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吉本 真樹
有限会社あっとマイク 代表取締役社長/(一財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ/SDGsプランナー

子ども時代からの「人のために何かをしたい」その思いを胸に、人という“原石”を磨く。

—あなたのお仕事について具体的に教えてください。

コーチング・コーチです。このコーチングとは、自発的行動を促進するコミュニケーションのことをいいます。

コーチは「馬車」を語源にした言葉。馬車は馬に鞭を打って目的の場所へ連れて行くものですよね。コーチングを通して、対象者が“望む場所”へ辿り着ける役目を担っています。その“望む場所”を目指すには、まず心の内側をオープンにできる関係性が必要だと考えています。それには心理的安全性(※1)の構築が大切。はじめに「信用」してもらい、「対話」を重ねて「信頼」へと発展させていく。では「信用」と「信頼」の違いは何か。信用金庫はありますが信頼金庫はないですよね。条件や担保を必要とする関係性が「信用」、そして何も必要としない、「この人が言うことだったら大丈夫だ」など、純粋に人間性を根にした関係性が「信頼」です。

例えば「この大根いくら?」なんて、見知らぬ店員さんと交わす言葉は「会話」。でもそこに信頼関係を築こうとするコミュニケーションがあれば「対話」へと変わります。これが、信用と信頼の違いです。わたしの仕事は、この対話で信頼を築き、その人の目標を明確にして、そこを目指すためにその人が持つ強みや能力を引き出しながら、目標達成をサポートすることです。

※1 心理的安全性とは、相手に不安を感じたり怯えたりすることなく、ありのままの自分で発言・行動できる環境のこと。

—この仕事を始めたきっかけを教えてください。

「人のために何かをしたい」という思いを、子どもの頃からずっと持ち続けていました。例えば服のボタンを掛け違えている友だちがいたら、自分の身支度ができていなくても直してしまう、そんな性格だったそうです。でも、とっても引っ込み思案でね。心配した小学校の担任に学級委員長へと抜擢されたんですが、どうも人前で話すのが恥ずかしくて。それなのに放送部にはいったんです。(笑)。それには給食の時間に放送担当をしてみんなの役に立てるという役目もあったからだと思うんです。その頃の経験も良かったのでしょう。メディアを通し「相手のためになることをしたい」という思いからアナウンサーになりました。

アナウンサーの仕事は取材やニュースなど様々で、インタビューやゲストとのトークもあります。このインタビューがとっても下手で(笑)! 相手の話を引き出すこともできず、どうにかしないといけないと悩んでいた頃、ある方へのインタビューで、私も話し手の端くれとして「相手から何とか話を引き出さないと!」と頑張ったんだけど、終わってみればこちらの話を引き出されて、スッとした気持ち良さになったんです。思わず「これは何なんですか?」と尋ねてみると「コーチングのスキルを使って質問したんです」と。そう、これがコーチング・コーチという職業との出会いでした。

そこからコーチングを学び、このスキルをアナウンスの仕事に取組んだりしながら、2020年9月19日で事務所設立20年を迎えました。社是は、「創造と貢献」。振り返れば、人の喜びを見て自分の喜びとするという、子どもの頃から変わらない思いを基盤に、「自分が成功するためには他人を成功させることが必要である」ということを意識し、これまでのコーチングや放送現場での経験を活かした災害防災や自治体や企業のSDGsへの取り組みをサポートする新たなチャレンジも進めています。

—あなたの強みは何ですか?

あらゆるスポーツにもコーチがついていますよね。テクニカルなところもそうだけど、メンタル面でもコーチと常にキャッチボールを重ねながら、チャンピオンを目指していく。ビジネスの世界も同じで、対話をしながら相手の潜在能力を引き出し、意識と行動に変化をもたらすことで組織が活性化されていきます。その中でも、大切にしているのが「答えは相手の中にある」という考えです。リーダーが考え、部下が指示を待つスタイルでは、現在の知識社会に対応しきれなくなっています。そこでリーダーに求められるのは、スタツフそれぞれの能力を引き出す力。それが組織としての力になり、人づくりにも繋がると考えています。では、どのようにしてにしてスタッフの力を引き出すのか。それは ″対話″。社員それぞれが、自分の考えを整理し、理解しているわけではありません。そんな場合、効果的な質問を投げかけ、その人が思っていることや考えを、最後までしっかりと聴いて引き出していく。そうすることで、ぼんやりと思っていたことを自ら気づいていくんです。そうした対話によって生まれたスタッフのひらめきをサポートし、経営やサービスの行動に具体的に落としこんでいくことが、わたしの強みだと思っています。

