って何を聞かれるの?」

「希望の施設に絶対受かりたい!」

介護職への転職を成功させたいと思いませんか?

人材不足がささやかれている介護業界ですが、誰でも採用されて就職できるわけではありません。

この記事では、面接担当の経験もある介護福祉士の立場から、介護職の面接における質問と回答、面接を突破するためのポイントについて徹底解説しています。

最後まで読むと、これから介護面接を受ける人でも、自信と根拠をもって臨むことができ、採用担当者に好印象を与えられます。

大切なのは、準備とマインドです。

この記事の監修者

森梨絵
キャリアコンサルタント

介護職の方を専門に転職支援、お仕事探しのサポートを経験。国家資格であるキャリアコンサルタントの資格を所持している。

この記事で分かること

  • 資格を取得することで業務の幅が広がり収入や転職にも有利にはたらく
  • 介護未経験なら「介護職員初任者研修」から取得する
  • 介護福祉士になるには3つのルートがあり働きながら取得することも可能
  • 他の介護資格と併せて取得すれば専門性が高くなりスキルアップにつながる

面接の基本マナー

介護職が面接に向けて対策を準備する際は、まず基本的面接マナーを身につけることから始めましょう。

質疑応答に対してどれだけ優れた回答ができたとしても、マナーが悪ければ採用担当者の印象は悪くなります。

採用担当者に「この人はぜひうちに来てもらいたい」と思われるように、マナーをしっかりと守って下さい。

面接における基本マナーは以下の通りです。

・面接当日は時間に余裕を持って早めに会場に到着

・身だしなみに気を配り、清潔感のある服装を心がける

・挨拶や礼儀正しい態度で採用担当者に接する

・アイコンタクトを適度にとる

・声のトーンやスピードを意識する

・言葉遣いに気を配る

・質問には丁寧に答え、明確に意思を伝える

・感謝を伝えきちんと挨拶して退室する

大前提として、面接に遅刻は厳禁です。

例えば面接に遅れてきたり、ギリギリで到着したりしたのに謝罪の言葉がなければ、その時点で不採用は確定となります。

原則、遅刻はしないというのが最低限のマナーではありますが、万が一電車の遅延や急な体調不良などの場合は、すぐに応募先へ電話をしてください。

遅刻は良くないですが、正直に話すことで面接日を別日に調整してくれる可能性があるかもしれません。

また、面接当日は総合的な視点から採用の可否を判断されます。

・身だしなみ

・表情

・仕草

・話し方

などです。

特に介護の仕事は利用者様や家族と触れ合う機会が多いため「清潔感やコミュニケーション力」は重要です。

「現場に出ても周りと協力して働けそうだ」という印象を与えられるよう、基本的なマナーをしっかりと身につけて改善してください。

自己紹介と経歴に関する質問

自己紹介や経歴に関する質問は、面接の最初によく聞かれます。
頻繁に聞かれる質問に対して回答例を挙げて紹介します。

自己紹介をお願いします

自己紹介は、簡単に自分のプロフィールを採用担当者に伝えるためのものです。

採用担当者に自分自身を認知してもらうために名前、職歴、保有資格、スキルなどを分かりやすく説明します。

ただ、伝えたいことがあるのは良いことですが、長々と話してしまうと聞いている方も辛くなってくるため、自己紹介は30秒から1分程度にまとめることがポイントです。

応募書類や履歴書を補足するイメージで話してください。

良い回答例

「初めまして。【◯◯ ◯◯】(名前)と申します。未経験者として始めて、介護福祉士実務者研修を取得しました。3年間、グループホームに勤めて要支援から要介護の方まで幅広く介護業務全般を担当しておりました。認知症を患っている方の対応をすることが多かったため、認知症ケアに強く関心があります。趣味はドライブとショッピングで、最近では認知症の資格取得を目指して勉強するのが日課となっています。本日はお忙しい中、面接の機会を作っていただき誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします」

