介護職の言葉遣い『敬語?タメ口?』どっちがいいの?? | 大阪・関西エリアの看護介護専門の転職サイト  ユメシア転職JOB

COLUMN

お悩み解決コラム

介護職の言葉遣い『敬語?タメ口?』どっちがいいの??

2021/12/14

最終更新日:2021/12/14

どんな仕事でも他者と関わることがあるので、言葉遣いは気を使うことがあります。

「親しき中にも礼儀あり」

このことわざは誰もが知っていると思います。「親しさが増せば増すほど、ついつい遠慮がなくなり、失礼なことを言ったり行ったりしてしまうこと」になります。「悪気はないから・・・ついつい・・・(反省)」みたいなことは誰にも経験があるかもしれません。友人や家族、恋人または仕事の上司、部下。目上の人はもちろん、年下の人にもやはり「配慮」を欠いてしまうと思わぬ失敗に繋がることはあります。

では、介護をしている現場ではどうでしょうか?今回はご利用者様や入居者様についての言葉遣いを考えてみましよう。

尊敬語・謙譲語・丁寧語を上手に使っていますか?

親子で本を読む写真

小学校の高学年ぐらいから授業で敬語の勉強が始まります。義務教育で習うことなので、やはり敬語は大切な言葉遣いとなります。復習の意味も含めて書かせていただきます。

 尊敬語

※目上の人を敬う気持ちを表す言葉です

例) 〇〇様がいらっしゃいました
〇〇様がおっしゃりました
〇〇様が(食事を)召し上がられました
○○様や△△先生なども尊敬語になります。

 謙譲語

※自分が一歩引き相手に対して敬意を表す言葉です

例) (荷物を)お持ちします
(ケアプランについて)ご説明いたします
(○○様宅に△△時)お伺いします
(○○様宅へ△△時に)参ります
(○○様が)申されました

 丁寧語

※話す人が相手に対して敬意をもって丁寧に話す言葉です

例)  見ます、言います、話します
行きます、ご挨拶に(行きます)

介護施設など現場では何が大切だろう

介護士と利用者

介護の仕事で一番大切なのは何でしょうか?トランスファーや食事・入浴・排泄などの介護技術は大切です。でもそれ以上に大切なのは、やはり信頼関係を構築することです。

ご利用者様本人はもちろん、ご家族様との信頼関係がしっかりできていれば、多少の失敗があっても問題ないことが多いと思います。介護を提供する以上、ヒヤリハットや転倒やずり落ちなどの介護事故もやはりあります。そのような時に本人やご家族様としっかり信頼関係(心と心の架け橋「ラポール形成」)が出来ていれば問題ないことが多いはずです。

逆に信頼関係が構築されていないと・・・小さなことでも大きな問題になってしまう可能性が高いのです。

あなたにぴったりのお仕事探しはプロに相談してみよう

看護師

転職サイトでは、新しい転職先や働き方など、コンサルタントが無料で提案してくれます。今の職場が自分に合わないと悩んでいるのであれば、まずは相談してみるのがおすすめです。

介護現場では敬語が信頼関係に繋がる

介護士と利用者

敬語とは、「相手を敬う気持ち(真心)」から発せられる言葉です。もしかしたら言葉に魂が宿っているかもしれません。もしそうだとしたら、真心のない敬語では、例え(敬語を)使っていたとしても、相手の心には届かないことがあるかもしれません。それでは信頼関係が成立しませんよね。

敬語じゃないとダメなの?タメ口でもよい場合はないの?

介護士と利用者

敬語とは相手に失礼がないこと。相手に気を配ってのことですが、信頼関係が出来上がっているのに、いつまでも敬語を使われてしまうと、「この人私と仲良くなりたくないのかな?」と疑念を抱かせ、親近感が湧かなくなるケースもあります。ですので、タメ口が全くダメとは私は思いません。ケースバイケース、時と場合によると考えます。

相手と同じ目線で物事を考え意識を共有する時には。。。

介護士と利用者さんが話す様子

例えば、昔の思い出を話したりするとき、家族のように接するときは「タメ口」をすることでアットホームな雰囲気を作り出し、笑顔で会話ができるかもしれません。要は相手の為を思って「タメ口」を使うのは、有効なコミュニケーションなのかもしれません。

「タメ口」を使うときの注意点とは

OK・NG

ご利用者様本人やご家族様と話すとき、基本的には敬語を使うことが良いと考えます。ただ、信頼関係がかなり出来上がっているのなら敬語を使うことで親近感が薄れマイナスになってしまうかもしれませんと書かせて頂きました。ですので、「タメ口」を使用するときは信頼関係(ラポール形成)がしっかり出来上がっていてからが重要となります。

言葉とは時に凶器となることも忘れずに

女性が口を押さえる写真

ご利用者様は介護を受ける側になります。職員は常にご利用者様と上下関係なく対等な気持ちや行動で接します。皆様もご利用者様から「ありがとう」「いつも親切にしてくれて助かります」と感謝の気持ちを伝えられることはよくあると思います。

でもそれは本当に「感謝の気持ち」だけでしょうか?その言葉の裏に「(介護をしてもらい)申し訳ない」「本当は自分でやりたいけど(介護されないと)何もできない。悔しい・切ない」との思いもあるかもしれません。その気持ちもしっかり汲みとり、相手を敬い、言葉を発することが必要になります。例え敬語を使っても心無い言葉を浴びせられたら、それは凶器を使うことと同じことになります。その事をしっかり理解しましょう。

腕を広げる

敬語とタメ口はどちらが良いのだろうか?

人生の先輩であり、年長者を敬うことが介護の基本ですので、基本はやはり敬語になります。事業所によっては「タメ口」を禁止している場合が多いと思います。ですがコミュニケーション手法として考えれば「タメ口」は必ずダメとは言い切れないと考えます。

では大切なことは何でしょうか?

それは相手を敬う気持ちを常にもって言葉や行動を行うこと。

これを先ずは守ること。その先に言葉遣いがあるのだと考えるようにしましょう。

この記事を書いた人

加藤 英明

介護福祉士・主任介護支援専門員

社会福祉法人熊谷福祉の里にて、特別養護老人ホームクイーンズビラ桶川副施設長として従事する。介護講師や地域福祉団体『埼玉県央ケア協会』の共同代表として、県央地域を中心に地域福祉向上のため活動中

 

=加藤英明さんの前回の記事はこちら=

=あなたにおすすめの記事はこちら=