そしてコーチという存在は、人間の身体に例えると心臓や肺だと思っています。すごく大事なところだけど、決して表からは見えない。でも全体をきちんと機能させる役割がある…もともと、僕が掲げるコーチ像がそういうものだったんです。それが自分のスタイルだと今でも思っています。そんな中、ビル・キャンベルというコーチの存在に出会いました。彼は人を輝かせることを喜び、自身は黒子に徹する。人を助けてこそ成功できる。という人だったそうで、わたしが知ったのも亡くなったあとに出た本がきっかけ。その本に書かれていたのは、2016年に彼が亡くなった際に行われた偲ぶ会で、AppleやGoogle、Amazonといった錚々たる会社のトップが集まったようです。なぜか。実は彼がコーチとして関わっていたと。みんな彼のおかげで成長できたと讃えていたんですね。こうやって結果を出した人がいるんだと知ったとき、改めて、自分のスタイルでも良いんだと思いました。

それと、これも強み(笑)だと思っているのですが、

子供の頃、自分のおこづかいは自分で稼がないといけない、貧しい環境でしてね。それもあって、ちょっとしたものでもいただくと、すごく喜ぶらしいんです(笑)。無意識なんですが、「あなたほど喜ぶ人はおれへん!」なんてよく言われて(笑)。人のために何かしたいと生きてきた私。逆に何かしてもらうということがこの上なく、嬉しくて嬉しくてね。「それがあなたの強みだ。」そう言われますね。

何より、小篠綾子さん(※2)にもらったものは忘れることはできません。自分の人生を変えてくれた人です。今でも“七光り”をもらっていますよ。“アヤコおかあちゃん”の言葉で印象深いのは「あんたは大器晩成型。子どもたちにもすごく影響が出るやろうね」と言われたこと。(この言葉を励みに今も頑張ってます)おかあちゃんが亡くなったときに行われた回顧展では、生涯を何百枚もの写真で飾り、約2000人が来られました。私の子供たちも参列させていただいたのですが、その最後の残り5枚ほどの写真のコーナーで子どもがピタッと止まって、じーっと写真を見ているんです。何かと思ったら、その写真に私とアヤコお母ちゃんが写っていましてね。子どもたちもすごく喜んでくれて…。アヤコおかあちゃんはいろんな人々にプレゼントをする人でしたが、その誰よりも大きなものを与えてもらった…そんな気持ちになりました。

※2 世界的デザイナー・コシノ三姉妹の母にして自身もデザイナー。NHK連続テレビ小説『カーネーション』(2011年放送)の主人公のモデルとなった。2006年に逝去。

—あなたの使命とは何ですか?

最近、学習の大切さを改めて感しています。放送という仕事の中では、約5000名の方々をインタビューしてきました。その人たちから学んだことは教科書に載っていない経験談。これは大きな財産になっています。その学びを参考にして、必要とする人や職場にメッセンジャーとして伝えていくことも使命だと考えています。忙しくて、学習したくても時間がない人。何から勉強すればいいのかわからない人もいると思うのです。そんな人には、こう話しています。本を読む時間がなくても、自分の周りの人や置かれた環境の中で、話を聴いてくれたりフィードバックをしてくれる人はいませんか? または、その人の経験談、失敗談などを聞かせてくれる人を探してみてはいかがでしょうか。と。特に、失敗談が話せる人は、それを乗り越えて今がある人ですしね。

それと、これはやってはいけませんが(笑)。人間をギュッと圧縮したらどうなると思いますか? 答えはダイヤモンドになるらしいのです。ダイヤは炭素、人間も炭素という観点から。ダイヤはダイヤで磨かれる。それを人間に置き換えれば、人は人で磨かれる。だから、どんな人でも原石なんだと思うのです。自分ひとりでは磨くことはできない、それを磨くのも自分の使命と思っています。

—最後にあなたのこれからの夢を聞かせてください。

多くの人と良い人間関係を築きながらチームになって生産性を上げていくことを、沢山やってみたいことです。ひとりでは実現できない夢でも、誰かの力を借りれば叶うと思うのです。たとえ、自分には夢がないと思ったとしても、他の人の夢が素晴らしいと思えば、便乗させてもらったらいいと思うのです。

「夢」があっても聴いてもらえないという人がいればその「夢」を聴かせてもらいたいのも夢ですね。

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