自己紹介は、性格や経験、スキルが簡潔に伝われば問題ないため、重要な点のみに絞って話してください。

応募先によっては「自己紹介を3分でどうぞ」など、時間指定をされるパターンもあるため、付け加える内容や話す順番などをあらかじめ考えておくのがおすすめです。

悪い回答例

「初めまして。【◯◯ ◯◯】と申します。前職は事務職をしておりました。趣味は、映画鑑賞とドラム演奏です。習い事としても、音楽教室に月に2度通っております。学生時代はカフェでアルバイトをしたり、バンドサークルにハマったりと、さまざまな経験をしてきました。好奇心旺盛で何でも挑戦するタイプです。本日はどうぞよろしくお願いいたします」

自己紹介の意図を理解していない例文です。趣味やこれまでの経験をいくつか伝えていますが、肝心の介護職との関連性が薄く印象に残らないものばかりです。

自己紹介といっても自分をアピールできる大切な時間なのは間違いありません。

自己PRのごとく強烈にアピールしなくてもいいのですが、経験やスキルが介護職にどう活かせるのか?という視点をさりげなく盛り込むことです。

これまでの経歴・職歴を教えてください

介護職の面接を受けると経歴・職歴についても頻繁に質問されます。

経歴・職歴の意図は、応募者の経験が入社後にどのように活かせるかを確認するためです。

介護職の場合、介護経験者だとしても施設形態や運営方針の違いにより、活かせる能力に差があることがあります。

応募先がどのような人材を欲しがっているのか、ネットなどで事前に調べておくことが大切です。

応募先に合わせて、自分の経験やスキルを効果的にアピールしてください。

良い回答例

「2年間、訪問介護のスタッフとして利用者様の生活援助や身体介護を経験してきました。

未経験・無資格からのスタートだったため、始めは食事を用意したり、お部屋の掃除をしたりと生活援助をメインにやっておりました。昨年、介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修の資格を取得してからは、先輩を参考にしながら身体介護にも携わっております。介護度Ⅲ以上の方が多く、慣れずにとまどうこともありましたが、介助の難しさと重要性を肌で感じられたので、大変良い経験になったと思っています」

これまでの経歴・職歴を聞かれたときは、働いた期間や介護度の高さなどを伝え、相手に内容が理解しやすいように心がけてください。

働きながら資格取得、研修参加などした場合は、スキルアップしていることをアピールするのもおすすめです。

悪い回答例

「訪問介護のスタッフとして高齢利用者様のお宅へ伺っていました。生活援助から始めましたが、身体介護も経験があります」

簡潔にし過ぎて応募者が働いている姿が全くイメージできません。

働いてみて感じたことや学んだこと、やりがいなどを採用担当者に伝えるようにしてください。

前職の退職理由を教えてください

同業種・異業種問わず、転職活動中の場合は、前の仕事を退職した理由を採用担当者から問われることが多いです。

質問の意図は、

・前職でのトラブルの有無を知るため

・同じ理由ですぐに辞めないか?

・答えにくい想定外の質問にどう答えるか

です。

「人間関係に嫌気がさした」「収入に不満があった」などといった、ネガティブ要素が主な理由だと「退職理由は応募者の性格の問題かも…」と判断されることもあるのです。

良い回答例

「前の職場はデイサービスで、認知症の方のケアに関わってきました。デイサービスにくることで生きがいができたり、お友達ができたりして笑顔が増える利用者様は多いと感じています。働いていく内に、もっと認知症に対して専門的なスキルを磨いていきたいと感じるようになり、転職を決意しました」

退職の理由に関しては、スキルアップのためや前向きな思いによるものだという印象を採用担当者に与えることが大切です。

実際は職場に不満があったのが理由だとしても、なるべく前向きな内容で表現してください。

ただし、事業者の撤退や会社都合などの場合は、マイナス評価を受けることはないため、そのまま理由を伝えて問題ありません。

悪い回答例

「前の職場では上司がまったく責任を取ろうとしなかったため苦労しました。また、給料は安く、昇給も毎年あると言っていたのに一度もなかったため辛かったです。同僚も自分のやり方とは合わない人ばかりでした。こちらでは、人柄の良い素直な人と仕事がしたいです」

