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DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

加藤英明
社会福祉法人熊谷福祉の里 クイーンズビラ桶川副施設長 埼玉県央ケア協会共同代表  桶川市介護支援専門員連絡会顧問
加藤英明

多世代×多文化×多民族からなる「個の時代」到来
互いを認め合うダイバーシティを福祉の世界から実践

加藤さんのお仕事について具体的に教えてください。

5年前に社会福祉法人熊谷福祉の里に入職し、3年前より特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、居宅介護支援事業所、保育園などの複合型施設「クイーンズビラ桶川」の副施設長をしています。それ以外の活動として、「自治体の枠を超えて介護・医療・福祉関係者たちが集い、意見や情報交換ができる場が必要」と考え、2018年に「埼玉県央ケア協会」を立ち上げ、共同代表を務めています。また、依頼があれば、介護初任者研修、地域の方向けの認知症勉強会、企業の職員研修などの講師や、小中学校や地域に向けた講演活動などを個人的に行っています。

この仕事を始めたきっかけを教えてください。

銀行のシステムエンジニアを経て、医療・調剤・歯科レセプトコンピューターのインストラクター、医療事務教育、医療・調剤保険請求業務など医療現場で15年勤務しました。あるとき、山間地域で調剤薬局を立ち上げたのですが、その地域は若者が少なく、患者の7割は高齢者でした。待合室では、和やかに井戸端会議が行われ、医師もスタッフも高齢者ケアを自然と行っていました。それを見て「これからの超高齢化時代に最優先で必要なのは高齢者介護。それを学ばなければ」と痛感して、特別養護老人ホームに入職しました。

当時は、男性が介護スタッフとして働くのは珍しいことでしたが、多くの経験をして介護福祉士、介護支援専門員資格を取得し、生活相談員として勤務しました。その後、居宅介護支援事業所にて主任介護支援専門員として勤務しました。

加藤さんの強みは何ですか?

「地域の理想の未来を想像し、それを叶えるために動く強い意志」です。「地域に足らない物は何か」を常に考え、「何を始めるべきか」「どのような形で実現化できるだろうか」という信念に基づいて行動します。信念がブレなければ「実現力」「実行力」は自然に身につきます。

私が実践しているのは、地域を知り、地域の仕組みを理解することです。自分が住む市町村や働く市町村、そして都道府県の様々な審議会、審査会に参加しています。また、地域選挙区立会人、介護認定審査会、介護保険運営、介護保険策定委員、地域医療構想委員、ケアラー支援対策委員、男女共同参画事業、都市計画、自治基本条例審議員、がん対策委員、水道事業運営委員など、多くの分野で地域に関わってきました。地域には様々な方が住んでいますので、高齢者支援だけに取り組むのは正しい方法とは言えません。高齢者を取り巻く環境についても学び、学んだことは積極的に発信しています。

地域支援とは、いろんな角度から観察し、いろんな考え方と関わり、学び、意見交換し、必要とされるものを実現することです。これを行政や他者だけに任せるのではなく、身近らが参加し共に築き上げていくこと、それを継続して行えることが私の強みです。

加藤さんの使命とは何ですか?

地域の高齢者を取り巻く環境は変化を続けています。感染症問題、急激な物価高、人的資源の不足、そして忘れてはならないのが自然災害です。行政ができることには限界があります。フォーマルサービスだけに頼らず、「地域の問題は対岸の火事ではなく、自分達に係る問題である」ことを、一人ひとりが認識・自覚しなければなりません。地域に住む様々な方が真の共生ができる社会づくりを手伝うこと、「助け愛」を広げることが私の使命と考えています。

介護現場で働く人たちは、自分の職場内だけで社会が完結してしまいがちです。しかし、社会には皆さんの施設を利用する方と同様に、様々な課題を抱え、支援を必要としている方が大勢います。社会・地域という広い視野で自分が持つ専門的な知識やスキルを活かして活動できる介護職を1人でも増やしていきます。

加藤さんのこれからの夢を聞かせてください。

いろいろな場所や研修で「これからは個の時代です」と言い続けています。人は様々な個性を持っています。得意不得意も違います。親、兄弟であっても全く同じ人間はこの世にいません。それだからこそ、他者から自分が知らないことを学べるのです。新しいことを発見し自分の知識や技術を向上できるのです。

人生の大先輩から蓄積された知識や技術を学ぶこともあるし、小さな子どもたちから純真さを学ぶこともあります。自分が知らない文化や風習などを学ぶことは自分自身の大きな可能性を広げます。こうした「自分と違う他者を尊重し、そこから学ぶ社会」、ダイバーシティを作っていきたいと思います。

身近な点で言えば、介護現場では、職員間の人間トラブルが原因での離職も少なくありません。しかし、「○○さんが嫌い」と拒絶するのではなく、その人の良い所を見つけ、自分との違いを理解し、受け入れることでほとんどが解決します。私が副施設長に就任して3年、職員にはこのことを言い続けてきました。その結果、人間関係に起因する離職は目に見えて減りました。こうした考えを職場内だけでなく、社会全体に広げ、地域に多様性を生み、地域の可能性を広げていきたいと思います。それは、自分や家族、地域の未来を明るくすることにもつながります。

最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。

2年前に、70歳を過ぎた方が「地域貢献をしたい。介護福祉士なりたい」と施設で働き始めました。さすがに体力面などでは他の職員にかなわない部分もありますが、本人も周囲もそれをマイナスに捉えることなく、その人が得意なこと、できることで職場に貢献しました。今年で丸3年を迎えますので、念願だった介護福祉士の受験資格を得ることができます。

これからは、性別や年齢、国籍などの固定観念にとらわれることなく、自分の信じた夢や目標に全力で向かうことが求められる時代です。新しい一歩を踏み出すことはとても勇気がいりますし、夢を叶えるまでに、とても体力や忍耐、時間が必要なこともあります。しかし、苦労して夢を叶えたときの達成感は最高です。

皆さんの勇気ある行動を心から応援します。頑張ってください‼

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