DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

西田美歩
介護タレント 介護福祉士
介護タレント 介護福祉士 西田美歩

20年以上の芸能活動経験活かし、介護について様々な発信。「自分の天職である介護職の魅力、多くの人に伝えたい」

――あなたのお仕事について具体的に教えてください。

「介護タレント」の肩書で活動しています。パートタイマーとして週に3~4日程度、機能訓練特化型デイサービスで勤務しています。2024年には介護福祉士の資格も取得しましたし、身体介助の経験を積むために1年間訪問ヘルパーとして働きました。

その一方で、20年以上芸能界で活動をしてきた経験を活かして、SNSをはじめ、講演会や各種メディアへの出演、自身が企画・運営するイベントなどを通じて、広く一般の人に介護や介護の仕事について知ってもらうための発信を行っています。特に、芸能界デビューが同じ年で公私ともに仲が良い、元女優で現役介護職の岩佐真悠子とは「介護士西田岩佐」の名前で一緒に活動しています。

不妊治療をきっかけに介護業界へ。ネガティブばかりが伝わっていることに疑問

――この仕事を始めたきっかけを教えてください。

6年前、当時所属していた芸能事務所に「不妊治療をするために、仕事の量をセーブしたい」と申し出たことがきっかけです。時間ができたので、家の近くでパートをしようと考え、本当に近さだけで選んだのが今の勤務先のデイサービスでした。兄が介護の仕事をしており、以前から「介護の仕事は大変だ」と聞いてはいましたが、私は介護に対する知識が全くなく、そこがデイサービスであることすら応募をするまで知りませんでした。

実際に働き始めてみると、周囲からは「介護の仕事をしていてすごい」「自分にはとてもできない」などと言われることが多く、「世間には介護の仕事のネガティブな面ばかりが広く伝わってしまっているのではないか」と疑問を感じました。また、年齢を重ねるにつれて知人・友人から家族の介護に関する相談を受けることも増えましたが、その中で「多くの人が介護について何の情報も持っていない」という実態に気づきました。

 「こうした課題を自分の芸能活動の経験やノウハウを活かして解決できないだろうか」と考えて2023年から「介護タレント」を名乗り始めました。所属していた芸能事務所は退所し、現在は、フリーの形で介護に関することに特化してタレント活動を行っています。

芸能活動と介護、両方の経験を活かして活動

――あなたの強みは何ですか?

やはり、芸能活動をずっと行ってきたことが大きいです。

例えば、タレントの主な仕事としてはテレビでの食事などのレポートがあります。それを見ている人たちは、年齢やその食べ物に関する知識や興味などが異なります。しかもレポートする私たちからは、今どんな人が番組を見ているかわかりませんし、直接反応を見ることもできません。ですから「見えない相手に向かって、誰にでもわかりやすく、かつ興味を持ってもらえるように説明する」ということが求められます。

私のSNSは、現在介護の仕事をしている人たちではなく、一般の方を対象にした内容のことが多いため、テレビ番組のレポートのように「専門用語はなるべく使わない」「簡潔に伝える」などわかりやすさを第一に考えています。

また、私自身が介護についての知識や情報が全くゼロのところから仕事を始めたという点も大きな強みだと思っています。「介護について何がわからないのか」「本当に知りたいが、聞けないことは何か」などといった点をきちんと理解した上で、自分の言葉や体験談として伝えることができます。

「将来就きたい仕事のランキング」に介護職が入る社会に

――あなたの使命とは何ですか?

介護の仕事をしていて「相手に対して本音で接することができる」「自分が成長していくことが、人の生活や幸せに直結する」という魅力を心から実感しています。今の活動を通じて、それを1人でも多くの人に伝えていくことです。子どもたちの「将来就きたい仕事のランキング」に介護職が入る社会にすることが理想です。そして、夢や希望を持って介護の仕事に就いた人たちがずっと働き続けていけるように、スタッフが「楽しい」「ここで働くのが好き」と毎日実感できるような高齢者施設を増やしていくことです。そうしたスタッフが笑顔の施設は、入居者の幸せも自然に追及できている、非常に質の高いところではないかと思います。

また、誰とでもコミュニケーションをしっかりとれるなど、芸能界でのキャリアは介護の現場で大きく役に立ちます。こうした点をアピールして、私と同じように芸能界と介護業界をつなぐような仲間をもっと増やしていくことも、今後の介護業界の人手不足解消のためには必要だと考えています。

今後も介護職として働いていきたい

――あなたのこれからの夢を聞かせてください。

仕事の面で言えば、ケアマネジャーの勉強をしたいと思います。現場でご利用者様と接することが大好きなので、実際にケアマネジャーになるかどうかはわかりませんが、ケアプランを作る過程を学ぶことは、今後も介護職として働いていく上で大きな財産になります。

プライベートの点では、私も岩佐も釣りが好きなので、長い休みが取れたら釣りに行きたいと思います。自分で釣ったマグロを自分で食べるのが夢です。

好きか嫌いかで仕事を選ぶことには落とし穴もある

――最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。

17歳でデビューしてから20年以上タレントとして活動してきました。自分がなりたくて目指した道ですし「もっと売れたい」という向上心はずっと持ち続けてきました。しかし、夢の為に自分を偽らなくてはいけないなどストレスを感じることが増え、仕事自体は楽しいはずなのに、楽しめなくなっていきました。芸能界の仕事が私には向いていないのではないかと感じるようになっていきました。それは、介護という全く別の道に進んだからこそ気づいたことです。「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが「好き=自分に合っている」とは限りません。好きか嫌いかで仕事を選ぶことには落とし穴もある点に注意しなくてはいけません。

私自身、全く思いがけない形で飛び込んだ介護の仕事が今では天職と思えるようになりました。同じように、本当に自分がやりたい仕事、楽しいと思える仕事がどこに転がっているかわかりません。何か少しでも自分のアンテナに引っ掛かり、気になる道があるのであれば、思い切ってチャレンジしてみるのも新しい自分を発見できるかもしれないです。

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