上司や同僚の人間関係が原因で退職に至ったことを実直に話してしまうと、入職後もすぐに辞めてしまうのでは?といった雰囲気を採用担当者は感じ取ります。

また、悪い印象を与えてしまうため、原則として人や会社の悪口を言ってはいけません。

志望動機と選択理由に関する質問

介護職に限らず面接では「志望動機」と「選択理由」は必ずと言っていいほど聞かれます。

重要なポイントとなるため、しっかりと答えられるようにしてください。

当施設に応募した理由を教えてください

良い回答例

「私は、5年間、特別養護老人ホームで介護士をしてまいりました。資格を取得して介護技術も磨いてきましたが、介護度が高い利用者様が多いため、腰痛に悩まされることが度々ありました。そのようなときに、福祉用具を使用した介護を推奨している御施設を知ったのです。御施設なら私のこれまでの経験を活かした介護を提供しながら、長く働くことができると思い、応募させていただきました」

志望動機は応募した施設が取り組んでいることや特徴に絡めたものにするのがおすすめです。

さらに、自分のこれまでの経験やスキル、資格の活かし方などを、将来のビジョンと共にアピールすれば採用担当者に好印象を与えることができます。

悪い回答例

「御施設は私の自宅から近く、通勤時間に困らないと感じたからです。待遇面においても、前の職場に比べて介護スタッフを大切にしていると思い応募させていただきました。介護経験は長いので、採用していただけたら一生懸命働きますのでよろしくお願いいたします。」

給与や待遇面などを志望動機としてはいけません。

志望動機は採用担当者が「なぜ我々の介護施設じゃないといけないのか?」「どんな活躍をしてくれるのか?」を知りたいのです。

本当は仕事をしっかりする人であっても、勤務条件ばかりを前面に出していると「他の施設でもいいのでは?」と感じてしまいます。

介護職を選んだ理由を教えてください

介護士を志す理由は必ず聞かれると思ってください。

介護は少なからず奉仕の心がないと成立しないものだからです。

利用者様目線に立って、理由を述べるようにしてください。

良い回答例

「すでに亡くなっておりますが、私の祖父が介護施設に入所していたからです。祖父はシャイな性格で入所しても一人で部屋に閉じこもっていることが多かったです。しかし、そんなときに介護職員の方があいだを取り持ってくださり、レクリエーションなどに参加するようになりました。すると、周りの高齢者の方とも会話をするようになり、楽しく施設生活を続けることができたのです。それ以来、私もコミュニケーション能力を大切にした介護職を目指したいと感じるようになりました」

介護職を目指した理由に関して、エピソードを交えるとイメージしやすくなります。

何となくではなく、しっかりとした理由があることを伝えるようにしてください。

悪い回答例

「私は非正規の仕事をしていた期間が長くありました。何とか正社員になりたいという思いが強くあったので、無資格・未経験でも採用される可能性のある介護を選択しました。迷いはありましたが、ここまで何とか続けているので自分に合っている仕事なんだと感じています。今後も介護をしていきたいです」

業界全体が慢性的な人材不足の状態であると言えます。

実際、求職者の中には「誰でもできるって聞いたからやっているだけ」という人も少なからずいるようです。

しかし介護職は、身体的、精神的弱者を支えるプロフェッショナルでなければできない仕事です。

介護職なら何とかなるという考えで応募してはいけません。

入社後のビジョンと働き方に関する質問

入社後のビジョンと働き方を質問する意図は、

・採用した後に長く働いてくれるのか?

・キャリアアップ思考はあるのか?

・ワークライフバランスの確認

などを確認するためです。

どのような聞かれ方をされても問題なく答えられるように、事前に考えをしっかりまとめておくことが重要です。

入社後はどのような仕事をしたいですか?

