介護業界を「新たなことにチャレンジできる環境」に。自治体と協力し働ける特養実現目指す。 | 介護・看護・保健師の転職サイトaunジョブ

DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

原田竜生
社会福祉法人ながよ光彩会 特別養護老人ホームかがやき 施設長
原田竜生 社会福祉法人ながよ光彩会 特別養護老人ホームかがやき 施設長

介護業界を「新たなことにチャレンジできる環境」に。自治体と協力し働ける特養実現目指す。

――あなたのお仕事について具体的に教えてください。

長崎県の社会福祉法人ながよ光彩会が運営する「特別養護老人ホームかがやき」の施設長です。約60名のスタッフの育成・マネジメントを行っていますが「法人として、介護の枠を超えてやれることをやる」「目の前のご利用者の何気ない言葉にアンテナを張りながら、スタッフ1人ひとりが持つ夢や得意などを活かしたマネジメントを行う」ことを心がけています。

人に関わり、人を助ける仕事は面白い

――この仕事を始めたきっかけを教えてください。

小学生から高校生までずっとバスケットボールをしていたのですが、高校2年生のときに靭帯を傷めてしまい、1年ほどプレイできない期間がありました。その際に多くの医師や看護師などと接したことで「人に関わり、人を助ける仕事は面白い」と思うようになりました。高校卒業後に専門学校で福祉を学び、まずは知的障がい者向けの生活援助のスタッフとして勤務しました。その後別の法人で高齢者介護の現場を経験しました。

ながよ光彩会は3つ目の職場になります。長崎県が行っている、介護のしごとの魅力を伝える学校への出張授業を行う介護人材を育成する「介護のしごと魅力伝道師事業」を通じて貞松理事長とは以前から知り合いでした。

ながよ光彩会で就労継続支援B型事業所を立ち上げることになったときに、理事長から「一緒に何かできないか」と声をかけてもらいました。私は知的障がい者のバスケットボールチームのヘッドコーチをしているのですが、彼らの職業の選択肢があまりにも少ない状況を目の当たりにしていました。「これをどうにかしなければ」という危機感をもっていたこともあり、入職を決めました。

総合力の高いチーム作りが得意

――あなたの強みは何ですか?

バスケットボールプレイヤーとのきは、ずっとキャプテンをしてきました。バスケットは1チーム5人でプレイしますが、シュートが打てる選手ばかり5人を揃えたチームが強いわけではありません。正確なパスを出せる選手、ディフェンスが上手な選手など、それぞれの得意な分野が異なる選手をうまく組み合わせた総合力が求められます。介護も同様で、そうしたバランスが良く、総合力の高いチーム作りを得意としています。

現在、60名のスタッフは5~10人程度のチームを組んで業務に当たっています。スタッフ1人ひとりの能力や好きなこと、性格などを見極めて、最も高いパフォーマンスを発揮できるチーム構成を考えています。また、それぞれのチームリーダーの育成にも力を入れています。主任クラスのスタッフとのミーティングは週1回のペースで行っていますし、現場の意見、悩み、課題などがリーダーにしっかり届き、リーダーがそれに適切な判断・指示を下せるような組織を作っています。

介護業界全体を「新たなことに何でもチャレンジできる環境」に

――あなたの使命とは何ですか?

福祉の現場で働き始めた当初は、正直言って「面白くない仕事だ」と感じていました。例えば、私が「この利用者は、こうしたことをすれば喜ぶのではないか」と考えて職場に提案しても「他の利用者と待遇を変えるのは不公平になるからダメだ」と言われて、実現できませんでした。私自身のそうした経験を踏まえ、法人そして介護業界全体を「新たなことに何でもチャレンジできる環境」にしていくことが私の使命だと考えています。

現在、勤務している社会福祉法人ながよ光彩会では、部下などからの提案があった際に、「無理だ」などと否定するのではなく、「まずはやってみよう」「どうしたら実現できるだろうか」と考える意識付けを行っている最中です。そして、実現できたことはパネルにして特別養護老人ホームかがやきの入り口に掲示しています。

例えば89歳のご入居者様はお孫さんの結婚式に出席したいと考えていましたが、認知症もあり諦めていました。しかしスタッフの「結婚式に出席することで認知症に何か良い効果があるかもしれない」という考えのもと、新郎新婦には全くのサプライズの形で式に出席してもらいました。普段と環境が変わると不穏になるご入居者様でしたが、式の最中は普通に過ごすことができました。

また、旦那様がホームにご入居しており、奥様は食事介助のために毎日ご自宅から来館されるご夫婦がいます。「若い頃は多忙で、結婚式どころか式の前撮りもできなかった」という話を以前より聞いていましたので、ある日奥様の来館時を見計らって、こちらもサプライズで式の前撮りをしました。カメラが趣味のスタッフが撮影を担当しています。

これらは一見するととても特殊なケースに感じます。しかし、利用者一人ひとりにしっかりと寄り添ってコミュニケーションを取り、その人の状態や要望に合わせた個別サービスを提供するという日々のケアがしっかりと行えていれば、その延長線上で可能なことだと考えています。こうした取り組みが当法人だけでなく、介護業界全体で当たり前のように見られる社会づくりを進めていきます。

日本で初の「働ける特別養護老人ホーム」を作る

――あなたのこれからの夢を聞かせてください。

お正月にはお孫さんやひ孫さんが会いに来るご入居者様もいます。ところが「せっかく来てくれたのに、お年玉の1つもあげられなくて…」などと申し訳なさそうな様子のご入居者様もいます。その姿を見て「働いて現金収入を得られる仕組みを構築できないか」と考えています。デイサービスでは利用者が働いているところも多いようですが、特別養護老人ホームはご入居者様の要介護度が高く、実現できているところは無いのではないでしょうか。日本で初の「働ける特別養護老人ホーム」を作るのが夢です。

働いて収入を得ると要介護認定を外されてしまう可能性もありますので、自治体などと協議しながら実現させていきたいと考えています。

自分が自分らしく働ける職場を根気よく探していくことが重要

――最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。

やはり仕事は、自分の好きなことや得意なことが活かせる環境でないと長続きしません。そうした環境の職場を選ぶこと重要です。幸い今は多くの介護施設や事業所がSNSで日々の様子などを発信しています。これらを通じて、自分が自分らしく働ける職場を根気よく探していくことが重要だと思います。

介護現場で働く人の中には、自己肯定感が低く「自分は人より優れているところが何もない」「自分は何もできない」と考えてしまっている人も多いと思います。まずは何でもいいのでチャレンジしてみましょう。その経験を積み重ねていくことが自己肯定感を上げ、自分の好きなことや得意なことの発見にもつながります。また、そうしたチャレンジをさせてくれる職場や組織を選ぶことも大切です。

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