居宅介護支援事業所を誰もが気軽に集う場所へ。「街の限界点」引き上げ、最後まで安心して住める社会に | 介護・看護・保健師の転職サイトaunジョブ

DREAM INTERVIEW

各界リーダーへの夢インタビュー

山下勝巳
株式会社山勝ライブラリ 代表

居宅介護支援事業所を誰もが気軽に集う場所へ
「街の限界点」引き上げ、最後まで安心して住める社会に

あなたのお仕事について具体的に教えてください。

ケアマネジャーです。大阪府羽曳野市で居宅介護支援事業所を経営しています。事務所は商店街の中にあり、1階はカフェと父親の稼業であった時計店になっています。様々な機能をひとつすることで、介護に関係のある人もない人も、お年寄りでも若い人でも気軽に立ち寄り、集えるようにしています。駅からバスで約20分とアクセスに難があり外からの人の流れは見込めない地域ですが、カフェには月に延べ300人~400人が来店しています。この夏には、事務所の隣の建物に、イベントなどに使えるレンタルスペース「となり」を開業しました。こうしたさまざまな仕掛けにより「日本で一番人が多く訪れる居宅介護支援事業所」を目指しています。

ほとんどの人たちにとって、居宅介護支援事業所は「何をしていいるかわからない」「入るのに勇気がいる」場所だと思います。これが結果的に家族や自身の介護に悩む人を増やすことになります。「コーヒーを飲みたい」でも「友だちとおしゃべりをしたい」でも、理由は何でも構いません。足を運んだ先に介護の専門家がいて、気軽に何でも話ができる環境を整えることが大切だと考えます。また、こうして足を運んでもらうことが結果的に商店街全体の活性化にもつながるでしょう。

この仕事を始めたきっかけを教えてください。

医療法人や民間介護事業会社で介護の仕事を一通り行い、高齢者住宅の立ち上げなども行って来ました。2013年に独立起業をするのですが、そのときに「ケアマネジャーが一番自分にしっくりくる」と感じました。他の介護関連の仕事は、どうしても活動が自分の事業所に縛られてしまいます。それに対してケアマネジャーは地域全体がフィールドです。場所や時間にもあまりとらわれることなく働け、介護・医療関係者以外の人たちともつながって「地域づくり」を行えることに大きな魅力を感じました。

あなたの強みは何ですか?

運営する事業所が様々な機能の複合体になっていることからもわかるように「人やモノの強みを見つけて、それを組み合わせて大きな相乗効果を生み出す」ことが好きですし、得意としています。「何と何を組み合わせたら面白いか」を常に考えており、実際にさまざまなアイデアを思いつきます。今、検討しているのが「訪問介護とクリーニング店の融合」です。クリーニング店は、かつては御用聞きの形で家を1軒1軒訪問していましたが、今は客が店に持って行き、後日取りに行くスタイルです。しかし、そのことで気軽に利用できなくなってしまった人も大勢います。訪問介護と組み合わせれば、お年寄りの自宅のシーツなどの洗濯物を預かったり届けたりできるようになります。

また、私自身の性格の面で言えば、様々な分野のことに興味があり、知識欲が旺盛です。そのため、どのような立場・仕事や趣味の人とでも何らかの「共通言語」があり、それを通じてすぐに親密になれます。知識の中には、一般的には「無駄」と言われるものも少なくありませんが、私は「無駄=豊かさ」であると考えています。無駄の多い人ほど、多くの人を受け入れる余裕があり、気軽につながることができるのではないでしょうか。

あなたの使命とは何ですか?

「街の限界点を引き上げる」ことを常に考えています。私が事業所を構えている商店街は古いニュータウンの中にあります。もし、ここの商店街が無くなってしまったら高齢化が進んだ地域住民たちの生活は一気に不便になり、それが住民の流出を招き、さらに商店街が衰退するという悪循環を生み出します。様々な仕掛けを行い、地域や商店街を活性化させ、その街にある資源だけでお年寄りをはじめとする多くの人が最後まで安心して生活できる仕組みを構築する必要があります。 

あなたのこれからの夢を聞かせてください。

長期的には、今取り組んでいる「街の限界点を引き上げる」を一つの形にし、それを同じような課題を抱える他の地域に広げていくことです。一般的にニュータウンの寿命は50年と言われています。団塊の世代の居住を見込んで全国各地につくられた団地・ニュータウンの多くがその寿命を超えようとしています。羽曳野がそうした地域再生のロールモデルになることが夢です。

短期的には高齢者住宅の運営です。今カフェの常連になっているお年寄りからも「いよいよ自宅での生活が無理となったときのために高齢者住宅を作って欲しい」と頼まれています。店に来ている人たちの状態を考えると、5年以内には何らかの形で実現する必要性があると考えています。場所は羽曳野市内を考えています。

最後に、夢や目標に向かって新たな一歩を踏み出そうとしている方へ、メッセージをお願いします。

まず、新たなことをやろうかどうか迷っているなら「やる」を選択すべきです。「迷う」のというのは「やるか止めるか半々の状態」であることは少なく、大概は「やる」方に気持ちが動いている状況です。将来何か後悔をするようなことがあっても「やった結果の後悔」と「やらなかった結果の後悔」では、前者の方が諦めもつきますし、自身の糧になるでしょう。

そして、転職など何かを新たに始める際には、配偶者や子ども、恋人など、最も身近な運命共同体の人に一度話をしてみましょう。とは言っても「許してもらおう」とか「相談してみよう」といったレベルではなく、「本気でプレゼンテーションをする」ぐらいの気持ちで話をすることが大切です。あなたが描いている夢や人生プランが本当に素敵なものであるなら、これから先、さまざな人にプレゼンをする機会があるはずです。しかし、ときには叩かれて、へこんで、悔しい想いをすることもあるかもしれません。そうした戦いに1人で立ち向かうのはつらいものです。「自分1人できる」と第一歩を踏み出したとしても、必ず誰かの助けが必要になります。最初に逃げずに、まず家族など一番大切な守るべき人に最高のプレゼンをして、あなたの夢に対するサポーターになってもらいましょう。

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