入社後にしたい仕事を聞く理由は応募者の「興味、関心、目標」などを確認したいからです。

面接前に自身のキャリアアップについて考えておくことでスムーズな受け答えができます。

良い回答例

「これまで自立の方から重度の方まで幅広く介護業務を経験してまいりました。ですので、私が持つ知識や技術は惜しみなく現場に還元していきたいと思います。また、さまざまな介護経験をしていく内に、責任者として働きたいという気持ちを持つようになりました。職場に慣れてきたら、ゆくゆくは介護リーダーを目指して頑張っていきたいと思っています」

まずはどんな業務をしたいのか具体的に伝えてください。

その後、自分が挑戦したいことを前向きに伝えることでやる気があることをアピールできます。

悪い回答例

「入社後は介護技術と知識をしっかり学びたいです。教えてもらえれば何でもやります」

介護がしたいという気持ちは伝わるものの、抽象的すぎるのが問題です。

また「教えてもらいたい」という受け身ではなく、積極的に自分から学んでいくという姿勢をアピールしてください。

自分から仕事を覚える姿勢を忘れてはいけません。

目標・キャリアプラン・将来のビジョンはありますか?

目的意識を持って働く人物かどうか判断するために聞かれるポイントです。

重視するべきは「あなたの目標などをその施設で叶えることができるのか?」ということです。

大きすぎる壮大な夢よりも、例えば「介護福祉士の資格を取得したい」など、具体的な目標にしてください。

良い回答例

「まずは、介護スキルをしっかりと身につけたい気持ちが強いです。あと1年、実務経験、職務経験を積んだら介護福祉士を受験できるため、まずは資格取得に向けて頑張ります。将来的にはケアマネージャーとして御施設で活躍したい気持ちが強いので、介護保険制度に関する勉強もコツコツとしていきたいと思っています」

取り組みたい業務や資格取得について、数字を用いながら具体的に伝えてください。

自分の意志で動ける人材かどうか、仕事に対して積極的かどうかのアピールになります。

悪い回答例

「なるべく早く仕事に慣れて御施設に役立てるよう頑張りたいです。言われたことは何でも前向きにチャレンジしたいと思います。経験したことがないことも、嫌がらずに取り組みます」

よくある回答のように感じるものの、具体性に乏しかったり、受け身であったりする例です。

具体的に「私は〇〇になりたい」という目標を採用担当者に示すようにしてください。

残業や夜勤はできますか?

居住系の介護施設に応募した場合は、夜勤ができるかどうかを必ず聞かれます。

人材不足の施設が多いため、残業についても聞かれることが多いです。

施設としては、なるべく対応してほしいというのが本音ですが、家庭の事情などでどうしても難しい場合は、正直に伝えてください。

良い回答例

「夜勤、残業どちらも喜んでお受けいたします。前の職場でも週に1度は夜勤に入っておりました」

「子供の保育園への迎えがあるので、基本的には17:30までの勤務でお願いします。ただし、中学生になれば、夜勤、残業どちらもさせていただきたいです」

前の職場で夜勤、残業をしていた場合は、数字で伝えると相手もイメージしやすくなります。

夜勤、残業ができない場合でも「できません」だけで終わらないようにしてください。

例えば「〇曜日なら残業できます、夜勤できます」など伝え、貢献する意思をアピールすることも必要です。

悪い回答例

「すみません。家庭の事情で夜勤も残業もできせん」

「どちらも難しいです。申し訳ありません」

明確な理由を説明せずに「できない」とだけ伝えてしまうと採用担当者への印象が悪くなります。

「モチベーションがなさそう」と思われてはチャンスを逃してしまうため、回答には明確な理由を添えてください。

いつから働けますか?

