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高齢者の「生き甲斐」を叶えていく志事。

就職して1年の頃、大尊敬する上司から言われた一言。「在宅にて生活することが難しくなった高齢者の方々が特養(以下、“施設”と記す)で最期を過ごすんだよ。いつか居宅事業に携わってみるとすごくいい勉強になるよ!高齢者がどのような経緯で施設へ入所となるのか分かると思うよ。」この言葉が思い返された。

介護

当時は、もちろん介護保険に関する知識も浅く、単純に“利用者様やその家族が決めたこと”と安易に解釈してしまっていた。施設やデイサービスでの勤務約9年間を経て、この度居宅事業である“訪問介護”分野へ転職することを決めた。理由は簡単で、介護の世界の広さ、深さを知ったからこそ自分が実際現場に立ってみること、何事も『経験』が大切だと思ったから。

これから、施設勤務から訪問介護に携わってからの私自身の介護観を話します。

2年間のデイサービス勤務で在宅生活の現状を目の当たりに

特養から部署異動となり、2年間デイサービス勤務となった。デイサービスでは、利用者様の自宅へお迎えにあがり、そしてサービスを終えると自宅へお送りする。この送迎時間に実際利用者様の自宅を訪問することとなる。娘や息子、家族と一緒に暮らしておられる方、奥様やご主人と2人暮らしの方、そして1人暮らしの方。また、玄関前に急な階段がある家、自宅内にたくさんの段差が存在する家、家具や物で溢れている家。本当に様々な場所・スタイルで生活していることがわかる。

例え、どんな障害(バリア)があろうと“自宅で過ごしたい”“自宅が安心する”という気持ちや空間であることが伝わってくる。

住み慣れた家で、愛する家族と過ごしたい

私は退職前に、施設に住むご利用者様に対してこんな質問をしてみた。「〇〇さんにとっての“生きがい”は何ですか?」。この質問に対する回答に、私は納得する一方で驚きもあった。「娘が私の全て」「家族が一番大事」「住み慣れた自分の家で住むこと」「子供と一緒にいたい」「大切な人たちの隣にいること」。全ての回答が住み慣れた自宅で家族と暮らすことだった。

介護

家族になかなか会うことができないという現状もあるが、自分がどんな現状であろうが、考えることは愛する人たちの存在。そして叶わないことがわかっていたとしても自宅に戻りたいという気持ちは心のどこかにあり続ける。施設に住む利用者様の生き甲斐はどうすれば実現するのか・・・私は考えていた。

訪問介護とは

自宅での生活を継続させている高齢者はたくさんいる。ホッとできる自分だけの空間で過ごすことができ、家族や知人の協力で愛する人たちと一緒に過ごすことができるということは“生きる”上で最大の幸せなのだと思う。また、その思いが生きる活力となっているのは間違いない。

しかし、その中で訪問介護に携わる者がやるべきこと。それは、その方の“幸せな空間”を壊してはいけないということ。ケアする対象者に対して「何かしてあげたい」という思いが強ければ強い程=良いケアとなる概念は捨ててしまった方が良い。福祉用具の導入、その方に携わる介助者の動きや雰囲気によっても、その方の生活の流れ、リズムは変わる。なるべく自宅にあるものを活用していく心遣い、そして空間に溶け込んでいけるようなケア、コミュニケーション能力が大切となっていくのではないかと思った。

介護

その方にとっての「生き甲斐」となるということ

その方の生き甲斐を守っていく仕事。それは、特養、デイサービス、居宅事業など、場所は関係ない。そして、わかったことがある。時には介助者である私たちがその方の「生き甲斐」となっているかもしれないということ。一見おこがましいことかもしれないが、実際「あなたに会えてよかった」「今日はあなたに会えて元気が出た」「ありがとう」「嬉しい」「いつまでも顔見せてね、また来てね」と声を掛けて下さる利用者様は多かった。それは介助者にとっても幸せなこと。その方の生き甲斐となれる仕事はそう簡単にはないと思う。

まとめ

訪問介護やデイサービス、ショートステイなどを利用し少しでも長く自宅での生活を継続させ、利用者様の本来の生き甲斐を守りたい。しかし、何らかの理由・きっかけで施設への入居が決まったとしてもその方の生き甲斐は変わらず存在し続ける。そして、私たち介護者は、目の前の方の“生き甲斐”となり得るということを思い、日々ケアに携わっていく。これが今の私の介護観となっている。

この記事を書いた人

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藤本 詩穂

介護福祉士 認知症ケア専門士 スポーツフードアドバイザー ユメシアアンバサダー

介護福祉士として9年のキャリア。認知症ケアの専門士として介護職や医療職、認知症の家族の方などへ向けてMysaCafeOnlineを運営。ユメシアアンバサダーとして介護士の魅力を発信するために活動中。

 

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