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【悪夢はここから始まった】大阪の介護施設で起こった凄惨な事件。隠れブラック施設に転職しないために

2021/01/12

介護施設での高齢者への虐待件数は2009年以降、右肩上がりで増加しているのをご存知でしょうか?しかも、そこで勤務している介護職員によるものが多くなっており、言葉での心理的虐待や暴力による利用者への虐待が半数以上を占めているのが現状です。地域別だと、東京、大阪、兵庫、神奈川と入居者が多い県では、虐待の件数も比例して多い傾向にあります。なぜこのようなことになるのでしょうか?

認知症患者に対する虐待

高齢化社会で利用者の中には認知症患者も増加している今、虐待も比例しています。その理由に、施設に入居させたきり何もしないという利用者の家族が多いことが挙げられます。

ほかにも、認知症の基本的な知識を十分に持ち合わせていない職員が多く、情報の共有ができずに虐待に発展することや、認知症の患者自体が虐待にあったことを忘れてしまうことで、発覚が遅くなってしまう……といった事例も。

理解力や判断力の衰えのせいで、介護者の指示や言いつけを守らずに反発したり、失敗したりを繰り返すのが認知症の主な症状。

介護者はこれらが認知症によるものと知らずにストレスを溜め続け、ストレスのはけ口に患者に暴力をふるうケースが多くなっています。

障がい者患者に対する虐待

施設での虐待は高齢者の認知症患者に向けられたことだけではなく、障がい者患者への暴力も問題となっています。かつては、原因疾患への対応や医療の不十分さなどを理由に、障がい者は短命といわれてきましたが、近年では中高年から高齢の方も数多く見受けられるようになりました。

しかし、障がい者患者への症状の知識はまだまだ浅いといえます。認知症患者の介護同様、知識や経験が少ないまま仕事に従事し続け、ストレスのコントロールがだんだんとできなくなった結果、暴力をふるってしまうのです……。

2018年には、大阪の障害者施設で入居者の男性を介護者が一方的に暴行し腰椎骨折などの大けがを負わせ死亡させてしまう事件が起きました。うつぶせの状態で腰の上に乗り上半身を勢いよく起こしたのが原因です。裁判で実刑判決が出ましたが、これだけの事件なのに、その施設からなぜこのような事件が起こったのか、これからの改善すべき点などの発表が一切見受けられません。

介護者が虐待をしてしまう理由

介護者が虐待する主な理由は、実は介護ストレスなのです…!人手不足の介護業界では、経験を積む前に一人での仕事の量がとにかく多いです。休めない、時間が長いなどで、ストレスが発散できず、感情のコントロールが効かなくなり、溜まったストレスのはけ口として、最初は言葉による虐待から、暴力による虐待へとエスカレートしてしまいます。

虐待をしてしまった介護者は、虐待をしている自覚はなかったということをよく聞きます。他には認知症患者なら、誰に虐待されたかすぐ忘れるだろう、バレないだろうという考えが理由で、認知症患者への虐待が多いです。虐待件数のうち7割が認知症患者です。慢性的な人員不足、知識や経験が少ないまま介護職に従事し、職員のストレスなどから勘定のコントロールが効かなくなることから虐待に繋がってしまうのです。

施設は残業なしで運営できない

日本は2025年には38万人の介護職員が不足するといわれています。現在も介護職員は人員不足気味。しかし施設の運営費の7割は人件費といわれています。運営をしていくうえで、経営陣は人件費を抑えることが重要だと考えていることが多いのです。

利用者は365日施設で生活しています。なんらかの事故、体調不良が起こるたびにその対応に職員は追われることに。そのため、突発的に起こる対応のために残業は不可欠です。よく介護職員募集で、求人概要を見ると「残業なし」と、ホワイトを主張している施設は注意が必要です!それなら「月〇時間残業あり」と初めから書いてある方が信用できます。こういった施設に面接に行った際は、必ず確認するようにしましょうね!

まとめ

人と接する介護職の現場では、感情の揺れる時が多々あると思います。その時、いかにストレスを溜めないかが大切になってきます。2015年から50人以上の従業員が在籍する企業には、労働者のストレスチェックの義務化がされています。メンタルチェックを定期的に行っていて、ストレス発散の仕組みや従業員に対する面談などを取り組んでいる施設では、深刻な事件や虐待が起こりにくいと言えるでしょう。

ここまで“ストレス”や“虐待”といった暗い話題を取り上げましたが、現在介護施設で働いている職員は、仕事自体にはやりがいを感じている者が非常に多いこともわかっています!ストレスなどでこういった事件が起こるのは非常に残念です。ストレス軽減や職場の環境作りに経営陣だけではなく社会全体で取り組むべきでしょう。