「いつから働けますか?」という質問を採用担当者から聞かれたら、好印象を持たれている可能性があります。

事前に勤務開始日を考えておくことが大切です。

良い回答例

「◯月◯日から勤務可能です」

「来週の◯曜日から働けます」

入社可能日は具体的に伝えることが大切です。

在職中だとしても、現在の職場の就労規則を確認するなどして、なるべく明確に入社日を伝えるようにしてください。

悪い回答例

「退職日が決まっていないのでまだ何とも言えません」

「すぐにでも働けます」

基本的には前の職場に退職の意思を伝えてから転職先に応募するのが誠実ですが、現実は転職先が決まってから伝えることもあると思います。

その場合、退職日を明確に伝えることはできませんが、入社日の目処がまったくつかないと採用担当者の印象が悪くなります。

現職場の就労規則を読むなどして「◯月からなら大丈夫です」など、確実に働き始められる日だけでも伝えるようにしてください。

また、その場で「すぐに働けます」と伝えるのもおすすめしません。

「仕事内容、業務内容などを確認していないのに本当にすぐに働けるの?」と疑問に思われることがあるからです。

働き方と給料に関する質問

働き方と給料に関する質問は、介護職に限らずよく聞かれます。

人間性やマインドを見られる部分であるため、丁寧に回答してください。

日本では給料の話をすることを好まれない傾向ですが、採用担当者から聞かれた場合は、適正な範囲での希望額を伝えるのは問題ありません。

仕事をするうえで大切にしていることはありますか?

応募者が仕事の上で

・大切にしていること

・やりがいを感じること

などを知りたくて質問しています。

応募先の理念や特徴を確認して、求めている人材であることをアピールできます。

良い回答例

「忙しくて猫の手も借りたい時ほど、逆に利用者様の訴えに耳を傾けるようにしています。これまで多くの利用者様と接してまいりましたが、施設に入所している高齢者の中には身寄りがなく寂しい思いをしている方も多くいることを知りました。職員の都合によって聞いたり聞かなかったりしていると、気軽に話しかけてくれなくなります。利用者様がいつでも気軽に声をかけてもらえる存在でいることを大切にしています」

最初に大切にしていることの結論を述べ、続けて自分が体験したことを盛り込むことで、説得力を増しています。

前の職場を通しての学びや気付きについて、具体例を交えて話せると最高です。

悪い回答例

「特別これが大切ということはありませんが、スムーズに仕事を終わらせて、定時で帰宅できるように心がけています。効率的に業務を行うことでムダな残業をしないようにとも思っています。」

「スムーズな業務の遂行」だけが大切なことと思われると、気持ちの入らないこなすだけの仕事をしているように感じ取られてしまいます。

ムダな残業がなくなれば、確かに施設にとってのメリットはありますが、利用者様にとってのメリットが伝わってきません。

介護は利用者様ありきの仕事であることを忘れてはなりません。

現在の年収、希望の年収はいくらですか?

人件費の予算と希望がミスマッチするのを防ぐために聞く質問です。

例えば年収が400万円の予算なのに、応募者が500万円以上を希望していると、よっぽど優秀な人材でなければ内定は難しくなります。

また、年収の相場を把握しているかどうかをチェックする意図もあります。

良い回答例

「夜勤のない職場だったので年収は300万円程度でした。介護福祉士の資格を取得したことと、御施設では夜勤もさせていただけるようですので、年収400万円以上を希望します」

求人情報を確認すると、大まかな年収目安が記載されていることが多いです。

採用担当者は当然、金額を頭に入れて応募にきていると思っているため、高すぎる年収を要望しないようにしてください。

もし高めの年収を希望するのであれば、それだけの採用側のメリットと根拠を、明確に伝えなければなりません。

悪い回答例

「前の職場では年収300万円だったので、御施設では倍の年収をいただきたいです」

「年収は多いほど嬉しいです。いくらいただけますか?」

常識外れの年収を希望したり、逆に聞き返すなどすると悪印象を与えることになってしまいます。

求人情報をしっかり読んだ上で、自分のスキルに適した希望年収を伝えるようにしてください。

応募者の強みや特性に関する質問

介護経験に限らず、人間性や性格も含めた応募者の強みや特性を知りたくて、質問しています。

採用担当者がより詳細な質問をしてくることもあるため、しっかりとした回答を用意しておくことが大切です。

長所と短所は何ですか?

