――あなたのお仕事について具体的に教えてください。
SNSマーケティングを手掛ける合同会社RKWのCEOです。介護・福祉・医療業界に特化して、SNSを活用して広報・人材採用活動したい事業所をサポートしています。現在、大手から中小企業まで全国20社を直接サポートしているほか、代理店などを介して200の事業所のSNS運用支援に関わっています。
加えて個人的に、小学校・中学校の子どもたちに介護や介護の仕事の魅力にについて伝える出張事業をしたり、様々なセミナーの講師をしたりと「発信する・伝える」ことを重視した活動を行っています。
独学でSNS立ち上げから運用までを行い人材採用に貢献
――この仕事を始めたきっかけを教えてください。
高校を卒業した後にデイサービスで勤務しました。就職して2年目の2019年に介護人材が圧倒的に不足している状況を目の当たりにし「どうしたら、この問題を解決できるだろうか」と考えるようになりました。そのころ広報や人材採用のツールとしてSNSを活用する一般企業が次第に増えて来ており、「うちでもSNSをしたらどうか」と勤務先に提案したことがきっかけです。
当時は私個人としても積極的にSNSを利用しておらず、閲覧数やフォロワーの増やし方などの知識やノウハウもありませんでした。独学でこれらを学び、勤務先のSNS立ち上げから運用までを行うプロジェクトを担当しました。結果的にこれが奏功し、人材採用につながりました。
このノウハウをもっと多くの事業所に提供し、介護業界の人材問題解決に寄与できればと考えて起業しました。
介護・福祉・医療業界に特化したSNS広報・求人活動のサポート
――あなたの強みは何ですか?
SNSを活用した広報・求人活動のサポートを行う企業はほかにもありますが、介護・福祉・医療業界に特化しているのは全国でも当社だけです。私自身もそうですが、サポート先の事業所のSNSを企画したり、撮影した動画を編集したりするスタッフも全員が介護職を経験しています。「どのような動画を作れば、事業所のすばらしさを伝えることができるか」「仕事を求めている介護・医療職に『刺さる』表現とは何だろうか」などをよく理解していますので、訴求効果の高いSNSでの発信が行えます。
また、実際にSNSを使った採用活動で実績を重ねてきたという点です。私が勤務先のSNSを担当した当時は、介護・福祉・医療業界でもSNSを使った発信に力を入れている事業所はいました。しかし、利用者の個人情報保護の観点からモザイクなどで顔を隠していて、見ている人には肝心なことが何も伝わらないものばかりでした。
そうした中で、私はあえて利用者の顔出しをして、事業所のリアルな雰囲気を伝えることにしました。このことについて多くの批判を受けたりもしましたが、結果的に大きな成果を出すことができました。このように、タブーを恐れず、前例に囚われない形で新しいものを作り出す意思の強さや行動力があります。
1人でも多くの人が介護を「自分事」として考える社会に
――あなたの使命とは何ですか?
この先、日本では、ほとんどの人が直接的・間接的に介護に関わっていかざるを得ない社会になると思います。しかし、多くの人たちが介護に対してほとんど関心を持っていません。これは政治と同じで、全ての人に関わる大切な問題なのに、関心が無い人はとことん関心が無く、選挙にも行きません。こうした現状を何とか打開し、1人でも多くの人が介護を「自分事」として考える社会にすることです。
私自身、InstagramやTikTokなど複数のSNSを活用し、それぞれ最低でも週に2回の情報発信を行っています。フォロワーの数は合計で約4万人と大きな発信力を持つようになりました。そして、まだ25歳と若いのは大きな武器です。若くて発信力があるうちに、同じ若い世代に向けて伝えられることは全て伝えていくことが使命だと考えています。
「介護・福祉・医療の採用ならR君」
――あなたのこれからの夢を聞かせてください。
「介護・福祉・医療の採用ならR君」と世間の誰もが認めてくれる№1の知名度・実績をつくることです。
介護・福祉・医療業界内ではまだまだSNSに関する拒否感があります。また、せっかく費用や時間をかけてSNSをしていても、単にスタッフが踊っているだけなど伝えたいことがはっきりせず、有効的に活用されていないケースも少なくありません。しかし、私がこれまでやってきたことを今後も着実に継続していけば、多くの事業所が、SNSの持つ力を十分に活用し、採用だけでなく様々な面でプラスの効果を享受できる社会を作れると思っています。
いい職場・いい仕事に出会いうには積極的に行動を
――最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。
残念ながら介護・福祉・医療業界は「良い職場」と「悪い職場」の差が非常に大きいのが現実です。給与などの労働条件が悪い、人間関係が良くないなどといったことだけではなく、ケアの考え方や方法そのものに問題があるケースもあります。一つの職場にいるだけでは、「今、自分がしているケアが正しいものなのかどうか」が判別できず、自身の成長につながりません。いい職場・いい仕事に出会い、プロとして成長していくためにも、積極的に行動するようにしましょう。
職場の質はSNSだけでもかなりの部分を判断できます。まずはSNSで自分のフィーリングに合いそうな職場を探してみることをお勧めします。事業所の概要や労働条件は求人情報でも知ることができます。スタッフや利用者の表情など、SNSでしかわからない情報を注視していけば「ここで働いてみたい」という事業所にきっと出会えるはずです。