「介護職でも稼げる」社会目指し起業。「自社の給与モデルが業界標準になるように」 | 介護・看護・保健師の転職サイトaunジョブ

DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

佐々木勇介代表(ゆーすけ社長)
合同会社セレクトエール
合同会社セレクトエール佐々木勇介代表(ゆーすけ社長)

「介護職でも稼げる」社会目指し起業。「自社の給与モデルが業界標準になるように」

 

あなたのお仕事について具体的に教えてください。

介護サービス事業を手掛ける合同会社セレクトエールの代表です。事業開始は2021年8月と若い会社ですが、現在訪問介護10拠点と、地域密着型デイサービス・居宅介護支援事業所を1ヵ所ずつ運営しています。また、8月・9月で訪問介護2拠点と居宅介護支援1ヵ所の開設を控えており、順調に事業拡大しています。

さらに9月には、会社をホールディングス化し、傘下に訪問介護事業のフランチャイズ事業を展開する会社を新たに立ち上げる予定です。

この仕事を始めたきっかけを教えてください。

元々は、テニススクール運営など、介護とは全く無縁の仕事をしていました。人材コンサルティングの会社にも在籍していたことがあるのですが、その時に自分と大して年齢が変わらない20代後半なのに年数数千万円レベルという社員がいました。そのときに「稼ぐこと」「稼げる仕事とは何か?」に興味を持ちました。

私は、祖母が介護事業会社を運営、母は看護師、妹は医師という介護・医療一家に育ちました。そうした環境もあり「果たして介護で稼ぐことはできないのだろうか?」と考えました。祖母とも相談し、6年前に介護業界に転職し、サービス付き高齢者向け住宅などで勤務してきました。その中で、現在の介護業界の問題点や、介護職の賃金が低い理由などを分析し、その解決のために今の会社を立ち上げました。

あなたの強みは何ですか?

「介護職は稼げない」というこれまでの常識を覆し、スタッフが満足できるだけの給与水準を実現できたことです。事実、管理者クラスであれば、全産業平均賃金の1・3倍程度の給与額となっています。保険外サービスは一切手掛けず、処遇改善加算以外の加算は算定せず、正規職員と非正規職員の割合の適正化や、人事評価制度の見直しだけなどで実現できました。この結果として採用活動も順調で、月平均で20~30件は応募があります。これが全体の採用コストを引き下げ、その分がスタッフの処遇改善に回る、という好循環を生み出しています。

私の個人的な性格など面で言えば「人と強烈に向き合える」ことが強みです。誰でも言いたくないことは隠したがるものです。しかし、その「隠したいこと」ことが、今起こっている課題の解決には絶対に必要な議題だったりするケースは沢山あります。社員に対しても隠し事はせず、常に本音でぶつかっていますし、社員にもそれを求めています。これを会社の文化にしています。

あなたの使命とは何ですか?

「介護職は低賃金」というイメージの払拭です。私の会社に関してはそれを達成できましたが、業界全体で言えばまだまだです。しかし、当社の規模が大きくなれば、当社の給与モデルが業界標準になります。まずはそのためにも今秋に始まるフランチャイズ事業も含めて事業規模を拡大させていくことが急務です。2030年を目途に直営300事業所、フランチャイズ1000事業所を目指します。

介護職は、やりがいを感じられない、職場の人間関係が悪い、賃金が低い、身体的にきついなど、仕事に関して様々な不平不満を抱えています。これらの中で、介護事業者側がすぐに解決を図ることができるのは賃金です。「介護職の処遇改善が第一。まず働く側が豊かになれないと、利用者には何も還元できない」という「従業員ファースト」の意識が当たり前の業界を作っていきたいと考えています。

あなたのこれからの夢を聞かせてください。

小学生などの子どもたちに「介護」を正しく伝えることです。特に都市部の子どもは祖父母と同居していることも少なく、高齢者や介護が身近な存在ではありません。見たことがないものや触れたことがないものに関心を持たない、理解ができないのは当たり前です。

将来の介護の担い手を増やそうと、学校教育の現場でも介護に関心をもってもらうような取り組みが進んでいますが「介護の仕事の魅力を伝える」などが多く、介護・高齢者の現実や本質にまで踏み込んでいるケースは少ないのではないかと思います。

私自身で学校などを訪問したいと考えていますが、今の事業規模では介護業界の代表として声がかかることもないでしょう。私の声が介護業界全体の声であると認識されるようになるためにも、まずは事業規模を拡大することが先決と考えています。

最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。

転職をする人は「自分には、キャリアや得意分野がある。価値がある人間だ」と考えて活動するかと思います。しかし、新たな仕事先で大きく成長をするのは、前職の経験・ノウハウ・立場などを捨て『自分は何も知らない、何でも吸収してやろう』と考えられる人です。変にプライドを持つのではなく「自分は無価値な人間だ」と自覚することが、自身の成長につながります。

また「簡単に諦めない」ことです。例えば、3日連続でSNSの投稿をするのは誰にでもできますが、1年間毎日欠かさず続けられる人はそうそういません。しかし、今インフルエンサーなどとして活動しているのは、成果が見えなくてもそれをコツコツと続けてきたという努力をした人たちです。「最後はしつこい人が勝つ」のです。

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