自分自身を「どんな人間か把握しているのか?」を判断するために聞いています。

長所と短所を知っている人は、職場で上手に立ち振る舞うことができるからです。

冷静に自己分析して、仕事に活かせる長所と、短所に対するケアを伝えるようにしてください。

良い回答例

「私の長所は、感情のコントロールができることです。介護はチームワークの良さが、重要だと思っているからです。一緒に仕事をしていると、腹が立つことや理不尽に感じることがありますが、意見を述べる前にまずは冷静になるようにしています。感情的に発言することがないので、トラブルも少なく働けています。短所は、くよくよ考えてしまうところです。怒られたり、嫌なことがあったりしたときに自力で切り替えるのが苦手です。そのため、友達や家族に話を聞いてもらい、すぐに切り替えられるようにしています」

長所をどのように仕事に活かしていくのか、短所にどう向き合っているかなどを具体的なエピソードと一緒に伝えるのが重要です。

「短所はなるべく言わないほうが…」という感覚になるかもしれませんが、人間は必ず短所があるし、受け入れて対処している姿は好印象です。

悪い回答例

「私の長所は、普段から前向きに物事を受け止めるところです。また、人見知りするタイプで、初対面ではなかなか話しかけられないのが短所です」

長所や短所を述べるときは、具体性が大切です。

採用担当者の印象に強く残すためには、自分が体験したことを分かりやすく盛り込むことをおすすめします。

また、短所を伝えただけで終わるのは印象が悪いため避けてください。

必ず短所に対して、前を向いている姿勢を強調してください。

趣味や特技は何ですか?

趣味や特技は、何となく聞いているのではありません。

上手に気持ちを切り替えられる人かどうかを知るために聞いています。

介護は、ストレスを多く感じることもある仕事です。

上手にストレスと付き合っていける人でなければ、すぐに辞めてしまう可能性もあります。

また、レクリエーションで活かせる趣味・特技があれば、積極的にアピールしてください。

ピアノ・書道・手芸などは介護現場のレクでとても重宝されます。

良い回答例

「趣味はギター演奏で、バンド活動もしています。生ギターに合わせて高齢者の前で歌うことも、前の職場ではしていました。ぜひ御施設でもさせていただきたいです」

趣味や特技を利用者様にどう還元できるかを述べているため、採用担当者も好印象を覚えます。

悪い回答例

「ありません。仕事が趣味です」

「毎日お酒を飲むのが趣味で充実しています」

働くことが好きなのは良いことですが、面白みのない人という印象を与えてしまいます。

また、お酒やギャンブルなど、社会的に良いイメージのないことを趣味・特技とするのは面接時にふさわしくないため、やめてください。

あなたのストレス解消法は何ですか?

介護はストレスの多い仕事と言えます。

・慢性的な人材不足

・認知症を患う利用者様の対応

・家族からのクレーム対応

などさまざまあります。

ストレス解消法があれば、それだけ長く勤めてくれる人材の可能性が高くなるということです。

自分なりのストレス解消法をアピールしてください。

良い回答例

「私のストレス解消法は、サイクリングです。近所に大きな公園があり、自然を見ながら自転車で走っていると、辛いことも、ささいなことのように思えてきます。心が元気がないときは、意識してサイクリングをしています」

自分なりのストレス解消法を伝えればOKです。

ただし、他人に対して迷惑がかからないストレス解消法にしてください。

悪い回答例

「特にありません」

「タバコを吸って忘れます」

「ドライブでスカッとします」

「特にありません」だと「ストレスマネジメントができなくて辞めていくかも…」と感じさせてしまいます。

タバコやドライブでストレスが発散されるのは事実かもしれませんが、人によっては不健全ととらえる人もいるため避けてください。

介護職の適性に関する質問

適正を見極めるためにされる質問です。

どれも重要な内容ばかりのため、丁寧な回答を心がけてください。

これまでご高齢者と関わったことはありますか?

