あなたのお仕事について具体的に教えてください。
「カラオケ100点ボイストレーナー」を名乗っています。文字通り採点機能付きのカラオケで100点満点を出すための歌唱法をレッスンします。これまで指導して来た人の数は延べ1000人以上で、プロの音楽家やプロを目指す人と、「カラオケが上手くなりたい」という一般の人が半々程度です。以前は都内に教室を設けていましたが、新型コロナウイスル感染症の影響で現在は閉鎖しており、オンラインレッスンが中心になっています。
また、「モテ声プロディーサー」として、相手に信頼感・安心感を与え、心の距離を縮める発声・話し方のレッスンも行っています。こちらは「商談などに役立てたい」と現職の経営者やビジネスパーソンが主に受講しています。
この仕事を始めたきっかけを教えてください。
昔から歌は上手いと言われていました。しかし歌手になりたいと思ったことはなく、子どもの頃はテレビで見た安達祐実さんに憧れて女優を目指していました。中学1年生のときに女優を目指し活動を始めたのですが、所属事務所の社長は、私を歌手として育てたかったようです。結果的にこの事務所は、私と活動の方向性が合わず2年程でやめてしまうのですが、今にして思うと、このときに初めて「音楽で食べていく」という意識を持ったと思います。その後は別の芸能事務所で女優の卵として活動しましたが、オーディションで準主役に選ばれていたドラマの企画自体が事情で中止になるなどの不運もあり、芽が出ませんでした。
20歳の頃から「音楽主体で活動したい」と考え、いくつか音楽関係のオーディションを受け、ソニーミュージック系の事務所預かりという立場になりました。そこでユニットも組んだのですが、正式なデビューには至りませんでした。正式に事務所に所属していたわけではありませんので、フリーの立場として歌手活動を行い、ショッピングモールなどで歌っていました。23歳頃まではモデル活動もしていましたし、20歳からは一般企業で派遣社員としても働いていました。こうしたパラレルキャリアの状態が7年程続きました。
ボイストレーナーとなったきっかけは、母が、出場者がカラオケの得点を競うテレビ番組を見て「光絵なら何点とれるかな」と聞いてきたことです。その後母と一緒に行ったカラオケで97点を出し、母からは「『カラオケのプロ』としてやっていけるのでは」と言われましたが、私自身は「カラオケはアマチュアが楽しむもの」という意識が強くあり、前向きではありませんでした。そんなときに「プロ・アマ問わず」という条件のカラオケ番組がありました。これに出場したことがきっかけとなり、その後何度もテレビに出演する機会に恵まれました。2015年にテレビ出演を通じて知り合った人のアドバイスなどもあり、ボイストレーナーを始めることになりました。
あなたの強みは何ですか?
「カラオケで100点をとる」という明確な目標に向けた、実践的なアドバイス・トレーニングができることです。自分自身はカラオケで100点をとれても、その方法を他人に教えられる人はほとんどいません。カラオケで100点を出すには、カラオケ機器がどのような仕組みや基準で採点をしているのかを熟知していなくてはなりません。それはメーカーや機種によっても違いますし、同じ機種でも最新型と一つ前の機種では違うこともあります。また曲によっても高得点を取りやすい、取りにくいことがあります。こうしたカラオケの特性を知り尽くしていることが一番の強みと言えます。
あなたの使命とは何ですか?
歌うことは、大きな声を出し、身体も動かしますので、体力維持やダイエット、介護予防になります。そのほか、ストレスが解消されるなど心身の健康に大きく役立ちます。また、知らない人同士でも一緒に歌うことですぐに仲良くなれます。そして歌っている人だけでなく、それを聞いている周りの人も楽しく、幸せな気持ちにさせます。しかも、お金も道具もいりません。いつでもどこでもできる最も手軽な健康法・コミュニケーション方法です。
こうした魅力をもっと多くの人に実感してもらい、歌を通じて人々の心・社会を豊かにすることです。「私は下手だから」と、歌を遠ざけてしまうのはもったいないことです。練習すれば歌は誰でも上手くなることを多くの人に伝えていきたいと思います。
最後にあなたのこれからの夢を聞かせてください。
現在、私のレッスン料金は1時間1万1000円です。しかし、この料金ですと中学生や高校生などは気軽に受けるのは難しいでしょう。1人でも多くの人たちに、プロの音楽を身近に感じてもらい、歌う楽しさを知ってもらうには、手頃な価格で受けられるレッスンが必要です。そこでオンラインサロンを開催できないかと考えています。集団形式のレッスンならば1人当たりの費用を安く抑えられますし、歌が上達した喜びを皆で分かち合えます。
また、個人的な夢としては、ミュージカルに出演したいと考えています。レッスン生の中にミュージカル出演を目指している人がいることに刺激を受けました。