大阪・関西エリアの看護介護専門の転職サイト  ユメシア転職JOB

DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

城所 佑佳里
株式会社らいふ サービス付き高齢者向け住宅 らいふ・くつろぎ稲田堤 施設長/ユメシアアンバサダー 
施設長

介護職が仕事に誇りや憧れを持てる社会を目指し
施設長の立場から業界の変革求めて様々な発信

あなたのお仕事について具体的に教えてください。

介護事業会社らいふが運営するサービス付き高齢者向け住宅「らいふ・くつろぎ稲田堤」で施設長を、そこに併設されている訪問介護事業所で管理者をしています。

また、仕事ではありませんが「施設長ディスるんです」というタイトルで、Instagramで介護現場や介護の仕事に関する様々なことを発信しています。介護現場で働くスタッフには「なぜ忙しいのに管理職が現場に入ってくれないのか」「何を言っても管理職は聞いてくれない」という疑問や不満があります。こうした「介護職あるある」が投稿のテーマです。現場の声に対し、施設長としての立場や仕事、考え方などを多くの人に発信することで現場と管理職の相互理解を深め、介護業界のサービス品質の向上やスタッフの離職防止などにつなげていければと考えています。Instagramのフォロワーは現在1400名、今ではここを通じて全く知らない人から相談が寄せられることが増えました。

この仕事を始めたきっかけを教えてください。

私はいわゆる「お婆ちゃん子」で、子どものころは祖母の介護もしていましたが、思春期を迎えてからは恥ずかしい気持ちが前に出てしまい、接する頻度も少なくなってしまっていました。26歳で祖母を亡くしたときは「なぜ、もっとそばにいてあげられなかったのだろうか」という後悔しかありませんでした。その経験から、介護の仕事に興味を持ち、介護福祉士の資格を得るための学校に通い始めました。しかし、実習先の特養で、身体拘束を目の当たりにしてしまい「自分は介護の世界で働くのはとても無理だ」と強い拒否感を覚えました。

それを救ってくれたのが当時、何かと頼りにしていた講師の先生の「介護の現実から逃げることを考えるのではなく、自分の力で介護の世界を変えてみたらどうか」との一言でした。

そこで、その先生が所属する法人のグループホームで働き始め、その後、現在の勤務先であるらいふがサ高住のオープニングスタッフを募集していたので応募しました。そこで1年間施設長をし、3年前より現職です。

あなたの強みは何ですか?

「負けず嫌い」「相手の方が上の立場でも、自分が言いたいことはきっちりと主張する、納得いくまでは説明を求める」という性格です。つい先日も、会社のユニフォーム変更の件で、スタッフから出ている「新しいユニフォームは暑い」という意見を本社にしっかり伝え、「スタッフの体調管理の面からも、入浴介助後などは着用に関して個々の判断・裁量を認めて欲しい」を訴えました。最終的に本社からはそれを認める回答を得ることができました。

現場スタッフは、働く上での不平不満、改善要望、提案があっても、それを本社など経営陣に直接届ける機会はなかなかありません。それをきちんと伝えることができるのが施設長などの管理職であり、管理職が責任を持って伝えるべきだと思います。一方で、会社全体の方針を現場スタッフに伝えるのも施設長の役割ですが、私自身がトップダウンは嫌いなので、必ず私なりに咀嚼・翻訳して伝えるようにしています。私が今のサ高住の施設長になって3年弱になりますが、この間に家庭の事情や病気療養以外での離職者がゼロなのも、私のこうした考えや姿勢がスタッフに支持されているからだと自負しています。

あなたの使命とは何ですか?