未経験から高齢者施設に入社しようとしている人に対して、よく聞かれる質問です。

良い回答例

「高校時代にボランティア活動で高齢者施設での手伝いをしていました。一緒に歌を歌ったり、小物作りをしたりするのがとても楽しかった思い出があります。この経験から、高齢者を手助け、サポートできるヘルパーに興味を持ちました。」

これまでに高齢者と接する機会があるなら、具体的に伝えてください。

介護に関心を持つきっかけになったことや感想が言えると印象がよくなります。

悪い回答例

「昔から盆と正月は田舎のおじいちゃんのところへ遊びに行っていました。とても楽しかった記憶があります。」

ただ、年に1〜2度会っているだけでは、高齢者と関わったとは判断されません。

具体的にどんなことをして、何を感じたかということを伝えてください。

今現在腰痛はありますか?なったことがありますか?

介護職をしていると腰痛に悩まされている人は多いです。

腰痛は治りにくく、悪化すれば日常生活に影響する可能性もあります。

ただし、腰痛があるからといって、必ずしも不利になるわけではないため、正直に伝えてください。

良い回答例

「腰痛になりやすい職業だと分かっているので、以前からボディメカニクスを取り入れた介護をしています。お陰様で腰痛にならずに生活できています」

「腰痛持ちでコルセットをしながら仕事をしていますが、3年間、問題なく介護職として働けています。腰痛との上手な付き合い方ができています」

腰痛がない人は、日常で気をつけていることを話せば印象が良いです。

腰痛のある人は、介護業務全般に支障をきたさないことを伝えてください。

悪い回答例

「腰痛はありません」(と、嘘をつく)

嘘をついて採用されたとしても、入社後に業務に支障をきたす程の腰痛の場合は、周囲の人間に大きな迷惑をかけることになります。

介護業務に制限があるほどの腰痛の場合は、できることと、できないことを明確にして、どんな働き方なら貢献できるのかを伝えてください。

介護関連で気になったニュースはありますか?

介護業界全体への興味・関心があるかどうかを知るために聞かれます。

介護の仕事は超高齢化社会の中で、ますます重要となってくる仕事です。

アンテナを張って自分の意見を持っていることは大切です。

良い回答例

「新型コロナウイルス感染症に関わるニュースを日々チェックしています。5類移行となりましたが、高齢者にとっては非常にリスクの高いものであることに間違いはありません。感染者数の把握、予防、発生時の対策などは、常に万全の体制を整えています。」

ニュースなどで報じられている、高齢者に関する社会問題を取り上げてください。

そのあとに、懸念点や自分なりの考え方、介護職として意識していることなどを絡めると印象の良い回答となります。

悪い回答例

「すみません。テレビは見ないし新聞もとっていないので分かりません」

最近はテレビ離れが進んでいますし、若い人は新聞をとっていない人も多いです。

しかしその分、スマホを見ている時間は多いと言われているため、ネットで介護関連のニュースをチェックすることはできるはずです。

介護に対する熱意や意欲を問われる部分ですので「分かりません」で終わらさないようにしてください。

ほかに受けている施設や事業所はありますか?

採用した場合、断る可能性がある人かどうかを判断するために聞かれます。

確実に自分の施設に来てくれそうな人を採用したいというのが、採用担当者の本音です。

嘘をつかなくても良いですが、答え方には気をつけてください。

良い回答例

「認知症ケアに関心がるので、グループホームを中心に2施設ほど受けております」

「リハビリ介護に関わりたいので、介護老人保健施設を他に1施設受けております」

他に受けている施設数を答えるだけではなく「グループホームを中心に」や「介護老人保健施設限定で」など、転職先に応募する基準があることを伝え、一貫性をアピールしてください。

施設名を聞かれれば、答えても問題ありません。

悪い回答例

「10施設以上受けております」

「御施設しか受けておりません」(と、嘘をつく)

受けている施設数が多すぎると「どこでもいいのか?」という印象をもたれかねません。

「複数受けておりますが、御施設に1番惹かれているため、内定をいただければ必ず働かせていただきます」といった回答にしてください。

また、他は受けていないというのは、完全に嘘をつくことになるためやめてください。

面接の最後に聞かれる逆質問

面接の終盤になると「最後に聞いておきたいことはありますか?」という逆質問をされることがあります。

気になっていることを聞けるチャンスであるため、しっかりと活用してください。

最後に何か質問はありますか?

本気で応募先で働きたいという意思があれば、質問の1つや2つは必ず出てくるものです。

本気度をアピールできるため、必ず質問をしてください。

良い回答例

「介護福祉士資格の取得支援制度があるとお聞きしたのですが、具体的にどのようなものか教えていただけますでしょうか?」

「社内研修制度があると求人票に記載がありましたが、どのような研修か具体的に教えていただくことはできますか?」

求人情報をしっかりとチェックしていることが分かるような質問をしてください。

スキルアップへの意欲や本気度が伝わり、好印象で面接を終えることができます。

悪い回答例

「大丈夫です。特にありません」

「トラブルや家族からのクレーム対応などは誰がするのですか?」

「福利厚生について教えていただけますか?」

「特にありません」は意欲が低いとみなされる可能性があるため、おすすめしません。

トラブル対応は気になる部分かもしれませんが「自分は責任をとりたくない」という意思表示ととらえられたら不利になります。

求人情報や施設のホームページに書いてあることを聞くのも、調べてないことが分かってしまうためNGです。

面接対策のポイント

これまでは面接における回答例について例文を交えて解説してきました。

ここからは、面接を受ける際に注意すべきポイントを紹介します。

前向きな姿勢が大事

介護という仕事に対して、肯定的でポジティブな姿勢を見せることが大切です。

前向きな人には「人を惹きつける力」があるからです。

介護に対してネガティブな発言や思いがあると、採用担当者にはすぐに伝わってしまいます。

「ぜひうちに来てもらいたい」と思わせるためには「介護という仕事が好き!」という気持ちで受けることが大切です。

応募先企業の求人ページも入念にチェック

応募先の求人情報は最低限チェックしてください。

「雇ってくれたらどこでもいい」という人の中には、詳細をチェックせずに面接に臨む人もいるようです。

併せて企業のWEBサイトも見ておくことで、理念や社風、特徴などが把握できます。

事前にできる努力はするべきです。

「求める人材」に合わせられるように意識

求人情報には「施設が求める理想の人材」が書かれていることが多いです。

面接中は求める人材に合わせてアピールすることが大切です。

例えば「協調性がある人」を求めていたら、自己PRで「私はチームワークを大切にしています」などと回答することで好印象となるのです。

採用担当者のニーズに合わせた人材を意識してください。

「企業からのメッセージ」も熟読しておく

求人情報やWEBサイトには、応募者へのメッセージが紹介されていることがあります。

企業が大切にしていることや応募者に求めていることなどが把握しやすいため、チェックしてください。

まとめ

本記事では、介護職の面接における質問について解説しました。

まずは、面接において大切なことは、遅刻しない、身だしなみを整える、言葉遣いに気を配るなどの、社会人として基本的なことを守ることです。

その上で、採用担当者に失礼のないように、相手のニーズを満たす回答をすることが大切です。

本記事に記載したことを守れば「この人に来てもらいたい」と採用担当者に思わせる回答ができるようになります。

何度も記事を見返して、理想の介護転職ができるように準備、行動してください。

この記事の執筆者

あべ
介護福祉士・レクリエーション介護士2級・認知症ケア指導管理士

介護付き有料老人ホームにて介護歴10年以上。保有資格は介護福祉士・レクリエーション介護士2級・認知症ケア指導管理士。介護リーダー歴も5年以上あり。高齢者施設に勤務しながらWebライター・ブロガーとして活動中。