残念ながら、介護の仕事に対する世間のイメージは良いものではありません。「介護の仕事の魅力、楽しさ」などを広く発信し、介護の仕事に誇りや憧れを持ってもらう人を増やすことです。例えば、私自身は、ご入居者様の前に立つと「自分もこの人たちに支えられている」と感じ、気持ちがすっと楽になります。他のサービス業ではサービス提供側は自身の個性や主張を打ち消すことが求められることも少なくないですが、介護は礼儀やマナーを損なわなければ、素の自分を出してご入居者様とは人と人との付き合いができます。こうした介護の仕事の魅力をもっと伝えていきたいと思います。

また、私は施設長ですので、自分の力や権限が及ぶ範囲にはどうしても限りがあります。いくら自分の事業所が良い環境にあっても、ほかの事業所が旧態依然としたままでは、業界としては何も変わらないでしょう。そのために他の法人で働く管理職の教育や意識改革にも力を入れていきたいと思っています。私は、面接のときには応募者に「ここに入ったら、損はさせない」と伝えていますが、こうしたことを言える介護事業所が果たしてどれだけあるでしょうか。

あなたのこれからの夢を聞かせてください。

「介護業界を変えたい」という想いはありますが、何かを変えるには力・立場が必要です。まずは、社内で今よりも上の役職を目指します。今の会社のキャリアパス制度では東京全体を統括するシニアマネジャーまでは道が開けていますので、そこを目標としていきます。

また、会社は、無資格者が介護の資格を得ることができて、その後は当社を始めとする介護業界への就職ができる養成スクールを来年立ち上げる計画で、私はそこの講師候補として推挙されています。インプットしたことをアウトプットするのは好きですし、得意ですので、今後、こちらの立場になったとしても、介護業界・介護職に誇りを持ち「介護現場で働くことが楽しい」と思える人を1人でも増やしていきたいと思います。

そして、今の勤務先は副業ができませんので、これは大分先の夢になりますが、いつかは介護保険外サービスで地域の高齢者をはじめ困っている人たちを支える事業を行いたいと考えています。

最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。

介護の仕事で得られる知識や技術、資格は社会のためだけではなく、自分の家族や自分自身のためにも役立ちます。それを働きながら得られる環境はなかなかあるものではありません。今後も一緒に頑張っていきましょう。しかし、業界内での転職など、自分の環境などを変えたいと思っている場合には積極的に行動しましょう。迷っているときは、一歩を踏み出すことをお勧めします。

OTHER INTERVIEW
原田竜生 社会福祉法人ながよ光彩会 特別養護老人ホームかがやき 施設長
介護業界を「新たなことにチャレンジできる環境」に。自治体と協力し働ける特養実現目指す。
原田竜生
社会福祉法人ながよ光彩会 特別養護老人ホームかがやき 施設長
株式会社笑顔音 代表取締役 菊本美和
ファッション・デザイン通じ介護の情報を社会に。高齢者がランウェイを歩くショーも開催
菊本美和
株式会社笑顔音 代表取締役
ながよ光彩会理事長 貞松徹
介護職の魅力を子どもたちに発信できる人材を養成。長崎県より委託受け89人の「伝道師」輩出
貞松徹
社会福祉法人ながよ光彩会 理事長
Read More
イベント「『Care』Question?」を定期開催。技術や知識を多くの介護職に伝えて離職を防止
平澤清矢
介護チーム風来坊代表
青髪介護士すがちゃん
「医療・介護・福祉職の次世代の希望になる」が使命。若手男性介護職代表としてSNS等で介護の魅力を発信
菅原和也
青髪介護士すがちゃん
藤井円 介護 コンサル
累計150社の介護事業経営を支援。「介護職が『優しい気持ち』を発揮できる」コンセプトに、自身でも運営を検討
藤井円
株式会社HAPPY LEAF 代表取締役
上地智枝 国際介護士
「国際介護士」養成目的に社団法人設立。日本の素晴らしい介護を世界に広めたい
上地智枝
一般社団法人国際介護士協会 代表理事
MENITY 舍川美咲
産業保健師の普及で「健康経営」が当たり前の社会に。医療従事者の「自由な働き方」のサポートも
舍川美咲
産業保健師 株式会社Avenir取締役 株式会社MENITY代表取締役
藤田英明
「資本主義からドロップアウトした人たちの受け皿を」ペット共生型障がい者グループホームを全国で展開
藤田英明
株式会社アニスピホールディングス代表取締役会長兼社長  一般社団法人全国障害福祉事業者連盟代表理事